500回におよぶ店頭実験から掴んだ販売の極意! 「売れる売れる研究所」代表・橋本和恵

どんな商品でも売ってしまう〝カリスマ販売員〟として、全国の企業や販売員の指導、セミナーや講演活動に取り組んでいる売れる売れる研究所代表・橋本和恵さん。しかしそんな橋本さんも最初は全く売れない販売員だったといいます。その試行錯誤の歩みから掴んだ販売の極意をお話しいただきました。

販売の極意を掴んだ3つの実行

〈橋本〉
……現場に立つ以上はやるしかないと覚悟を決め、次の三つのことを実行し始めました。

一つは、「何でも試してみる」ことです。例えば、真っ正面からお客様にお声掛けした場合と、横からお声掛けした場合とでは、アプローチできる確率が違ってくるんですね。あるいは、髪の毛や着るシャツの色を何色にしたら売れるかなど、500回に及ぶ様々な店頭実験を繰り返したんです。

そのうち約350回は失敗したんですが、面白いことに、約150回は成功したんですよ。

――どんなことが分かりましたか。

〈橋本〉
先ほどの例で言えば、正面よりも横から蟹歩きで近づいていったほうがお客様とお話しできる確率が高まるとか、黒色よりも桜色のシャツを着た時のほうが、お客様の反応がよくなるとか……。

あとお客様にお洋服などを試着していただいた際に、「お綺麗です」「お似合いです」と言っていたのを、「上品ですね」と言ってみたら、売り上げが倍以上に増えたんです。

なぜだろうと調べてみると、女性が好きな芸能人ランキングってありますよね。その上位を見ると、吉永小百合さんとか上品な女性が入っている。つまり、世の女性は上品な人に憧れる傾向があることが分かったんです。

2つ目は、「ものまね」をすることです。「あの店に販売のうまい人がいる」と耳にすれば、とにかくカメラや録音機器などを入れたリュックサックを背負って、「どういう販売をするのだろう」と観察しに行き、優れたところはどんどん取り入れていきました。

3時間くらい物陰からじっと観察していたら、警備員さんに「怪しい」と取り調べを受けたこともありました(笑)。それくらい熱心にものまねをやったんです。

そして、3つ目が「録音」することです。自分が店頭に立つ際には、必ずお客様とのやり取りを録音するようにし、勤務が終わったら近くの喫茶店に行って夜遅くまで延々と録音を聴きました。きょうの自分のセールストークはどうだったかと客観的に見て、日々改善を繰り返していったんですね。

そのような試行錯誤を地道に続けていくうちに、だんだんどうすれば売れるかが分かっていきまして、3年目ぐらいから、売り上げが急激に上がり始めたんです。


(本記事は月刊『致知』2016年2月号 連載「第一線で活躍する女性」より抜粋・編集したものです) 

『致知』2022年9月号に橋本さんが再びご登場!

「商品ではなく未来を売っている」
「心の波動はお客様に伝わる」
「商品を『もの』ではなく『人』だと思って売る」

……橋本さんが試行錯誤の実体験から掴んだ販売・営業の極意が余すところなく語られています。「販売、営業でなかなか結果が出ない」そんなお悩みをお持ちの方は、必見です。

【詳細・購読はこちら「致知電子版」でも全文をお読みいただけます)】

◇橋本和恵(はしもと・かずえ)
兵庫県生まれ。平成9年佐賀県立有田窯業大学校陶磁器科卒業。陶芸家として作品を製作する傍ら、アルバイトで始めた販売員の仕事に目覚め、プロ販売員に転身。500回を超える独自の消費者研究を重ね、どんな商品でも売れるカリスマ販売員として、驚異的な売り上げを記録。19年独立し「売れる売れる研究所」を設立。全国から講演・研修の依頼が絶えない。著書に『誰でもアッという間に不思議なくらい商品が売れる販売員の法則』(大和書房)など多数。

各界一流プロフェッショナルの体験談を多数掲載、定期購読者数No.1(約11万8,000人)の総合月刊誌『致知』。人間力を高め、学び続ける習慣をお届けします。


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