たったこれだけ! 簡単にできるマスク病対策——コロナ禍のストレスを解きほぐそう

 

コロナ禍によるマスク生活が始まって体に不調を感じることはないでしょうか? 2020年にコロナ禍が本格化して以降、頭痛や顎痛、難聴やめまいなどの耳の異常、睡眠障害等で来院される方が増えていると、バランス整骨院総院長の花谷博幸さんは語ります。これらの不調を簡単に改善できる対策をお聞きしました。

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「マスク病」とは

通常、肩りといえば、ほとんどが肩の後ろのほうに凝りや痛みが出るものですが、なぜか肩の横や前のあたりに異常な凝りがある方が急増したのです。同時に、頭痛や顎痛あごつう、難聴やめまいなどの耳の異常、睡眠障害に悩まされて相談に見える方も増えてきました。

そういう患者さんの体をると、ほぼ全員が首の前面の筋肉・斜角筋しゃかくきん
異常に緊張していました。私はすぐに、この現象はコロナ禍が深く関わっていることに思い至りました。

ネクタイを締めたり、きつめの洋服を着たりすると体は緊張するものですが、これはマスクをする際も同様です。両耳にゴムを掛けて顔を覆うことで、無自覚のうちに体の皮膚感覚には緊張が生じるのです。

先述した、首前面の筋肉・斜角筋の緊張に伴う体の様々な不調は、ストレスによって歯をギリギリとみ締めたり、グッと食いしばったりする悪癖あくへきを持つ人に現れる典型的な症状です。

未知の病気に対する恐怖心と、長時間のマスク着用。この二つのストレスが重なることで、多くの人が無意識のうちにこうした悪癖に陥り、体に変調を来してしまったようです。

危機感を覚えた私は、この症例を新たに「マスク病」と名づけ、患者さんやメディアを通じて注意をうながしています。

簡単に実践できるマスク病対策

マスク病を解消するために、自分で簡単に実践できるケアの方法をご紹介しましょう。

①顎をマッサージする
まずは、噛み締めや食いしばりで緊張した顎の緊張を、マッサージでほぐしましょう。
顎の筋肉は、耳の下の顎の両側の先端から鼻の方向へ斜めに走っています。この部分に指を当て、筋肉の向きに沿って押し揉もみします。仕事や家事の合間に、自分の心地良い強さで揉んで緊張を解きほぐします。
目安は10往復を1セットとし、1日3回です。

②マグネシウムオイルを塗る
これに加えて、マグネシウムオイルの塗布とふをお勧めします。
マグネシウムオイルは、筋肉を柔らかくする作用があり、筋肉痛の時に塗ると、痛みの緩和に大きな効果があります。顎の周辺、首周りに塗ることで、顎関節の緊張を緩和させることにも役立つでしょう。
薬剤師など専門家に相談の上、ご自身の体質に合わせて試してみてください。

③口の形を工夫する
顎に力が入りにくい口の形というものがあります。
舌先を前歯の後ろや、上顎うわあごに軽く着けた状態で顎に力を入れてみてください。力が入らないと思います。普段から、舌先を前歯の後ろや上顎に軽くつけておくことを習慣にすると、顎を余計に緊張させなくて済みます。
もう一つ、「う」という言葉を発する時のように、口を軽くすぼめた状態も、顎に力が入りにくくなります。歯を食いしばっていることに気がついたら、口をいったん「う」の形にすぼめてリセットしましょう。平素から、こうした舌の位置、口の形を意識することによって、噛み締めや食いしばりの悪癖を軽減させることができるのです。

④マウスピースを装着する
あいにく睡眠中は、自分で意識して顎の緊張をコントロールすることができません。しかし、睡眠中の食いしばりや歯ぎしりを放置しておくと、大事な歯や歯茎はぐきを痛め、時には損傷してしまうこともあります。
これを防ぐためには、睡眠中にマウスピースを装着するとよいでしょう。
自分の口の形に合ったマウスピースのほうがより有効ですから、歯科医院で歯型を取ってもらい、自分の口の形にしっかりフィットする専用のマウスピースを使用することをお勧めします。
ただし、マウスピースによって顎の緊張を解くことはできません。あくまで、噛み締めによって歯と歯茎がダメージを受けるのを防ぐ措置であることをご理解ください。

⑤不要な時にはマスクを外す
一人で車を運転している最中に、マスクを着けている方をよく見かけます。しかし、そうした感染リスクのないところではなるべくマスクを外して、体をリラックスさせる時間を少しでも多く確保することが大事です。人と会う時など、装着すべき時はきちんと装着し、そうでない時には外す。オンとオフのメリハリをしっかりつけることが大切です。
なお、睡眠中もマスクの着用は避けたほうが無難です。鼻や喉の保湿を図ったり、埃ほこりを避けたりする上では有効ですが、リラックスして質の高い睡眠をとるためにも、マスクの代わりに空気清浄機や加湿器を使用することをお勧めします。

こうした対策に加えて、平素からしっかりストレスを発散することを心掛けましょう。


◇花谷博幸(はなたに・ひろゆき)
昭和46年埼玉県生まれ。鍼灸師。高校卒業後、中国・山西省の人民病院に3年間留学し中医学を学ぶ。帰国後、専門学校卒業、学術研究を続けながら、平成4年バランス研究所、バランス整骨院を開業。著書に『肩を回せばねこ背は治る!』(マキノ出版)など多数。業界最大規模の研修会を主宰。

(本記事は月刊『致知』2022年4月号 連載「大自然と体心」より一部を抜粋・編集したものです)

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