京セラ創業者・稲盛和夫の人生・仕事を発展成功に導く金言

京セラ、KDDI、JALの再建……会社経営をしていく中で得た事業・人生発展の秘訣を、強い信念を持って語り続けてきた稲盛和夫氏。直面する数々の逆境、困難、そこから得た学びを哲学にまで高めた稲盛氏の言葉は、素晴らしい人生、仕事発展の要諦に溢れています。

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魂に響く言葉

◉反省と努力

ほとんどの人は心の大切さに気づかず、
心を立派にしようなどということに関心を
もたない。まずは、心を高めなければならない、
心を美しくしなければならない、
と思わなければならない。そうしても、我々は
煩悩、欲にまみれた人間であるから、なかなか
そうはなれない。なれないけれども、
「ならなければならない」と思い、反省する。
この反省があるから、また努力をしようと心がける。
この反省と努力が「心を高める」にあたり、
大切なのである。

◉チャンスをつかむ人

素晴らしいチャンスは、ごく平凡な情景の中に
隠れている。しかし、それは強烈な目標意識を
持った人の目にしか映らないものだ。

◉思いは必ず実現する

思いは必ず実現する。それは、
人が「どうしてもこうありたい」と強く願えば、
その思いが必ずその人の行動となって現れ、
実現する方向におのずから向かうからです。
ただそれには、強い思いでなければなりません。
漠然と思うのではなく、「何がなんでもこうありたい」
「必ずこうでなくてはならない」
といった、
強い思いに裏打ちされた
願望でなければ、
決して実現しないのです。

◉災難の考え方

災難に遭うことにより過去の業は消える。
そこで、「ありがたい。この程度の災難ですんでよかった」
と感謝し、明るい方向に考え方を変えていく。
災難さえも前向きに解釈することで、
運命をよい方向に変えることができる。

◉自然性の人

ものには、他からエネルギーを受けて燃えるものと、
それでも燃えないものと、そして自分自身で
燃えるものとがあります。つまり、火を近づけると
燃え上がる可燃性のもの、火を近づけても燃えない
不燃性のもの、自分で勝手に燃え上がる自燃性のものと、
物質は三つに分かれますが、人間も同様です。
ものごとを成そうとするには、自ら燃える者で
なければなりません。

◉強烈な願望を持つ

願望を成就につなげるためには、
並みに思ったのではダメだ。生半可なレベルではなく、
強烈な願望として、寝ても覚めても四六時中そのことを思い続け、
考え抜く。頭のてっぺんからつま先まで全身をその思いで
いっぱいにして、切れば血の代わりに「思い」が流れる。
それほどまでにひたむきに、強く一筋に思うこと。
そのことが、物事を成就させる原動力となる。

◉「プラス方向」の考え方

仕事や人生を実り多きものにしてくれる、正しい「考え方」をご紹介したい。

 ・ 常に前向きで、建設的であること。
 ・ みんなと一緒に仕事をしようと考える協調性を持っていること。
 ・ 明るい思いを抱いていること。
 ・ 肯定的であること。
 ・ 善意に満ちていること。
 ・ 思いやりがあって、やさしいこと。
 ・ 真面目で、正直で、謙虚で、努力家であること。
 ・ 利己的ではなく、強欲ではないこと。
 ・ 「足るを知る」心を持っていること。
 ・ そして、感謝の心を持っていること。

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◇稲盛和夫(いなもり・かずお)
昭和7年鹿児島県生まれ。鹿児島大学工学部卒業。34年京都セラミック(現・京セラ)を設立。社長、会長を経て、平成9年より名誉会長。昭和59年には第二電電(現・KDDI)を設立、会長に就任、平成13年より最高顧問。22年には日本航空会長に就任し、27年より名誉顧問。昭和59年に稲盛財団を設立し、「京都賞」を創設。毎年、人類社会の進歩発展に功績のあった方々を顕彰している。また、若手経営者のための経営塾「盛和塾」の塾長として、後進の育成に心血を注ぐ(現在は閉塾)。著書に『人生と経営』『「成功」と「失敗」の法則』『成功の要諦』(いずれも致知出版社)など。


◇追悼アーカイブ
稲盛和夫さんが月刊『致知』へ寄せてくださったメッセージ

「致知出版社の前途を祝して」
平成4年(1992)年

 昨今、日本企業の行動が世界に及ぼす影響というものが、従来とちがって格段に大きくなってきました。日本の経営者の責任が、今日では地球大に大きくなっているのです。

 このような環境のなかで正しい判断をしていくには、経営者自身の心を磨き、精神を高めるよう努力する以外に道はありません。人生の成功不成功のみならず、経営の成功不成功を決めるものも人の心です。

 私は、京セラ創業直後から人の心が経営を決めることに気づき、それ以来、心をベースとした経営を実行してきました。経営者の日々の判断が、企業の性格を決定していきますし、経営者の判断が社員の心の動きを方向づけ、社員の心の集合が会社の雰囲気、社風を決めていきます。

 このように過去の経営判断が積み重なって、現在の会社の状態ができあがっていくのです。そして、経営判断の最後のより所になるのは経営者自身の心であることは、経営者なら皆痛切に感じていることです。

 我が国に有力な経営誌は数々ありますが、その中でも、人の心に焦点をあてた編集方針を貫いておられる『致知』は際だっています。日本経済の発展、時代の変化と共に、『致知』の存在はますます重要になるでしょう。創刊満14年を迎えられる貴誌の新生スタートを祝し、今後ますます発展されますよう祈念申し上げます。

――稲盛和夫

〈全文〉稲盛和夫氏と『致知』——貴重なメッセージを振り返る

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