【コロナウイルスに負けない免疫力をつくる(全3回)】病気予防に効果的なファイトケミカルスープのつくり方——麻布医院院長・高橋弘

コロナウイルスが猛威をふるっています。コロナウイルスに限らず、様々な感染症の危険から身を守るには、何よりも自分自身の免疫力を高めることが非常に大切です。そこで『致知』の記事の中から、免疫力を高める情報が満載の記事を精選して緊急配信いたします(全3回)。第一回は、麻布医院院長の髙橋弘さんが考案した、病気予防の効果が高く誰でも簡単に作れる野菜スープ、ファイトケミカルスープの記事の一部をご紹介します。

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誰でもつくれる病気を予防する野菜スープ

(髙橋)

ファイトケミカルスープを考案する際に考えたのは、病気の予防効果が高いことに加え、日本で1年を通して簡単に手に入る食材を用いることでした。その結果、キャベツ、カボチャ、ニンジン、玉ねぎという4つの野菜に水を加えて煮るだけで、誰もが簡単につくることのできる健康スープが生まれたのです。 

キャベツ、カボチャ、ニンジン、玉ねぎ。この4つの野菜に共通して豊富に含まれているのが、がんの予防に非常に効果があり、スープの名前の由来ともなったファイトケミカルです。 

ファイトケミカルとは、植物が紫外線や害虫などの外敵から身を守るために体内につくり出す成分です。強力な抗酸化作用や免疫力を高める作用、発がんを抑制する作用などがあり、私たちの健康の維持や増進に欠かすことのできない機能性成分として位置づけられています。

この機能性成分を豊富に含むファイトケミカルスープを実際に患者さんやご家族に試していただくと、「体重が減った」「血糖値が下がった」「血圧が下がって薬が要らなくなった」等々、たくさんの喜びの声が寄せられ、効果を確信した方々の口コミでどんどん広まっていきました。

厚生労働省は、がんなどの生活習慣病の予防のため、1日に350~400グラムの野菜を摂ることを推奨していますが、ファイトケミカルスープでは、400グラムの野菜を簡単に摂ることができる上に、野菜を全部食べても摂取カロリーは僅かに190キロカロリー。おにぎり1個が約230キロカロリーですから、カロリーが気になる方、ダイエットに取り組んでいる方にもうってつけです。

また、ファイトケミカルスープには「エース」と呼ばれるビタミンA・C・Eも豊富で、それぞれ一日の推奨量も満たしています。さらに、体に最も悪いとされる猛毒の活性酸素ヒドロキシルラジカルを中和するα-カロテン、β-カロテン、カルテノイド、ポリフェノールをはじめ、イソチオシアネート、ケセルチンなど、がんの予防に効果のあるファイトケミカルがすべて入っています。

このスープは繊維質も非常に多く含み、400グラムで1日の必要摂取分の半分を摂ることができます。

玉ねぎに含まれるケセルチン、ニンジンに含まれるα-カロテン、ニンジンとカボチャに含まれるβ-カロテンは悪玉コレステロールの酸化を防ぎ、キャベツに含まれるイソチオシアネートには血液をサラサラにする作用があり、脳梗塞をはじめとする血管系の病気防止にも効果があります。

ファイトケミカルスープのつくり方

(髙橋)

それでは、ファイトケミカルスープのつくり方をご紹介します。

●ファイトケミカルスープのつくり方

材料‥キャベツ100グラム、玉ねぎ百グラム、ニンジン(皮付き)100グラム、カボチャ(皮付き)100グラム、水約1リットル(野菜が浸る量)

作り方

①4つの野菜を食べやすい大きさに切ります。

※玉ねぎの皮やニンジンのヘタ、カボチャの種とワタは、捨てずにとっておきます。

②キャベツ、ニンジン、玉ねぎを鍋に入れ、野菜が浸るくらいの水を加えて強火で沸騰させます。

※この時、玉ねぎの皮やニンジンのヘタ、カボチャの種とワタを出汁袋に入れて口を閉じ、鍋に入れて一緒に煮込みます。

③煮立ったら蓋をして、弱火で十分煮込みます。

※蓋をピッタリしないと、蒸気と一緒にファイトケミカルが逃げてしまうので注意。

④カボチャを加えて再び蓋をし、さらに十分煮ます。

※カボチャを後から加えるのは、煮崩れしないためです。

⑤煮込み終わったら出汁袋を取り出してできあがり。

1日に食べる量の目安は、200ミリリットルを1、2杯。メタボや病気療養中の方は、3、4杯食べるとよいでしょう。スープをひと口すするだけで、心がホッと落ち着きます。食生活の乱れている人ほど、優れた健康効果を実感されることでしょう。

野菜をサラダやジュースではなく、スープにするのは理由があります。ファイトケミカルは野菜の硬い細胞壁の中に閉じ込められた細胞の中に含まれているため、細胞壁を壊さない限り体に吸収できません。野菜を煮ると、細胞壁が壊れてファイトケミカルの8~9割が溶け出して吸収されやすくなるのです。

野菜に含まれるファイトケミカルの多くは、ゆで汁に溶け出しているのでスープは残さず飲んでください。もちろん具の野菜にもファイトケミカルや不溶性食物繊維などの栄養が多く残されているので、両方とも残さず、体によい成分を少しでも多く摂取しましょう。

また、食事の最初に口にすることで、スープに含まれる食物繊維により糖質の消化吸収がゆっくり進み、血糖値の急上昇を抑えられます。お腹も満たされるため、主食の食べ過ぎ防止にも効果があります。

調理の際は、食塩や調味料で味つけをせず、素材そのもののおいしさを味わってください。塩分や調味料を含むスープを日に何度も飲めばたちまち塩分過剰になり、高血圧や胃がんのリスクを高めます。野菜本来の甘みやうま味に気づき、食事全体を薄味に改善することもこのスープの目的なのです。

そのためにも、素材はできるだけつくり手の見える、よい環境でつくられたものを選んでください。野菜は大地から水を吸って育ちます。それだけに、よい環境、よい土壌、そして食べる人の健康を願う誠実なつくり手、すなわち天・地・人の条件が揃った食材こそが体にもよいのです。

(本記事は『致知』2018年6月号「大自然と体心」から一部抜粋・編集したものです。あなたの人生や経営、仕事の糧になる教え、ヒントが見つかる月刊『致知』の詳細・購読はこちら

◇髙橋弘(たかはし・ひろし)

昭和26年埼玉県生まれ。52年東京慈恵会医科大学卒業後、同大学大学院博士課程(内科学専攻)に進学、同附属医院で臨床研修。60年ハーバード大学医学部留学。同大学附属マサチューセッツ総合病院にてフェロー、助手、助教授を経て、ハーバード大学医学部内科准教授、東京慈恵会医科大学教授となる。平成20年医療法人ヴェリタス・メディカル・パートナーズ理事長に就任。21年麻布医院を開業。著書に『ハーバード大学式 最強! 命の野菜スープ』(宝島社)などがある。

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