睡眠不足を解消するための3つの習慣——お釈迦様のように横向きに寝ることも大切

睡眠不足に悩んでいる人は少なくないようです。仕事や人間関係によるストレスのため、なかなか眠りにつくことができない人。スマホやパソコンに囲まれ夜遅くまで起きていて、体内時計が乱れてしまった人……。そこでお勧めしたいのが「安眠マッサージ」。総合専門医の小野垣義男さんに解説していただきました。

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脚をさすりながら100まで数える

残念ながら現代社会は、決して睡眠によい環境とは言いがたく、不眠に悩む人が多いのも無理もない話なのです。そこで、私が体験に基づいて考案した「安眠マッサージ」をご紹介しましょう。ポイントは3点だけです。

①ベッドや布団で横向きに寝る
左右どちらが下でも構いません。お腹がベッドにつくくらい体を深く傾け、上の膝もベッドにつくように。ベッドについた膝を支点に脚を動かせるようにします。両手は枕の上に載せると負担がかかりません。下になった手で上の手を軽く握ると、安心感が増して眠りやすくなります。

②上になった足で下の脚をさする
気持ちよく感じるところならどこをさすっても構いませんが、ふくらはぎと足の裏は必ずさすりましょう。さすっている最中に疲れないよう、体の向きなどを適宜変え、安定して、楽に行えるようにしましょう。

③脚をさすりながら100まで数える
一往復ずつ1、2、3と100まで数えます。眠くなって間違えそうになっても、集中して100まで数えてください。

寝る時に仰向けになるのは人間ぐらいで、動物はみんな横向きか腹ばいで寝ています。それが自然な寝方だからです。2500年前のあの有名な方も横向き寝でした。そう、お釈迦様です。お釈迦様の涅槃像は体が横向きになっています。

安眠マッサージは寝て行う坐禅

一日の間に脚に溜まった疲労物質の中には、睡眠物質も含まれています。脚をさすることでこれが体を循環し、脳に行き、入眠効果が表れるのです。

脚をさする時に数を数えるのは、眠れない不安やイライラ、焦りなどの雑念を遮断するためです。人間の頭は同時にたくさんのことを考えられないので、脚をさすりながら数を数え、さらに呼吸にも意識を向ければ他のことはほとんど頭に入ってこなくなります。

不眠解消のための認知行動療法では、寝る前にものを考えないよう坐禅も導入されています。しかしこの安眠マッサージは寝て行う坐禅のようなものですから、わざわざ坐禅を行う必要はありません。

坐禅では数息観(すそくかん)といって、深い呼吸に合わせて数を数えることで禅定に入ります。安眠マッサージも、繰り返しているうちに頭が空になってストンと眠りに落ちるのです。もし100まで数えて眠れなければ、向きを変えてまた100数えます。私は少々ストレスの強い時でも、200を超す頃には大体深い眠りに陥っています。

よい睡眠に必要なよい生活習慣

厚生労働省は、睡眠障害を事前に防ぐ方法を「睡眠障害対処12の指針」※にまとめています。

こうした心得を「睡眠衛生」といい、まず節度のある規則正しい生活を送ることが重要だということです。睡眠衛生に則った生活をすることは、薬を飲むことより大切であり、ここが乱れていては、いくら安眠マッサージを実践しても不眠は解消できません。

現代はストレスの多い社会です。こういう時代を生きていく上では、自分に合ったストレス解消法を持つことが大切です。ストレス解消が上手くいけば状況はかなり改善するはずです。

ストレス解消は人間形成の重要な要素であるとの認識のもと、ぜひともこれに積極的に取り組んで、楽しく充実した毎日を送っていただきたいと思います。

※「睡眠障害対処12の指針」

①睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分。

②刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法。

③眠たくなってから床に就く、就床時刻にこだわりすぎない。

④同じ時刻に毎日起床。

⑤光の利用でよい睡眠。

⑥規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣。

⑦昼寝をするなら、15時前の20~30分。

⑧眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに。

⑨睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意。

⑩十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医に。

⑪睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと。

⑫睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全。

(本記事は月刊『致知』2015年7月号の「大自然と体心」の記事から一部抜粋・編集したものです。「睡眠障害対処12の指針」は加筆。あなたの人生、健康、仕事の糧になるヒントが見つかる月刊『致知』の詳細・購読はこちら

◇小野垣 義男(おのがき・よしお)
昭和15年秋田県生まれ。42年群馬大学医学部卒業。51年群馬県に小野垣医院を開業。医学博士、総合内科専門医、内科認定医、産業衛生コンサルタント、介護支援専門医。著書に『7分で眠れる超熟眠法』(マキノ出版)などがある。

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