『致知』は〝海内無双〟の月刊誌——サンリ会長・西田文郎が『致知』を読む理由

イメージトレーニングの第一人者として知られ、能力開発に関する数多くの著書をものされているサンリ会長の西田文郎さんは、長年の『致知』の愛読者です。西田さんは脳科学の視点からも『致知』を定期購読することには大きな意味があると述べられています。西田さんはどのような思いで『致知』を読まれているのでしょうか。

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『致知』は五感に訴えてくる

〈西田〉
私は長年にわたり人間の脳の働きについて科学的な研究を重ねてきました。そこで明らかになったのは、脳の機能を知り、それを活用することで、人間の能力は驚異的に向上するという事実です。

私たちが構築した「SBT(スーパーブレイントレーニング)」と呼ばれる能力開発プログラムは、アスリートやビジネスマン、受験生などの様々な分野の人たちの間で取り入れられ、今日まで数々の実績を残してきました。

その私が長く『致知』を読み続ける中で強く感じることがあります。それは、日本人の心を救うのに『致知』ほど貢献できる月刊誌はない、ということです。これからの時代、『致知』はもっともっと多くの人たちに読まれて然るべき月刊誌だというのが私の正直な思いです。

現在、インターネットが急速に普及し、パソコンやスマートフォンで検索すれば、子供でも多くの情報を一瞬にして入手できる時代となりました。脳科学的に言えば、この行動を司るのは、大脳新皮質の左脳の領域です。

しかし、いくら高度な知能を駆使して情報の入手、分析を行ったとしても、それは知識の域を出るものではありません。知識を得たからといって本当の意味で分かったことにはならないのです。物事が真に分かるためには、脳の奥にある脳幹、二層目にある大脳辺縁系、外側にある大脳新皮質の三層すべてを働かせることが必要です。

スポーツでよく使われる心技体という言葉があります。前向きな心の状態、高い技能、優れた体力、この三つがバランスよく噛み合った時、プロとして最高のパフォーマンスを発揮することができます。同様にビジネスの世界では知識、人徳、胆力の三つの要素を向上させないと、一流と呼ばれるだけの仕事はできません。

脳の三層すべてが働いている状態とは、この心技体、知徳胆がそれぞれ一つとなった状態をいいます。五感のすべてが活性化している状態という表現をしていいかもしれません。

そしてその五感に訴えかけてくる月刊誌、五感を通して読まなくてはいけない月刊誌こそが『致知』なのです。そこには知識という枠を超えた深い学びがあります。

次々に画面が切り替わるネットの画面上の情報では、五感に訴える力は生まれにくいものですが、紙媒体である『致知』にはその力があります。

「天運の法則」と 『致知』

ところで、私には29歳でいまのサンリを設立した当初から、いずれお伝えしたいと思いながら、ずっと温めてきた能力開発の法則があります。それを60代のいま「天運の法則」と題して皆さまにお話しするようになりました。

スポーツやビジネスで得られるのは社会的成功であり、そこには厳しい競争原理が働いています。厳しい競争原理に打ち勝って、社会的成功を収めることは、充実した人生を生きる上でとても意義深いことです。

しかし、人間の成功は社会的成功だけではありません。人間には社会的成功とは一見相反するように思える人間的成功というものがあります。『致知』を開くと、社会的には無名でも、深い思いやりの心で人々を導くような、素晴らしい人間的成功者と多く出会うことができます。社会的成功と人間的成功、その二つが備わっていてこそ本当の意味での人生の成功者と言えるのではないでしょうか。

ここで忘れてはいけないのは、社会的成功、人間的成功の前提として万物を支配している自然の道理というものが存在しているという事実です。自然の道理が分かってこそ天運を呼び寄せることができるのです。

では、天運を呼び寄せるにはどうしたらよいのでしょうか。

人間の脳には記憶にあってもアウトプットできないものがあります。心のさらに奥にある、いわば魂とも呼ばれる領域です。脳幹や大脳基底核によって司られるこの部分に詰まっているのが日本人としての記憶、連綿たる先祖たちの記憶、親から受けた深い愛情です。そこに焦点を当てて呼び醒ましていくことが天運の法則を知る鍵になるのです。

私はこの「天運の法則」は能力開発の上でも、この上なく意義のある海内無双の理論と考えていますが、その大切さを創刊以来、一貫して説いているのがまさに『致知』です。その意味でも、私は『致知』は海内無双の月刊誌であると高く評価したいと思います。

人間の奥にある魂の領域まで辿ることはAI(人工知能)には絶対に不可能です。時代はこれからAI社会に向かうことでしょうが、一方で、人間の本質を伝える『致知』の役割もまた重要になってきます。

混迷を極める日本人の道標として、『致知』にはもっともっと頑張っていただきたいものだと願っています。

 


(本記事は月刊『致知』2019年6月号 特集「看脚下」から一部抜粋・編集したものです)  

『致知』6月号の特集テーマは「読書立国」です。
読書を通じて一人ひとりが心を磨き、人生や仕事を発展させ、国を豊かにしていこう。今回、人間学を学ぶ月刊誌『致知』が最新号で「読書立国」の特集を組んだ所以ゆえんです。
 
表紙を飾っていただいた世界的建築家・安藤忠雄さんとノーベル賞受賞者・山中伸弥さんを筆頭に、気になるラインナップは下記バナーをクリック↓

◎西田さんから『致知』創刊45周年を祝しお寄せいただいた推薦コメントはこちら↓↓◎

『致知』45周年おめでとう御座います。『致知』は私にとって長年、人間の心で一番大切な魂の領域を勉強する書でありました。
『致知』を拝読しておりますと、今は亡き両親や祖父母や人生の先達の「天の
声」が聞こえて来ます。私は、意識ではどうにもできない脳の深い領域から聞こえてくるその声を「憶聴」と呼んでいます。『致知』は人間の魂の領域の脳に、この素晴らしい「憶聴」を与えてくれる唯一の書であると確信しています。

これからの人工知能の時代には、ますます『致知』の役割が大きくなっていくと思います。

◇西田文郎(にしだ・ふみお)
昭和24年東京都生まれ。40年代から科学的なメンタルトレーニングの研究を始め、能力開発プログラムを構築。科学的、実践的なメンタルマネジメントを多分野に導入する。現在経営者の勉強会である「西田塾」主宰。トップスポーツマンやビジネスマンの能力開発指導などに当たる。

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