家業のカメラ店を年商200億円超に——ジャパネットたかた創業者・高田明氏の20代秘話

独特の語り口で、テレビショッピング業界にこの人ありと称されるジャパネットたかた創業者・高田明さん。一代で業界トップクラスの通販会社をつくりあげた高田さんの原点となる20代の歩みとは――。

熱意こそ道をひらく

〈高田〉
3年間勤めた阪村機械製作所を辞めたのは、軽い気持ちで友人と2人で翻訳の会社を立ち上げようとしたためです。しかしそう上手くいくはずもなく、僅か半年で行き詰まり、故郷の平戸に帰ったのは昭和49年、25歳の時でした。

若気の至りと言うほかありませんが、家業の写真店に入ったことがいまの仕事に繋がっているという因果関係を思えば、人生に無駄はないのでしょう。
 
当時は観光旅行が盛んで、カメラが白黒からカラーに移行し始めたこともあり、平戸の街も観光客が押し寄せ、次々とホテルが建設されていました。そのため、家業の写真店も目の回るような忙しさ。私は全くの素人でしたが、仕事を手伝い始めると、すぐに写真の道にのめり込んでいきました。
 
カメラの販売、フィルムの回収、取次店の新規開拓営業など、できることは何でもやりました。とりわけ面白かったのが観光写真の仕事です。これは団体旅行の写真添乗員として、スナップ写真や集合写真を撮影し、現像した写真を販売するというもの。
 
どの写真が何枚売れるか事前に把握できませんし、お客様の属性によって売れ行きは変わってきますが、少なくとも綺麗な写真を撮らなければお客様は喜んで買ってくださらない。そこで私は、お客様が興味のある話題を探っては声を掛け、表情のいい写真を撮るよう心掛けました。また、スピードが勝負と捉え、できる限り早く現像してお客様に見ていただくことに腐心しました。
 
400~500名の団体旅行で雲仙に行った時は、夜遅くまで宴会場で写真を撮り、そこから大急ぎで車を走らせ、深夜12時頃のフェリーに乗って平戸に帰る。その後、3時間ほどかけて現像し、4時過ぎのフェリーでまた雲仙に戻り、朝6~7時の朝食時に間に合うように写真を並べて販売しました。
 
実際500枚ほど売れ、25万円を売り上げたのですが、喜びも束の間、帰り道で前を走るバスに衝突し、その日の売り上げがすべて修理費に消えてしまったことも、いまとなっては語り草になっています。
 
そうやって一所懸命努力することで、女房や社員が仲間となって進んで協力してくれるようになり、27歳で松浦市に、30歳で佐世保市に店舗を展開し、年商2億5千万円の規模に成長を遂げることができました。

目の前に現れる一つひとつのミッションをクリアしていく中で、37歳で独立、41歳の時にラジオショッピングとの出逢いがあり、全国ネットワークができ、テレビショッピングへと発展していったのです。
 
自らが熱意を持って徹底的に打ち込んでいれば、同じ価値観を持った人が周りにどんどん集まってくる。そして、自分の力以上の力を皆が出して助けてくれることを学ばせていただきました。 

(※本記事は『致知』2017年9月号 特集「閃き」に掲載されたインタビュー記事を抜粋・編集したものです。経営や仕事の糧になる体験談が満載の『致知』!詳細・購入はこちらから)

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◇高田明(たかた・あきら)
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昭和23年長崎県生まれ。46年大阪経済大学卒業後、阪村機械製作所に入社し、海外勤務を経験。49年家業の写真店「㈲カメラのたかた」に入り、61年分離独立して「㈱たかた」を設立、社長となる。平成11年社名を「㈱ジャパネットたかた」に変更。27年社長を退任し、「㈱A and Live」を設立。29年4月にはサッカーJ2のV・ファーレン長崎の代表に就任。

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