西田文郎×林野宏 運とツキを呼び寄せ、超一流になる秘訣

潰れかかった会社をクレジットカード業界一位に育て上げたクレディセゾンの林野宏さんと、ビジネス・スポーツ界など様々な分野の一流たちの脳力開発に携わってきたサンリ会長・西田文郎さんに、人生の運とツキを掴み、「超一流」になるための秘訣を語り合っていただいた記事をご紹介します。

一流と超一流の差とは

(西田) 
きょうはどうしてもご紹介したい言葉があってメモをしてきましたが、僕は昔からエジソンが大好きなんですね。エジソンというと「天才とは1%のひらめきと99%の努力である」という言葉が有名ですが、彼が残した言葉でこんなものがあるんですよ。

「ほとんどの人はこれ以上アイデアを考えるのは不可能だというところまで行き着き、そこでやる気をなくしてしまう。いよいよこれからなのに!」
 
これはどういうことかというと、失敗ばかりでものすごく苦しい、これ以上できない、という心理的限界に達すると、多くの人たちはそこで諦めてしまうんです。なぜか。人と比べてしまうんですね。ここが一流と超一流の、厳然たる大きな差です。
 
プロスポーツの世界で活躍している人は皆一流です。だけど、人との比較でやっている人は、途中で苦しいことがあると諦めます。あるいは人より結果が上だと「まあ、十分やっているよな」と。
 
しかし、どこまでいっても満足しない、どんなに苦しくても諦めない、自己の描いたイメージをとことん追求し続ける人がいるんです。それが超一流なのです。だから、エジソンも超一流の思考を持っていたわけですね。

(林野) 
僕は、「能力とは目標に向かって努力する情熱の持続心」と定義できると思っています。
 
そしてそれは、「A=ct²」という公式で表せるんじゃないかと。

(西田) 
面白いですね。何ですか、それは?

(林野) 
Aとは「ability=能力」、cとは「concentration=集中」、tは「time=時間」です。だから能力というのは、どれだけの時間、目標を達成するために集中して生きているか、ということじゃないかなと思うんです。
 
先ほど2時間が人間の集中の限界だと申し上げましたが、ものすごく集中して仕事をしていると、昼飯を取る時間も惜しいという時がありますよね。能力とは、そのぐらい集中した時間の2乗に比例するんじゃないかなと。
 
アインシュタインは特殊相対性理論を「E=mc²」という公式で表したでしょう? 僕もノーベル賞を狙えるかなと思っています(笑)。

(西田) 
おっしゃるとおり、優秀な方はのめり込む能力が異常に強いですよね。
 
そして、先ほど申し上げたとおりどこまでも満足しない。優秀な経営者の方でも、ある程度結果が出ちゃうと、そこで満足して燃え尽きる方もいるんです。

(林野) 
いますね。100億円くらい利益が出たから、もういいだろうって。

(西田) 
結局は、それも他との比較なんですね。
 
最後まで自己イメージを求め続け、現状を変革していく。そういう人を「環境変革型」と言っています。どんなに悪い環境にあっても絶対にモチベーションを下げない人っているんですよ。
 
もしも、企業の中に環境変革型の社員さんばかりだったら、コーチングや社員研修なんていらないんですね(笑)。

(林野) 確かにそうだ(笑)。

(本記事は『致知』2011年3月号 特集「運とツキの法則」より一部抜粋したものです。各界のリーダーたちもご愛読、人生・仕事のヒントが満載の月刊『致知』はこちらから)

林野宏(りんの・ひろし) 
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昭和17年京都府生まれ。埼玉大学文理学部卒業後、西武百貨店入社。人事部、企画室、営業企画室を経て、同百貨店宇都宮店次長。57年西武クレジット(現・クレディセゾン)に、クレジット本部営業企画部長として転籍し、平成12年より現職。

西田文郎(にしだ・ふみお)  
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昭和24年東京都生まれ。40年代から科学的なメンタルトレーニングの研究を始め、能力開発プログラムを構築。科学的、実践的なメンタルマネジメントを多分野に導入する。現在経営者の勉強会である「西田塾」主宰。トップスポーツマンやビジネスマンの能力開発指導などに当たる。

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