生徒の意識を大きく変える『致知』をテキストにした学内木鶏とは??

『致知』をテキストにして、全社員で共に学び合う社内木鶏会。その社内木鶏会にヒントを得て、学校の中で「学内木鶏会」を実施し、生徒たちの意識を変え、確かな成果を挙げているのが尾道高等学校野球部監督・北須賀俊彰さんと関西学院大学体育会サッカー部監督の成山一郎さんです。『致知』に学ぶことで生徒たちはどう変わっていったのか、お二人に語り合っていただきました。

困難を乗り越える力

(成山)
もともとはチーム全体の雰囲気がよくなることで、チームワークがよくなればいいなと思っていましたが、いま実際に手応えとして感じているのは、苦しい時に耐える力がついたことですね。

(北須賀)
耐える力、ですか。

(成山)
『致知』で毎回紹介されているのは、様々な分野で大きな苦しみや困難にぶつかって、それを乗り越えて一つのことを成し遂げた方々のお話じゃないですか。そういう記事を読んで、それについて感想文に書いて発表することを毎月繰り返していくと、そういうものが刷り込まれていくのではないかと感じています。

例えば昨年の総理大臣杯で優勝した時に、当時主将だった井筒陸也がこう言っているんですよ。

「心が折れてもおかしくない、諦めても言い訳がつくような、そんな四試合でした。それでも関学が幾度の困難を乗り越え、こうして優勝することができたのは『強い気持ち』があったからです。その『気持ち』は、一朝一夕でつくられるものではありません。毎日の練習で厳しくプレーすること、その日試合で全力を出し切ること、これは大前提です。しかしそれ以上に、日本一に繫がるすべてのこと、清掃活動、木鶏会、応援やファミリー制度での取り組みなど、ピッチ外の行動一つひとつに対しても、隙を見せず、徹底してやってきたことが、チーム全員の誇りとなり、自信となり、今大会を勝ち抜く上でのブレない『強い気持ち』へと進化しました」

(北須賀)
それほど厳しい試合ばかりだったのですか。

(成山)
特に決勝戦の相手だった明治大学はプロサッカーチームへの加入が決まっていた選手や大学日本代表に選ばれた選手を大量に抱える強豪でした。しかもうちのチームは、エースが出場停止という状況だったんですよ。

(北須賀)
普通なら諦めてしまってもおかしくないですね。

(成山)
はい。純粋にサッカーのレベルだけを比べっこしたら、まず勝ち目はありません。ところが選手たちは、自分たちはサッカー以外のところでも日本一になるために木鶏会などに取り組んで頑張ってきたんだから、エースが欠けようが慌てることなくやっていこうと試合に臨んでいました。

その萌芽は練習中にもあって、こちらがきつい練習を要求した時に、選手から「きつい時だぞ、いまが頑張る時だぞ」という声がよく出るようになっていたんです。おそらくサッカーの練習をしているだけだったら、きつい練習に辟易するだけだと思うんですよ。でも木鶏会で勉強していたおかげで、そういう時が本当に大事なんだと気づけていたので、それが公式戦で表れたと僕は捉えています。

(北須賀)
『致知』に触れることによって、彼らにとってのリーダーである指導者や保護者の思いを理解できるようになったのではないでしょうか。だから厳しい練習を要求しても逃げることなく、乗り越えられたのだと思います。

〈本記事は『致知』2016年7月号 特集「腹中書あり」より一部を抜粋・編集したものです。仕事や人生、人材育成などに役立つ体験談が満載の『致知』、詳細・ご購読はこちらから〉

☆尾道高等学校野球部と関西学院大学体育会サッカー部が導入し、大きな成果を挙げている『致知』をテキストにした「社内木鶏会」。詳細はこちらから

北須賀俊彰
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きたすが・としあき――昭和44年広島県生まれ。広島商業高校時代に春夏連続で甲子園に出場。大阪体育大学卒業後、大昭和製紙北海道野球部に所属。平成7年柳ケ浦高等学校の野球部コーチに就任。15年尾道高等学校の野球部監督に就任し、現在に至る。

成山一郎
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なりやま・いちろう――昭和52年岩手県生まれ。平成13年関西学院大学卒業。19年同大学のサッカー部コーチ、22年監督に就任する。27年関西学院大学として初となる、総理大臣杯、全日本大学サッカー選手権、関西学生サッカーリーグ、関西選手権の4タイトルで優勝に導く。

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