500人を超える受刑者を雇用してきた 北洋建設3代目社長・小澤輝真の信念

罪を犯した者ほど真剣に働く

40年以上にわたって500人を超える受刑者を雇用し、全国的にも極めて低い再犯率でその多くの社会復帰させてきた北海道札幌市の北洋建設。

北洋建設の受刑者雇用の実績は社会的にも高く評価され、皇室より「東久邇宮文化褒賞」「東久邇宮記念賞」、法務省より「法務大臣感謝状」、地元の札幌市より「安全で安心なまちづくり表彰」などを受賞しています。

北洋建設3代目社長を務める小澤輝真さんは、受刑者を雇用する際に心がけていることを次のように語ってくださいました。

「受刑者が当社に来た時には歓迎会を開いてあげ、その後も私がなるべく一緒に食事をする、不平不満を聞いてあげるなどして、とにかく孤立させないことを心掛けてきました。社員を銭湯に連れて行って話をすることもあります。

あと、本人が『もう要りません』と言うまで毎日2千円札を渡すんです。お金を持っていれば心に安心と余裕が生まれ再犯が激減します。

特に少年院から来た子は、初めて2千円札を見るのでそれが欲しくて仕事を頑張りますし、お店などで珍しい2千円札を使うと、店員の印象にも残るので、彼らも悪さができません。」

中には、仕事の途中でいなくなってしまったりする元受刑者の社員もいるそうですが、小澤社長はそれでも「一人の受刑者=加害者を雇用することが一人の被害者を減らす、守ることに繋がる」と、受刑者雇用を続けているのです。

そして、小澤社長は多くの受刑者は、様々な事情から社会的に犯罪を起こさざるを得なかっただけで、「皆本心から立ち直りたい」と思っていると言います。

「前科があるといっても、いろいろ事情があり、皆が悪いというわけではないんです。 

いま寮長を務めている社員には窃盗・詐欺の前科があります。でも、彼はもともと大手飲食店の店長をしていて、その後、引き抜かれた飲食店で何か月も給料を払ってもらえなかった。それで家賃を払えなくなって、やむを得ず出前の集金で集めたお金で支払ったら逮捕されてしまった。 

別の社員はやくざの会社を辞めるために、やむを得ずATMを壊し、警察に自首することで辞められた。彼らは許してあげられるでしょう? 

ですから、うちで採用している受刑者はよい人ばかりです。社会的に犯罪を起こさざるを得なかっただけで、皆本心から立ち直りたいと思っているんですね。 

生活できる仕事さえあれば人は再犯しませんし、罪を犯した者ほど真剣に働くというのが私の信念です。」

経歴や過去の行いにとらわれず、その人の持つ能力やよい面に着目していく小澤社長の人間、経営者の姿勢に多くのことを教えられます。

☆小澤輝真さんインタビューの読みどころ☆

・両親から学んだ社員を大切にする経営

・人を見た目だけで判断してはいけない

・試練を乗り越え、家業を継ぐ

・自分の花を咲かせることで、他人の花も咲かせられる

☆本記事は月刊『致知』2018年7月号特集「人間の花」より、小澤輝真さんのインタビュー記事「誰もが立ち直る力を持っている」を一部、抜粋したものです。全文は本誌をご覧ください)

小澤輝真(おざわ・てるまさ) 

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昭和49年北海道生まれ。平成3年父の急逝を受け、家業の北洋建設に入社。26年より現職。受刑者雇用の実績が高く評価され、皇室より「東久邇宮文化褒賞」「東久邇宮記念賞」、法務省より「法務大臣感謝状」、札幌市より「安全で安心なまちづくり表彰」など受賞多数。

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