学校というところで勉強をしてみたかった

世界の児童買春の現状に心を痛め、
カンボジアでの活動を続けてきた村田早耶香さん。

そんな村田さんの活動の原点になった話を
今回はご紹介します。



村田 早耶香(かものはしプロジェクト共同代表)
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※『致知』2017年11月号
※特集「一剣を持して起つ」P46

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──途上国で蔓延する児童買春の撲滅のため、
  大学生の頃から20年近く活動されてきたそうですね。


はい。私たち「かものはしプロジェクト」では、
現在カンボジアを拠点に子どもを売らせないための貧困層支援と、
子どもを買わせないために犯罪を摘発できる仕組みづくりに注力しています。
また、近年はインドにも活動を広げ、総勢60名で活動しています。

活動資金の大半を寄付に頼っているんですけど、
おかげさまで約5,000名ものサポーター会員が
月々の支援を継続してくださっています。
 


この活動を始めたきっかけは一人の少女を知ったことでした。
2001年6月、大学2年生の時です。ある授業で新聞記事が配られ、
ミーチャという女の子の話が出てきたんです。

お父さんは体が悪く、お母さんは病気で亡くなっていて、
長女であるミーチャしか働き手がいなかったため12歳で出稼ぎに行ったところ、
騙されて売春宿に売られてしまったそうです。
 
逃げ出せないまま強制的に働かされて、
結局HIVに感染してエイズを発症してしまい、20歳で亡くなりました。
彼女が最後に言ったのが

「学校っていうところに行って、
 勉強っていうものをしてみたかった」


という言葉だったといいます。
 
同じ時代に生きているのに、生まれた場所が違っただけで、
自分と同世代の女の子が一回も学校に行けずに亡くなった。
一方の私は、高い学費を払って嫌々勉強している。
この違いは何なんだろう。
その時に受けた衝撃は忘れることができません。

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