偽物がまかり通る時代に危機感を!

 

人気連載「日本の教育を取り戻す」でおなじみの
中村学園大学教授占部賢志氏

真っ正面から教育に取り組んでこられた占部氏に、
鋭い視点で教育再建の道を語っていただきます
!!

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教師A 
先生は感動したなんて軽々しく口にするな
と言われますよね。
その真意をお聞かせ下さい。
占部
よく感動した、涙が出たなどと言いますが、
多くの場合それは感動ではなく、
逆上しているにすぎないのです。
教師B 
逆上ですか。
 
占部 
つまり、刺激に対する一種の生理的反応です。
そんなものはすぐ冷めます。
教師A 
いわゆるお涙頂戴式の話では駄目だということですね。
占部 
講演や語りで人を泣かせたり、
感情を高ぶらせたりすることは簡単なことですよ。
例えば絶望状況を誇張して取り上げた後、
土壇場で救いの手がさしのべられハッピーエンドに終わる。
そういうふうに史実に作為を加えれば、
大方は口車に乗せられるのです。
教師A 
なるほど、思い当たります。
以前、「一杯のかけそば」という実話が流行り、
子供たちに読んで聞かせたことがありましたが、
いつの間にか廃れてしまい、
私もあとで読み直すと、
作為的で心は動かなかったのを覚えています。
教師C 
そんなことがありましたね。
私も似た経験をしました。
占部 
歴史とは人間の叡智と成熟の総和です。
その歴史が偽物や作為はふるいにかけるのです。
あれだけ感動したのに、あらためて接してみると
色あせて見えるというのはその証左ですね。

ですから、歴史に淘汰(とうた)されても
残ったものは尊敬に値するのですよ。

例えば、イタリアの児童文学の傑作『クオレ』に収録の
「母をたずねて三千里」「難破船」「お父さんの先生」
などがなぜ読み継がれるのか、
読むたびに新鮮な感動が襲うのか、
歴史に堪える作品はどこが違うのか、読めば分かります。

どう細工したら人の涙腺を刺激するか
ばかり考えているような連中の
いかがわしさも見抜けない御仁に
人の道を説く資格も条件もありません。

繰り返しますが、涙が出るからと言って
必ずしもよいとは限らないのです。
タマネギを切っても涙は出る。
そういう神経に作用するだけの涙を
感動と混同するなと言いたいのです。


物事の本質を見極めた占部氏の講義の続きは
 最新号P.122~をご覧くださいませ

 

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最新号のテーマは
    「人間という奇跡を生きる」
 



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