2018年01月16日
長らく信用金庫業界下位に甘んじていた西武信用金庫を、
業界首位に押し上げた立役者・落合寛司さん。
その躍進の原点がここにあります。
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落合 寛司(西武信用金庫)
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林野 宏(クレディセゾン)
※『致知』2018年2月号【最新号】
※特集「活機応変」P10
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【林野】
落合さんは、どういういきさつで西武信金の改革を手掛けることになったのですか。
【落合】
40代半ばに本部で副部長を務めていた頃、突然当時の理事長から電話がかかってきましてね。
立川南口支店の支店長をやらないかというんです。
副部長から大きく昇進するものですから、「やります」って即答しました。
ところが、「目標は高いが、二言はないな」としきりに念を押されて、
その目標を聞いてみたら、一年で預金残高と融資残高の合計を68億円に増やせと。
現状は年間に5,000万円くらいしか増えていなくて、赤字を積み重ねている支店だったんです。
【林野】
5,000万円を僅か一年で68億円にせよと。
【落合】
実はその支店は、地元の信用金庫さんが根を張っていましてね。
他の信金がどこも出店を控えていた難しい地域で、
あの異端児の落合にやらせてみるかという話になったんだと思うんです。
とても無理だと思ってすぐに辞退したんですが、
やるって言ったじゃないかと(笑)。
当面の妥協点として6億円を目指すということで引き受けたのですが、
損益分岐点である68億円を超えないことには支店は立ち行きません。
ところが幸いにして、一年で86億円増やして黒字に転換することができたんです。
【林野】
それはすごい。いったいどんなことをなさったのですか。
【落合】
それまでのビジネスモデルを徹底的に変えようと思いました。
営業に回っても、「もう他の信金さんと取り引きしてるよ」と言われるので、
同じことをやったのではダメだと。
そこで、ひとまず個別のセールスはやめて、
いろいろな講演会で講師を引き受け、講演をしました。
税金で困っているお客様に、金融機関をどう活用したらいいのかといった、
ちょっと踏み込んだお話をして興味を引きつけるわけです(笑)。
外へ漏れたら業界から袋叩きに遭いますから、
講師名を伏せてやったんですが、これが当たりましてね。
税金で困っているのは皆儲かっている会社ですから、
優良顧客からポンポン連絡が入ってくるようになりました。
それが私どもでいまやっている、お客様の課題解決を目的とした
「お客さま支援センター」の原型になったんです。
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