子供たちに誇りを持たせる淞南学園理事長の教育

自国に誇りと愛情を持つ青少年を育てたい──。そんな思いを込め、山陰地方の山間の地で「教育勅語」の精神に基づく青少年教育を行っているのが、淞南学園理事長の岡崎朝臣(ともおみ)さんです。2016年で創立55周年を迎えた同校の運営に懸ける思いとは。

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朝礼で建学の精神を唱和

――本日は、貴校の朝礼を拝見させていただき、ありがとうございました。生徒の皆さんが「君が代」斉唱や建学の精神唱和を元気よくなさっているのが印象的でした。

〈岡崎〉
私が教育者としていま一番憂慮しておりますのが、日本人から自信や誇りが失われ、それがもとで様々な混乱が続いていることです。

南京大虐殺や従軍慰安婦といった虚構がまことしやかに喧伝されているのもその一例ですが、これらはいずれも戦後、日本を卑下するような学校教育が行われてきた弊害に他なりません。子供たちにもっと真実を伝えなければならない。そして日本を希望に満ちた明るい国にしていかなければならないというのが、私の心の底からの願いなのです。

そこで本校では、かつては『国史』という独自の歴史の教科書を使った授業も行っておりましたけれども、国のために尽くした先人の尊い偉業を教えるなど、自分の国に誇りと愛情を持つ青年を育てることに力を注いでおります。

先ほどご覧いただいた朝礼もその一環で行っておりまして、毎回次の5つの建学の精神を唱和しているんです。

一、祖国を愛敬すべし
一、孝心を厚くすべし
一、仁愛を旨とすべし
一、礼儀を正しくすべし
一、信義を尊ぶべし

これらはいずれも「教育勅語(きょういくちょくご)」に基づいて創案したものです。

――「教育勅語」を建学の精神に。

〈岡崎〉
はい。いまは「教育勅語」と申し上げても、親御さんですらご存じない時代ですから、生徒も全くそういう精神に触れたことのない状態で育ってきております。ですから、毎年生徒が入学してきますと、最初に私が「教育勅語」の講義を行い、その精神を易しく噛み砕いて伝え、その後も授業や生活指導を通じて浸透を図っています。

毎朝当番を決めて国旗掲揚を励行したり、礼法の時間を設けて挨拶、礼儀、言葉遣いなどの指導をしたり、校内の清掃や地域のゴミ拾いを実践しているのもその一環なのです。

長年こういう教育を続けておりますと、下級生は上級生を見習って自然とよい習慣を身につけていきますから、学校にお客様がお見えになった時や、学校の傍にある神魂神社で地元の方に出会った時なども、きちんと挨拶ができるんです。

――それは素晴らしいことですね。

〈岡崎〉
本校の生徒は9割方寮生活をしていますから、寮の中でもこうした指導を徹底することで団結心が育まれましてね。

部活動ではサッカーはインターハイで3回、全国大会で1回ずつ全国3位になっておりますし、野球も2回甲子園出場を果たして1回はベスト8まで進出いたしました。射撃は三年連続日本一に輝いた実績があり、マーチングも四年連続全国大会出場を達成しております。

サッカー部の監督さんも、本校の生徒は挨拶、礼儀、躾といった基本がしっかりできているので、非常に指導しやすいとよくおっしゃっています。

逆風からのスタート

――こうした建学の精神はどのような経緯で導入されたのですか。

〈岡崎〉
本校の前身となる学校が経営難に陥ってしまい、立て直しの相談を受けたのが私の父でした。父は木材関係の会社を経営していて教育には無縁でしたから、最初はお断りしていたんですが、再三にわたって懇願されて引き受けざるを得なくなり、現在の学校法人淞南学園として新たにスタートを切ることになったのです。昭和36年、父が45歳の時でした。

その父が、日本の伝統精神に則った徳育(とくいく)と敬神崇祖(けいしんすうそ)、すなわち神を敬い祖先を尊ぶ精神を主眼とする教育を実践したいと考え、「教育勅語」を建学の精神に掲げることを決意したのです。

実は、現在のこの場所を学校の用地として造成する時に、近くの神魂神社の敷地にある巨石が目に留まりましてね。文献を調べてみましたら、そこに出雲大社の元宮があったらしいことが分かったのです。

そこで、先ほど朝礼の時にご覧になったように、5分の1の大きさに縮小してつくった出雲大社の御神殿を体育館に設置して出雲大社の御分霊をお祀りし、月に一度のお祭りに全校生徒で拝んでいるのですが、神様とのご縁が非常に深い場所で学校を始めたことも、父が徳育と敬神崇祖を主眼とする教育に取り組んだ要因の一つだと思います。

――なるほど、そういうエピソードがあったのですね。

〈岡崎〉
当時は日教組が全盛の時代でしたから、「あの学校は変わっている」とか「右翼の学校だ」などと随分揶揄(やゆ)され、地元でもなかなか理解していただけませんでした。

テレビなどでも、いまどき昔の教育を取り入れてやっている風変わりな学校があると、少し批判めいたニュアンスで報道されたりしました。けれどもその一方で、こんな素晴らしい学校がまだあったのかと、激励に来てくださる実業家の方もあり、賛否両論でした。

とにかく父は、戦後の自由教育ではまともな人間は育たないという深い懸念から、それこそ教育に維新を起こすくらいの大きな覚悟を持って本校の経営に乗り出したのだと私は思います。

その後、全国各地で学級崩壊が起こって社会問題となり、本校が目指してきたことが間違いではなかったことが明らかになり、次第に評価も高まってきたわけです。


(本記事は『致知』2017年8月号 特集「維新する」より一部を抜粋・編集したものです)


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◇岡崎朝臣(おかざき・ともおみ)
昭和34年島根県生まれ。56年日本大学文理学部国文学科卒業。59年國學院大學大学院神道学専攻科修士課程卒業。61年学校法人淞南学園勤務。平成18年同理事長就任、現在に至る。

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