童話にかける願い

生き方



『ちいちゃんのかげおくり』
『車のいろは空のいろ』


童話作家あまんきみこさんの作品です
教科書に載っていたこともあり、
一度は読んだことがある方も多いと思います

あまんさんは
幼少期や少女時代の出来事をもとに
童話作品を綴っているそう

あまんさんが幼少期を振り返りながら
どんな思いで子供たちにお話を書き続けているのか。
童話制作にかける思いをご紹介します


 
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 「童話にかける願い」


        あまんきみこ(童話作家)




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『致知』2009年9月号
         特集「人間という奇跡を生きる」より


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皆さんからはよく

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「童話を通して子供たちに

 何を訴えたいのですか」


という質問を受けることがありますが、

私が作品を書く目的や喜びは、

それとは別のところにあるような気がします。


若い頃の私は、

嫌なことや悲しい出来事を、できるだけ忘れたり、

後ろへ振り捨てたりしながら、

とにかく前に向かって

歩いているように考えていました。


けれども40歳を過ぎた頃、

ハッと気がつくと、

実は捨てたものなど何一つないことに、

辛いことも悲しいことも、みんな自分の中に

抱え込みながら生きているのだ、

ということに思い至ったのでした。



嫌な記憶を捨ててしまいたい、

という気持ちは確かにあったとしても、

それを本当に捨て去ることなどできないのが、

人なのかもしれません。



私たちはちょうど木の年輪のように、

赤ちゃん時代、幼年期、少年少女期、

青年期、壮年期といった年代を、

すべて自分の体内に抱え持って生きている。



私はその体の中に入り込んで、

ワクワクしたり、

ドキドキしたりした記憶を蘇らせて

物語を紡いでいく。


ですから私は本を書き上げる時に、

必ず自分の作品の中から、

何かしらの「発見」をもらうのです。



(略)



現代は簡単に人や自分の命を殺(あや)めてしまう時代ですが、

人が一人死ぬということは、

その人の中にあるたくさんの命もまた、

同時に死んでしまうということです。



あなたの命は、あたな一人のものじゃない。
だからもっと自分の命を大事にしてほしい。



そんな願いが本を読む子供たちとも

響き合ってくれればいいなと思いながら、

大切な記憶の一つひとつを

言葉にしていっている毎日です。






折しも、9日までが読書週間です
作家さんの思いを知ることで、
ご自身で読み返してみたり、
お子さんと一緒に読んでみたり、
なにかのきっかけになれば幸いです






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??最新号のテーマは

????「人間という奇跡を生きる」




「生きているという

 この素晴らしき人間の奇跡」


 桜井邦朋
(宇宙物理学者、神奈川大学元学長)
 &
 山崎直子
(宇宙飛行士)
 &
 村上和雄
(筑波大学名誉教授)



  研究したからこそ分かる、
  生きているという奇跡

  先生方に思いをお話しいただきました





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らから

 





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