新しい発見にはドラマがある



中西 重忠
(サントリー生命科学財団生物有機科学研究所所長)
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村上 和雄(筑波大学名誉教授)

※『致知』2016年5月号【最新号】
※連載「生命のメッセージ」


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【中西】
そして、こうしたことが形
としてできてきたところで、
ちょうど村上先生とお会いしたわけです。


【村上】
ドイツのハイデルベルクで。


【中西】
そうでしたね。僕らは同じ
血圧関係の学会に出ていたわけで、
あの時が初めてですよね。


【村上】
そう、初めて。お互いまだ40代でした。


【中西】
そうそう。でも先生は
ガックリしていましたね(笑)。


【村上】
あの時はヒト・レニンの全遺伝子解読に
取り組んでいる最中でしたが、
パリにあるパスツール研究所でも
同じことに挑戦していて、
しかもかなり先を行かれていることを
知ったばかりでした。


とんでもない強敵が出現したというので、
僕は打ちひしがれていた(笑)。


(略)


【中西】
僕が驚いたのは、
ドイツから帰ってきて数日後には、
共同研究のために誰々を
私の研究室に送るからって
言ってこられたことですよ。


早かったですね。


それでこちらに来た三人の大学院生と
うちのグループの人間と組ませたら、
昼夜を問わずものすごく
よく働きましたよ。


【村上】
それは、
やりがいがあったからでしょう。


私は学生たちをそんなに
しごいてないですよ(笑)。


【中西】
本当にものすごく頑張ってくれたから、
結局3か月で完成してしまったんですよね。


【村上】
そう。感動的でした。


【中西】
たった3か月でしたけど、
その間は何回も電話をして、
お互い興奮しながら話しましたよね。


あれは面白かった。


我われは先生のお仕事を
手伝っただけだと思っていましたけど、
それでも新しい発見が次々と出てきた
時の興奮というのはあるんですよね。


【村上】
エキサイトです。


【中西】
それがうちの研究室の連中にも
ものすごくプラスになりました。


皆まだ若かったしね。


楽しみながら興奮して、
でもそのためにはもの
すごい努力もしました。


【村上】
私の研究人生における一つのピークでした。


やはりいい研究ができると、
力が出るというか、
勇気が湧いてくるんですよね。




※波長のぴったりあった
 お二人の対談は、本誌で
 6ページにわたってご紹介しています。
 ぜひご覧になってください!


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