2017年08月15日
住宅や部屋は四角でなくてはいけない──。
そんな私たちの概念を
ぶち壊した建築家がいます。
髙﨑正治さんです。
今回は髙﨑さんの建築に関する
興味深い話をご紹介します。
───────「今日の注目の人」───
清水 義光(美術家)
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髙﨑 正治(建築家)
※『致知』2017年9月号【最新号】
※特集「閃き」P58
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【清水】
髙﨑さんとは一緒に
空間づくりをやる機会もありましたが、
大成プレハブ(現・大成ユーレック)が
30周年事業として建築を依頼した
4階建てマンションも忘れられませんね。
あの時は、NHKが朝一番の
全国ニュースで
ヘリコプター中継までしてくれました。
このマンションは
東京の郊外にできたんだけど、
畑を進んでいくと
コンクリート打ちっ放しで、
しかも屋上には
巨大な蓮のようなオブジェが
3本にょきにょきと立った
斬新な建物が姿を現してくる。
ヘリコプターは上空を旋回しながら、
角度によって違った表情を見せる
この建物を撮影し、
アナウンサーが
「こういう建物がついに日本にも
出現するようになりました」
と解説していました。
【髙﨑】
少し離れたところには、
従来どおりの4階建ての都営住宅があって、
上空から見比べると
僕の建築がいかに斬新かが
よく分かったのではないかと思います。
公営か民営かの違いはありますが、
建物の規模や予算は同じなのに、
こうも全体像が違ってくるものなのかと。
【清水】
このマンションが完成した後、
一週間内覧会があったでしょう?
いろいろなメディアに
紹介されたこともあって、
実に4,000人くらいの人たちが
集まってこられましたね。
【髙﨑】
ええ。わざわざ貸し切りバスに乗って
やってくる人たちまでいました。
この建物は「第二大地の建築」
と名づけられた
15家族用の集合住宅です。
普通のマンションが四角四面、
どの部屋も同じなのに対して、
個々の部屋が細胞みたいに全部違っている。
ある家は2階建て、
ある家は1階建てというように、
違った要素が混じり合って
一つのマンションを
構成しているんです。
特に人気が高かったのが
北側の部屋でした。
マンションは普通、
北側が一番暗いのですが、
僕は東西南北を見比べて
光と風の具合を計算しながら、
北側が最も明るくなるよう
アイデアを構築していったんです。……
※髙﨑さんはなぜ
このような独自の建築を
続けているのでしょうか。
その原点と言える話が
最新号で紹介されています。
ぜひお読みください。