2016年05月17日
工具業界で大ヒットし注目を集める
工具「ネジザウルス」。
ユーモラスな名称ですが、
実用性においても効果は抜群!
どんなネジも「ネジザウルス」で解決!
本日はその開発秘話に迫ります。
────────[今日の注目の人]───
★ 「ネジザウルス」大ヒットの秘密 ★
高崎 充弘(エンジニア社長)
※『致知』2016年6月号【最新号】
※特集「関を越える」P48
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正常なネジであればドライバーで
簡単に外すことができますが、
ドライバーで繰り返し
グリグリやっているうちに、
ネジの頭が潰れて困った
経験ってないですか?
──ああ、あります。
他にもネジが錆びて固まって
しまったりするとドライバーでは
どうにもできません。
ネジザウルスはそういう厄介な
ネジも外すことができるんです。
その秘密は先端部分に施された
特殊な加工にありましてね。
通常のペンチって先端部分に
横向きの溝が入っているんです。
これは何かを掴んで引っ張る時に
摩擦を利かせるためですが、
掴んで回そうとすると回転方向と
溝の方向が同じなので、滑ってしまう。
そこで、まず縦に溝を入れたんです。
これを2000年に「小ネジプライヤー」
という商品名で発売しましたが、
全く売れませんでした。
販売数は一年間でたったの800丁足らず。
縦の溝を入れるだけでは、
機能として不十分だったんですね。
──なぜでしょうか。
小ネジプライヤーは通常のペンチと同様、
閉じた時に先端部分が
平行になるよう設計されているので、
ネジの頭を掴もうとするとハの字型になって、
やはり滑ってしまうんです。
そこで、開いた時にちょうど
ネジの頭を真横から平行に掴めるよう、
逆ハの字型に改良しました。
この傾斜角がビートたけしさんの
コマネチというギャグに似ていたので、
「コマネチ角度」と命名したんです(笑)。
実際、これによって錆びて固まったネジも
外すことができるようになりました。
また、商品名も親しみやすいものに
変えようと思い、社内公募をしたんです。
その中に、ネジの頭を掴む先端部分を
恐竜のティラノサウルスに
見立てた案があって、「ああ、これだ」と。
即断で「ネジザウルス」に決めました。
パッケージも目立つように工夫を施し、
価格も下げて、2002年の8月に
ホームセンターで販売を開始したところ、
そこから4か月だけで7万丁も売れたんです。
※2008年に訪れた人生最大の逆境を
高崎さんはどう乗り越えたのか。
ヒット商品を生み出す独自理論
「MPDP理論」とは?
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