2017年08月22日
クルーズトレイン「ななつ星in九州」など
数々のヒットを生み出してきたJR九州会長の唐池恒二さん。
その唐池さんが語る気を満ち溢れさせるための条件は
実践に裏打ちされたものだけに説得力があります。
唐池 恒二(九州旅客鉄道会長)
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※『致知』2017年9月号
※特集「閃き」P10
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JR九州が発足すると鉄道事業と船舶事業を経験し、
1993年に外食事業部次長の辞令を受けたんですが、
これがリーダーとしての転機になりました。
この時点で強烈に根づいたのが「気」の大事さですね。
──「気」の大事さ。
飲食店というのはこちらがやったことに対して
お客様の反応がすぐに分かるんですよ。
例えばおいしい料理や
心地よいサービスを提供したら、お客様は喜んでくれる。
満足してくれる。
その逆をすると途端に嫌われる。
もう二度と来店してくれない。
すぐにハッキリと採点してくれるんですね。
それは外食だけじゃなくて、物販の小売りも同じだと思います。
そういう中で、繁盛する店と
繁盛しない店を分ける一番の要素は、
その店に気が満ち溢れているかどうかだと気づきました。
──ああ、なるほど。
気というのはたとえ初めて行く知らない店でも、
なぜか入る前から薄々感じるものです。
綺麗に掃除されていたり、元気のいい声が飛び交っていたり、
そういう店はいい店だなって思いますよね。
実際、料理もサービスもほとんど間違いない。
では、気を満ち溢れさせるにはどうするかと。
これは外食事業部時代からいまも
社員に言い続けていることですが、
一つは「スピードあるキビキビした動き」。
迅速に動くと気が集まります。
二つ目は「明るく大きな声」。
挨拶にしても打ち合わせや電話にしても、小さな声で
ヒソヒソ喋っている人がいるんですけど、
それじゃあ全然職場に気が満ち溢れません。
だから、もっと明るく元気に
大きな声を出せと、こう言うんです。