受刑者たちの素顔


受刑者の悩み事相談にのったり、
矯正のために面談や講話を
行う篤志面接委員

90歳を越えてなお女子受刑者たちと
向き合ってきたのが副住職の
西端春枝さんです

心の通った受刑者とのやりとりが
心に染み入ります


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受刑者たちの素顔

西端 春枝(真宗大谷派淨信寺副住職)

 



※『致知』2012年11月号P80

※連載「生涯現役」

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──副住職としてどのようなことに

   取り組んでおられますか。



かれこれ23年も前から

続いているのですが、

女子刑務所の仕事をしているんですよ。



──篤志面接員ですね。



ええ。もっとも引き受けた

当初は苦労しました。


5年、10年と続けるうちに、

だんだんとこの仕事に使命感が

芽生えてくるんですね。



──受刑者と接して、

   どのようなことを感じておられますか。



こんなことを言ったら

ご無礼かもしれないけど、

自分は正しいと必死に

思っている人が多いですね。


話を聞いていると、

旦那がトンズラしたとか、

離婚状を突きつけて家を

出ていったのが悪いとかという具合に、

罪を犯した原因を

自分以外のところに求めている。


私にもいたらないところが

あったのかもしれないとは、

なかなか考えられないんですね。

?

だから、ものすごく苦しんでいて、

そこから抜け出せずにいる。



それに対して以前の私は、

相手の話に相槌を打つだけでしたが、

思うところがあって、

ある時から「あんたも悪い」と

はっきり言うようにしました。


そうしたら、驚いたことに

受刑者のほうが素直に頷くんですよ。


その時に思ったんです、

彼女たちは本当のことを

言ってほしいのだと。


心の底では自分が悪いと思っているから、

「あんたも悪い」と

言われると気持ちが楽になる。



──裏を返せば、そう言ってくれる人が

  いないということですか。



いままで誰も彼女たちと本気で

向き合う人がいなかったのでしょうね。


確かに彼女たちは悪いことを

したわけですが、彼女たちには

まだ30年とか、50年近い人生が

残っているんですよ。



ですから


「幸せにならなあかんで、

 幸せになる権利を持っているんやで。

 素直になりや。出発点は自分も悪い。

 ここからやで……」


と話すうちに私も

胸いっぱいになってくる。

?

?

するともう相手はみんな

自分の子供みたいに思えてくるんです。


だからいろんな話を聞いて、

真剣に応えてあげる。


周りからはそんなべらべら

喋るなって言われているけどね(笑)。


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『致知』3月号のテーマは
「願いに生きる」


 

 

 



「かくて世紀の偉業は成し遂げられた」

 片岡一則(東京大学大学院教授)
  
 ・  ・  ・  ・  ・


 極小のマシンが体内の病気を診断し、
メスを入れずに治療してしまう――。


 半世紀前、SF映画で描かれた
夢のような世界がいま
現実のものとなりつつあります。


 その正体は、特殊な機能が
組み込まれた高分子の集合体
「ナノマシン」です。


 既に抗がん剤を内包した
2種類の「ナノマシン」は
臨床試験の第Ⅲ相に入っており、
これらは副作用がなく、
耐性がんや転移がんにも
高い効果を発揮する。


 そんな人類の未来を変える
 新薬を生み出した
 東京大学大学院教授・片岡一則さんに、
 これまでの挑戦の軌跡と
 研究開発に懸けた執念と創意を
 お聞きしました。


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