人間には3つの教育が必要

教育


幕末、明治の人たちには
人財と言える多くの日本人が国を支え、
文明国として一大飛躍を遂げる
推進力になりました。

そんな幕末、明治の偉人たちの
人間力はどこから来たのか。

本誌でお馴染みの渡部昇一さんが
その疑問に答えます。

────────[今日の注目の人]───

★ 人間には3つの教育が必要 ★

河野 克俊(統合幕僚長)
    ×
渡部 昇一(上智大学名誉教授)

※『致知』2016年7月号【最新号】
※特集「腹中書あり」

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6月21日

【河野】
渡部先生は幕末、明治の人たちの
人間力ってどこから来たとお考えですか。


【渡部】
それはやっぱり、武士道ですよ。

平和な徳川時代になると
徒食する人間にすぎなくなる。

それで大部分の武士は
「俺たちは立派でなければならない」
という矜持を養う修業をした。


だから、「四書五経」などの
書物を読んで勉強し、剣術の
修業に打ち込んだわけです。

要するに、修養の精神が
満ち溢れていたんですね。


【河野】
武士道にはいろんな
徳目があるわけですけど、
私は武士道を突き詰めていくと、

「卑怯な振る舞いをしない」

ということだと思うんです。


よく隊員にも

「卑怯な振る舞いを絶対にするな。
 それが自衛官だ」

と言っています。

例えば、弱い者いじめをするな
とか大事な場面で逃げないとか。


【渡部】
最近の自衛隊の災害支援活動を
見ていても感じることですが、
いまの時代、修養の精神を最も
有しているのは、自衛官でしょうね。

昔から人間は頭と心と腹、
3つの教育が必要だと言われています。

いまの時代の人たちは、
みんな受験勉強をやっていて頭はいい。

非常に優しい心も持っている。
ところが、ガッツがない。

昔の武士にはガッツがあった。


岡本綺堂の『半七捕物帳』、
これは江戸時代の町人の
犯罪の話がほとんどですが、
その中に2回くらい
武士の話が出てくるんですね。


例えば、町に熊が出没して
町人が大騒ぎしている時に、
武士が通りかかって、その熊を
斬り殺してスタスタと行ってしまった。

全く無名の武士ですけどね、
町人なんかとは全然
腹の据わり方が違うんです。


【河野】
別の言い方をすれば、
スピリットですよね。

ここの教育が戦後疎かに
されたんじゃないかと思うんです。

しかし、これからの時代、
特にこのスピリットが必要に
なってくるんじゃないでしょうか。


【渡部】
頭がよくて、心が優しくても、
それだけではダメで…




※「体系的な知識よりも
  断片的な言葉のほうが
  圧倒的に強い」

 そう語る渡部さんが
 支えにしてきた言葉など、
 たくさんのよき言葉に満ちた
 当対談をぜひお見逃しなく!