2017年08月12日
ブランディング戦略によって、
成長を続ける300年の老舗企業
中川政七商店の中川社長と、
パートナーの水野さん。
お二人のお話から
ブランディング戦略のイロハを学びます。
───────「今日の注目の人」───
水野 学(クリエイティブディレクター)
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中川 政七(中川政七商店社長 十三代)
※『致知』2017年9月号【最新号】
※特集「閃き」P48
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【中川】
もう一つ、経営者としてブランドを
つくる時に大切だと思うのは、
「どこに行きたいか」
「どうなりたいか」
が明確であることですね。
ブランドって評価の軸が
一つだけじゃなくて、
「どういうふうになりたいか」
というのがあって初めて、
そこに近づくために小さな石を
積み上げていくわけじゃないですか。
ところが、この
「どういうふうに」
というのがなくて、
「とりあえずいい
ブランドになりたい」
とか
「カッコいいブランドになりたい」
っていう経営者が
結構多いような気がします。
そうじゃなくて、
「どういうふうになりたいか」
がまずあって、その目標に対して
いま自分たちはどこに
いるのかをきちんと認識する。
そのギャップを埋めていくのが、
小石を積み上げていく
作業だと思いますね。
【水野】
ただその作業というのは
本当にきりがなくて、
製品に書いてある書体一つに
至るまで関係してくるので、
手を抜いていいところなんて一つもない。
ただ、それをどこまで
経営者の方が見られるかというと、
やはり人・金・モノから
優先されていきますから、
当然手薄になる。
ですからいまの時代、
経営に必要な四つ目の要素である
「ブランド」にどこまで気を
配れるかというのが
企業にとっての新しい問題で、
ファーストリテイリングのように、
クリエイティブディレクターを
側近に迎えるという時代が
やってきたと言えるでしょうね。
※確実に動いている時代の中で、
次にどんな手を打っていけばいいのか。
お二人の対談は、これからの
経営に関して示唆に富んでいます。