2016年08月10日
☆ あなたの人間力を高める ☆
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致知出版社の「人間力メルマガ」 2016.8.11
1890年に起きた海難事故。
それきっかけに日本とトルコは
深い絆で結ばれました。
その発端となった
エルトゥールル号事件とは──。
────────[今日の注目の人]───
☆ エルトゥールル号の真実 ☆
西廣 真治(和歌山県倫理法人会会長)
※『致知』2016年9月号【最新号】
※特集「恩を知り 恩に報いる」P30
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「終」の字幕が出て、
映画『海難1890』は終わりました。
照明がついて明るくなった
場内にざわめきが膨らみます。
知り合いが寄ってきて握手を求めます。
よかったよ。
素晴らしい映画だ。
おめでとう。
投げかけられる言葉に応えながら、
私の胸に熱く確かな
思いが渦巻いていました。
映画の感動もさることながら、
この作品を生み出すに至った経緯、
その中で紡ぎ出された
縁の素晴らしさが私を満たすのです。
縁。真心。そして、恩。
これらの言葉が私の中に
根づいてきているのを感じます。
映画はこれらの
結晶だと言えるでしょう。
これらの言葉を一人ひとりが
しっかりと抱きしめている限り、
人間はもっともっと素晴らしくなれる──。
その確信がいま、
私を突き動かしているのです。
話は一気に126年前に遡ります。
明治23(1890)年、当時オスマン帝国だった
トルコから約600名の使節団を乗せた
木造軍艦エルトゥールル号が来日しました。
団長のパシャ提督は明治天皇に拝謁、
携えてきたトルコ皇帝の親書と
トルコ国最高勲章、贈答品を献上します。
明治天皇はこれを歓迎、
晩餐会を催されました。
実はその3年前、明治天皇の伯父に
当たる小松宮彰仁親王がヨーロッパを
歴訪した際にトルコを訪問、
心のこもった歓待を受けました。
これを知った明治天皇が
トルコ皇帝に礼状と最高勲章の
大勲位菊花大綬章を贈られました。
トルコ使節団の来日はその答礼だったのです。
さて、手厚いもてなしを受けた
使節団を乗せ、エルトゥールル号は
9月15日に帰途に就きます。
ところが台風の季節です。
海は大荒れ。翌16日夜、
紀伊半島沖に差しかかった
エルトゥールル号は……
※続きは本誌でお楽しみください!