2017年08月02日
ブランディング戦略によって社業発展を
続ける老舗企業・中川政七商店。
社長の中川政七さんとタッグを組むのが、
くまモンの生みの親でもある
クリエイティブディレクターの水野学さんです。
お二人が語り尽くす、「アイデアの出し方」とは。
水野 学(クリエイティブディレクター)×中川 政七(中川政七商店社長 十三代)
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※『致知』2017年9月号【最新号】
※特集「閃き」P48
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【水野】
「閃き」っていう言葉があって、これは今回の特集テーマ
でもありますけど、語感からして天から降ってくる
ような感じがしますよね。
本当に天から降ってきてくれればいいんですけど(笑)、
そんなわけにはいきません。
例えば、イノベーションっていう言葉がありますよね。
この言葉に関して、僕は日本人と欧米人との間には
若干のズレがあると思うんです。
というのも、日本人はイノベーションというと、
全く新しいことをイメージしがちですが、
「AとBをくっつけてCを生み出していく」
ことを欧米人はイノベーションと呼んでいるように感じるんです。
【中川】
確かにズレがありますね。
【水野】
ですから、閃きというのも、何かと何かの接着から
生まれてくると僕は思うんです。
そしてうまく接着ができるかどうかは、その人の持つ
知識や興味、環境といった様々な要因によるところが
大きいと言えるでしょう。
さらに、接着させるには、AもBも必要になってくる。
それもドバっといっぱいなきゃいけないんで、
抽斗を開けたらいつでも取り出せる状況にして
おくことが大切です。
僕はこの19年で何人ものデザイナーを雇ってきましたけど、
やっぱり知識量が多い子ほどアイデアが出ますね。