【編集長取材手記】業界トップの経営リーダーが語り合う「繁栄の法則」 ——漢方のツムラ・加藤照和×ソフトクリームの日世・岡山宏

~本記事は月刊誌『致知』2026年5月号 特集「人を育てる」に掲載の対談(組織を伸ばす経営のあり方)の取材手記です~

17歳差ながらも、世代を超えて尊敬し合う

日本で初めてソフトクリームのビジネスを立ち上げた日世と、漢方薬のパイオニアとして知られるツムラ。

日世は1951年に国内初となるソフトクリームの販売を開始し、「ニックン&セイチャン」のキャラクターや、最近では商業施設や観光地を中心に提供されている高級ソフトクリーム「クレミア」ブランドで知られています。ソフトクリーム関連事業の国内シェア6割を握り、中国やタイ、ベトナムなど海外にもその販路を広げ、国内約500億円、海外約150億円の売上高となっています。

ツムラは、1893年に初代津村重舎が創業し、婦人良薬「中将湯」の販売を開始して以来、132年の長きにわたり人々の健康に寄与し続けてきました。国内の医療用漢方製剤市場シェアは実に85%を誇り、売上高は1800億円を超えています。「高齢者」「がん」「女性」を重点領域に定め、漢方薬だけではなく、薬食同源食品を手掛けるなど、ヘルスケア事業を次なる柱として展開しています。

共に国内で圧倒的なシェアを獲得し、既に確固たる地歩を築いた両社に、それぞれ新たな成長の道筋をつけてきたのが、日世会長の岡山宏さんとツムラ社長の加藤照和さんです。17歳の差はあれど、世代を超えてお互いを尊敬し合うお二人の経営者としての原点、そしていかにして各々の事業を発展させてきたのか。

人間学を学ぶ月刊誌『致知』2026年5月号特集「人を育てる」に、岡山さんと加藤さんの対談記事が掲載されています。タイトルは「組織を伸ばす経営のあり方」。

「対談のお相手はぜひ岡山会長でお願いしたい」

お二人の対談を企画した発端は、10年来の『致知』愛読者である加藤さんとの会食がきっかけです。「人を育てる」という特集を組むに当たり、ぜひ加藤さんにご登場いただきたいと考えていました。

100年以上続く歴史と伝統ある一流企業のツムラに新卒で入社し、48歳の若さで社長に抜擢され、そこから理念経営と人財教育を重視し、独自のDNAピラミッド、長期ビジョン、中期経営計画の策定・浸透を通じて、14年にわたり同社の発展を牽引してきた加藤さんは、まさに今回の特集にぴったりだと思い至ったからです。

会食の席で「尊敬している経営者はいらっしゃいますか」と加藤さんに尋ねると、すぐさま挙がったのが、日世の岡山さんでした。

「編集部から対談の打診をいただいた時に、お相手はぜひ岡山会長でお願いしたいとお伝えしていたんです。経営においても人生においても大先輩の岡山会長のお話を、じっくり伺いたいと思います」

日世と聞いただけではピンと来なかったものの、「ニックン&セイチャン」「クレミア」のキーワードですぐに理解し、調べれば調べるほど素晴らしい会社であり、岡山さんの魅力に惹きつけられました。

早速依頼をすると、岡山さんも快くお引き受けくださり、2026年2月5日(木)に都内のホテルで対談取材は行われました。お二人の経営談義から、企業はトップの器以上にならない、社員の成長が会社の成長である、ということが伝わってきます。

お二人の共通点〝謙虚・素直に学び続ける姿勢〟

対談取材を通して感動したことは数多くあり、すべては語り尽くせませんが、驚嘆したのはお二人の共通点の多さです。

まず先述の通り、共に業界トップで圧倒的なシェアを有していること。それでいて現状に甘んじることなく、倦まず弛まずに新たな挑戦や改革をされていること。新卒で入社した会社の生え抜きとして、経営トップを任されていること。若い時から志や目標を持って努力を積み重ね、引き上げられたこと。たとえ意に沿わないことであっても、前向きに捉え、目の前の仕事に打ち込んできたこと。謙虚・素直・誠実なお人柄で、社員や取引先など周囲からの信頼が厚いこと。命懸けの気概、断固とした覚悟、凄まじい情熱や執念で道を切り開いてきたこと等々……これらの具体的なエピソードは本誌対談記事で語られていますので、ぜひお読みいただければと思います。

そして、何よりも嬉しい共通点は、『致知』を愛読してくださっていることです。加藤さんが10年来の愛読者であることは既に触れました。加藤さんから寄せていただいた『致知』へのメッセージを紹介します。

言葉の持つ力――艱難辛苦を乗り越えた諸先輩の言霊には大きな力が宿っています。人は何のために生きるのか、私たちはどう生きるべきか、を問い続けるにあたり、至言・名言ともいうべき言葉の力に後押しされ、深く悩み考え続けることで、その道に辿り着けると信じて『致知』と向き合っています。
『致知』創刊48周年を迎えられ、心からお慶びと感謝・御礼を申し上げ、次世代へと継承・発展されますことを祈念いたします。

一方、岡山さんは取材依頼を受けるまで『致知』を知らなかったそうですが、何とその後程なくして定期購読をお申込みくださっていたのです。功成り名遂げ、今年80歳を迎える岡山さんが、なおも学び続ける姿勢に感銘を受けると共に、取材前の雑談の中で、お二人が『致知』についての話題で盛り上がっていたのが印象的でした。思わず手を合わせたくなります。編集者冥利に尽きるとはまさにこのことです。

2時間に及ぶ白熱の対談取材で、とりわけ深く心に響いた言葉

3年前に出逢ってから意気投合し、親交を重ねてきたお二人ですが、こうして面と向かって語り合うのは今回が初めて。2時間に及んだ白熱の対談取材をギュッと凝縮して誌面10ページにまとめました。主な見出しは下記の通りです。

◇お互いの人柄に魅了されて
◇ソフトクリームで6割のシェアを実現
◇取り組むべきは多角化ではなく多柱化
◇子供たちの笑顔が仕事の原点
◇信頼関係を築けばお客様が助けてくれる
◇真剣に向き合ったものに何一つ無駄なものはない
◇リーダーは命懸け
◇当事者意識を持って主体的に仕事をせよ
◇25年かけて取り引きを再開
◇売り上げを3倍にするから社長になりなさい
◇繰り返し語らなければ理念は浸透しない
◇人の成長なくして会社の成長なし

「お二人の出逢いと交流」や「会社を取り巻く国内外の情勢を踏まえて、特に力を注いでおられること」に始まり、「入社の経緯とお若い頃からの心懸け」「特に強く影響を受けた人物や書物」「リーダーとしての目覚め、転機となった出来事」といった原点から、「経営トップとしての道のり」として「最大の逆境や試練、それをいかに乗り越えてこられたか」「支えとなった思い、大切にされている言葉」、さらには「リーダーに求められる条件」「部下をその気にさせる関わり方」「伸びる人に共通する資質」「企業経営で一番大事なもの」に至るまで、約1万3000字の記事の中に、一冊の書籍になるほどの内容が満載です。

最後に、とりわけ深く心に響いた言葉を一つずつ挙げたいと思います。

真剣に向き合ったものに何一つ無駄なものはない――加藤照和

困難な局面においても逃げずに前に立ち、責任を引き受ける姿勢を貫くことで信頼は培われていく――岡山宏

一流の経営者同士が語り合う、体験や学びを通して掴んだ人生と仕事を好転させる「心身の習慣」「成功の法則」「珠玉の金言」には、私たちの日常生活に生かせるヒントがちりばめられています。お二人が織り成す人間学談義に興味は尽きません。

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