2026年02月27日

「日本こそが真の中朝(中華)であり、世界に冠たる君主国である」― ◎各界一流プロフェッショナルの体験談を多数掲載、定期購読者数No.1(約11万8,000人)の総合月刊誌『致知』。人間力を高め、学び続ける習慣をお届けします。
1669年(寛文9)年、天才儒学者・山鹿素行によって著された幻の名著「中朝事実」は、江戸初期、中国の思想に溺れていた日本人に警鐘を鳴らし、自国の歴史研究を通じて日本精神とは何かを国民に訴えた書物です。吉田松陰をはじめ、伊藤仁斎、荻生徂徠、本居宣長、藤田東湖、乃木希典など、多くの偉人たちにも影響を与え、激動の時代を乗り越える原動力となってきました。300年余の時を経て、現代語訳で蘇った本書『山鹿素行「中朝事実」を読む』の「はじめに」をご紹介します。
(本記事は弊社刊『山鹿素行「中朝事実」を読む』より一部を抜粋・編集したものです)
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はじめに
『中朝事実」とは、山鹿素行(一六二二~一六八五年)の著述の中で最も有名なもので、 素行の思想学問の集大成とされる著述の名称である。赤穂流謫中、四十八歳の時の著作であった。
中朝とは、外朝支那で古来、中華と自称して来たことに鑑み、これと区別するために、 日本を中朝と呼称した語である。ところで中華とは、漢民族が、周囲の文化的に遅れた各民族をそれぞれ、東夷、西戎、南蛮、北狄と蔑称し、自らを世界の中央に位置する文化国家であるという意識をもって自称したものであった。このような世界観、自国意識に立つ考え方は、中華思想または華夷思想と呼ばれている。
素行によれば、わが国日本こそ、文化的にも政治的にも中華と呼ばるべき存在であり、 そのことは、『日本書紀』・『古語拾遺』・『職原抄』・『先代旧事本紀』・『本朝神社考』などの古典に明記されている歴史的事実によって明らかであるとされる。その主張を展開、 論証する著述が『中朝事実」に他ならない。同時に、書名の由来でもある。
その「中朝事実」の大きな特色の一つは、応神天皇以前の『日本書紀』などの記述に基づいて、万世一系の皇統の優位性を、易姓革命と征服王朝とを繰り返し、そのたびに王朝の交替する「外朝」の歴史と比較しつつ、論証している点にあり、しかも、その論証が、 「易経」の宇宙観や「中庸」の哲学などの、いわば客観的な理論や価値観に基づいている点にあるといわれている。
このように応神天皇以前に焦点を絞り込んだのは、漢籍がわが国に流入し、「漢意」の影響を受けてしまう以前の、より純粋な日本精神を見極めようとしたからである。
その特色の第二は、早熟の天才山鹿素行が、当時のあらゆる学問、学術を悉く究明しようと研鑽に励み、さまざまな精神遍歴を経た後、最終的に到達した「日本学時代」の成果が「中朝事実」という傑作に結実したということであり、広汎にわたる学問によって、日本人としての自覚と誇り、いわば民族的目覚めへの回帰に到達したとする記述である。
今日、激動・激変の国際情勢の中で、国の在り方や国民の意識に思いを致すとき、この「中朝事実」を改めて紐解いてみることは、極めて意義深いことであろう。
・・・続きは本書でお読みください。
(本記事は弊社刊『山鹿素行「中朝事実」を読む』より一部を抜粋・編集したものです)

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