苦しみを克服する名言


Ω あなたの人間力を高める Ω
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致知出版社の「人間力メルマガ」 2016.7.12


耳慣れない中国古典ですが、
『酔古堂剣掃(すいこどうけんすい)』
という書物があります。

17世紀、先人たちの書物の中から
心に響いた名言などをまとめ、
一冊に編集したものです。

郷学研修所所長の荒井桂さんに、
解説していただいた、
いくつかの名言をご紹介します。

────────[今日の注目の人]───

★ 酔古堂剣掃 
先哲の箴言(しんげん)が教えるもの ★

荒井桂(郷学研修所所長)

※『致知』2016年8月号【最新号】
※特集「思いを伝承する」P54

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『酔古堂剣掃』には、
人生の範となる名言が数多くあります。


君子に三惜(さんせき)あり。

この生、学ばず、一惜しむべし。

この日、間過、二惜しむべし、

この身一敗、三惜しむべし。


安岡正篤先生は
このように解説されています。


「君子に三つの惜しいことがある。
 ここに生まれ生きていながら勉強しない。

 学ばないことは一つの惜しむべきことだ。

 第二に惜しむべきは、
 またと帰らぬこの日を無駄に過ごす。

 これくらい惜しいことはない。

 第三はこの身一敗、
 せっかくこの身を与えられても
 大切にしないで、
 失敗に持っていく、
 これまた惜しむべきことです」


大丈夫世に処するや、
生きては当(まさ)に侯に封ぜられるべく、
死しては当に廟食(びょうしょく)すべし。
然(しか)らずんば間居、
以て志を養うべし。
詩書以て自ら娯(たの)しむに足る。


「男と生まれた以上、
 大名に封ぜられ、
 死んでは神として奉られよ」


前半のこの部分だけを読むと
随分、通俗的な喜びを述べているものだ、
と思ってしまいますが、
後半部分は


「そうでない場合は
 静かに籠もって志を養え。
 そのために『詩経』『書経』を読んで
 自ら楽しんで暮らせ。
 それで十分である」


と修養の大切さを説いています。
 

病中の趣味、嘗(な)めざるべからず。

窮途(きゅうと)の景界、
歴(へ)ざるべからず。

 
病気をしている時の趣、味わいは
経験しないといけない。

行き詰まって窮地に陥る経験も
歴ておくべきだ、
と説いた寸言で、
厳しい状況にある人に……。



※長年読まれ続けてきた古典は、
 どれも深い人生の真実を説いています。

 安岡先生が高く評価される
 『酔古堂剣掃』に
 『致知』最新号で触れてみてください。

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