国語教科書の分量を3倍に!


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致知出版社の「人間力メルマガ」 2016.9.8


先般出された次期学習指導要領試案に
対して、早速中村学園大学の
占部教授がその内容について
様々な角度から吟味しています。

今後の教育改革はいかになされるのか。
そしていまある問題、課題とは──

────────[今日の注目の人]───

☆ 国語教科書の分量を3倍に! ☆

占部 賢志(中村学園大学教授)

※『致知』2016年10月号【最新号】
※連載「日本の教育を取り戻す」P132

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【PTA役員】
道徳に関する報道を見ておりますと、
従来の読み物に触れさせる道徳ではなく、
議論する道徳への転換を
はかると言われています。

どんな授業になるのか疑問に思いました。


【占部】
そうでしょうね。

突然こんなことを言い出したのには
おそらくわけがあるんですよ。


【教師A】
組合対策でしょうか。


【占部】
それとマスコミ対策。

想像するところ理由は
二つぐらい考えられます。

一つは、アクティブ・ラーニングの
中心的な場としたいということ。

二つには、読み物授業が多いと、
国語や社会などの既存の教科で
やれるじゃないかと言われかねない。

そうした思惑が
働いたのではと想像できますね。


【教師A】
道徳は国語と歴史で教えよ
というのが先生の持論でしたね。


【占部】
ええ。ところで、
今回示された方針のなかに、
登場人物の心情理解に
深入りするなという趣旨の
ことが述べられていましたね。

これは道徳の本質が
分かっていない証拠です。

登場人物に惹かれ没入してゆく。

そうした心の働きをなぜ
遮らねばならないのか。

おかしな事です。


【教師B】
私も同感です。

全国のすべての小中学生に
配付されている副読本
「私たちの道徳」は
偉人伝をはじめ多彩な人物を
扱った読み物が豊富です。

議論する道徳への転換を言うなら、
じゃあ、あれはなんなのと
言わざるを得ません。


【占部】
これじゃあ、道徳は子供の
おしゃべりの時間となりかねませんね。

そんなものなら早々になくした方がいい。

その分を国語に充てるべきです。

教師がやれることは、
子供の心にしみる立派な作品を
探して提供すること。

それ以上でもそれ以下でもありません。

戦前の名作「稲むらの火」は
修身の教科書に載っていたか
のように勘違いする向きもいますが、
あれは小学五年生用の国語教科書に
収録された作品なんです。

だから私は国語教科書は分量を
三倍ぐらいにして道徳にも
活用できる教材を収録する。

そして国語と道徳とを連携して
授業を創るのがいま
いちばんいい方法だと思います。


【教師C】
教科書を三倍にという
提案は興味をそそります。


【占部】
立派な作品は読む者の心まで
浄化するのですよ。たとえば…



※次期学習指導要領試案に対する
 吟味の続きは本誌をご覧ください!



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   『致知』推薦の言葉
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困った時、苦しい時、人は、
本物の力を求めます。

この力によって、困難を乗り越え、
人間として成長し、真の幸福に
一歩ずつ近づいていきます。

そして、自分のためのみならず、
多くの人々に貢献していきます。

『致知』は、
この「本物の力」の泉です。

──鈴木秀子氏(国際コミュニオン学会名誉会長)

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