2026年02月11日
我々の先祖は、どのような願いを込めてこの日本を建国したのでしょうか。建国記念の日である本日は、建国の理念「八紘為宇(はっこういう)」について、神社界最高位の称号を持つ後藤俊彦さん、ジャーナリストの葛城奈海さんによる対談を抜粋して紹介します。
(本記事は『致知』2025年12月号対談「日本再生への祈り」より一部を抜粋・編集したものです)
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すべての人たちが家族のように暮らす国をつくろう
〈葛城〉
日本人であることに恥じていた若者時代を過ごしていた私がそこから脱却できたきっかけも、実は木に関係があるんです。
29歳の時、地元の埼玉県所沢市で仲間たちと一緒に休耕田を甦らせ有機栽培のお米をつくる活動をしていました。指導役は近所の農家のおじいちゃん。ある時、田んぼの近くにある溜め池に連れていかれて、「いまから木を切ります」と言われたんです。
里山を守りたくてこの活動に参加したのに、木を切ったら自然破壊じゃないかなと思っていたら、池に差し掛かっている部分だけを切ると。これを残しておくと落ち葉がどんどん堆積し、水が溜まらなくなる。するとお米が育たなくなり、最終的には人間が生きていけなくなる。だから、必要最小限切らせていただくという話でした。
そして、おじいちゃんが切る木の前にお酒とお塩とお米を供えて跪き、「命をいただきます。ありがとうございます」と祈りを捧げたんですよ。その時、おじいちゃんの背中から後光が射しているかの如く感じられました。
神職さんにとっては当たり前の姿だと思いますが、私はそんな光景を一度も見たことがなかったので、ものすごく衝撃を受けたんですね。
それまでの私は、国を守るというと、国土を守るとか国民を守るとか、形ある存在を守ることとしてしか認識していませんでした。しかし、もっと本質的には、その国の人たちが先祖から連綿と受け継いできた、目には見えない文化や価値観、アイデンティティを守ることだと思い至ったんです。
〈後藤〉
祖先との繋がり、地域との繋がり、自然との繋がり、そういう共同体意識を体感された一つの原体験ですね。
家でも会社でも国でもそうですけど、個人主義が前に出るとうまくいきませんし、共同体意識の強い組織は長く繁栄していきます。その最たるものが日本ですよね。
皇紀2685年、世界で一番長く続いている国であり、しかも驚くことに万世一系、天照大神様の血を引く神武天皇の子孫が男系を通して百二十六代も繋がっている。
〈葛城〉
天皇陛下の正統性の根拠になっているのが万世一系、お父さんを辿っていけば必ず初代の神武天皇に繋がる血統で受け継がれているということです。
〈後藤〉
天照大神様が人々が生きていくためにいい食べ物を探されていたところ、保食神という神様からたくさんの五穀ができ、特にお米が一番いい食べ物だと。
それでご自身も高天原で田んぼをつくって稲を育て、そのお米を持って地上に降臨なされたのが天照大神様の孫の瓊瓊杵命。さらに三代のち、神武天皇が稲作を広め、一つの国家をおつくりになった。
葛城さんが冒頭おっしゃったように、「八紘を掩ひて宇と為む」、日本列島に屋根をつけてすべての人たちが家族のように暮らす国をつくろうと。そういう壮大な理想を持った国は世界中の歴史を見てもどこにもなかったと思います。
これが一豪族の力関係で支配するような形だったら、続かなかったでしょう。八紘為宇のビジョンを持っていたからこそ、国づくりに成功したのだと思います。
しかし、ビジョンだけではなく、その崇高な理想を具体的に形にする技術があったということが重要なんです。稲作ですね。お米が実るようになれば、争いも起こらないし、自然を生かしながら生きていくことができる。
〈葛城〉
理想を実現する手段をしっかりと持ち合わせていた。
〈後藤〉
いまも皇居の水田では聖上御自らお米をつくられ、神嘗祭などでお供えされている。つまり、神代から今上陛下に至るまで一貫して変わっていないんですよ。
本記事の内容↓↓
◆戦後80年の節目に最も憂慮していること
◇いまも神話の中に生かされている
◆GHQの占領政策が及ぼした弊害
◇神道とは諸宗教の根源を為すもの
◆柱のある生活を取り戻すべき
◇日本建国の理念「八紘為宇」とは
◆お互いを思い合う君民一体の国柄
◇皇居勤労奉仕の体験と国連での35秒スピーチ
◆古典・歴史教育を通じて武士道を復活せよ
◇先人たちの大和魂が日本の平和を守っている
◇後藤俊彦(ごとう・としひこ)
昭和20年宮崎県高千穂町生まれ。43年九州産業大学商学部卒業後、参議院議員秘書となる。國學院大學神道学専攻科並びに日本大学今泉研究所を卒業し、56年高千穂神社禰宜を経て宮司に就任。同神社に伝わる国指定重要無形民俗文化財「高千穂夜神楽」のヨーロッパ公演を二度にわたって実現。62年神道文化奨励賞受賞。神道政治連盟副会長、高千穂町観光協会会長などを歴任。令和3年神社本庁より神社界最高位の「長老」を授与される。著書に『日本人なら知っておきたい日本の神話九選』(致知出版社)など。
◇葛城奈海(かつらぎ・なみ)
昭和45年東京都生まれ。東京大学農学部卒業後、自然環境問題・安全保障問題に取り組む。俳優などを経て、平成23年から尖閣諸島海域の実態をレポート。27年防人と歩む会会長、令和元年皇統を守る会会長にそれぞれ就任。他に元予備3等陸曹、予備役ブルーリボンの会幹事長。北朝鮮向け短波放送「しおかぜ」でアナウンスを担当。著書に『戦うことは「悪」ですか』(扶桑社新書)『日本を守るため、明日から戦えますか?』(ビジネス社)など。
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