2026年02月06日

疲れた中高年を題材とする毒舌漫談、また中高年のアイドルとしてお馴染みの綾小路きみまろさん。苦節30年の下積み生活の中で、決してひるまず、常に明るく前向きに黙々と芸を磨き続けてきた きみまろさんが、心が乱れた時に実践してきたという〝心のリセット法〟とは。氏の友人で文学博士の鈴木秀子さんが迫ります。※記事の内容や肩書は掲載当時のものです
(本記事は『致知』2006年11月号 特集「言葉の力」より一部を抜粋・編集したものです)
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大事なのは心をリセットすること
<鈴木>
決してめげないことも、まろさんの大きな魅力ですね。
<綾小路>
私は心が乱れると掃除をするんです。自分の座っているところはなかなかできないんだけれども、水回りだとか植木の周辺とか、気になるとすぐに掃除をする。なかでも掃除機を集めるのが好きで、掃除機を掃除機で掃除して、その中に溜まるゴミを掃除するのが私の趣味なんです。ゴミの袋をパンパン叩いている時の幸せといったらありません(笑)。
<鈴木>
人間って、部屋がゴチャゴチャしてきたり家が汚くなると、心まで乱れてきますから、そういう切り替えが必要なのですね。
<綾小路>
そう、リセットです。人に怒られて「ちくしょう」と思っても、 上手に切り替えないとね。
ところが、いまの子どもたちは違うのですよ。親に怒られると家に火をつけて、それでリセットしようとするんです。家が燃える、誰かが死ぬかもしれない、刑務所に行かないといけない。 そんな後のことが考えられないんですね。こういうことは私たちの時代にはあり得なかった。
<鈴木>
そのとおりですね。
<綾小路>
昔は洋服を買って「これは元旦から着よう」とか、「春になったらイチゴが食べられる」とか、生活の至るところにリセットする場がありました。
いまはどうですか?食べ物の春夏秋冬もなくなっちゃったし、スーパーに行けば安くていいものがいつでも簡単に手に入るから、ここで気分が変わるっていうことがないんじゃないですか?
<鈴木>
いまの世の中、鬱になる人が多いというのもリセットの仕方が分からなくなっているからかもしれませんね。
<綾小路>
あまりにも生ぬるいところにいて、子どもたちが何をしていいか分からないんですよ。すべてが与えられた環境にいる人たちが夢や希望を持てるとは私には思えません。
<鈴木>
まさに、まろさんの実感でしようね。まろさんご自身の人生の中で一番のリセットは何でしたか。
<綾小路>
一番といったらライブのC Dを出したことでしょうね。それは私の力でなくて、周りが盛り立ててやってくれたことでした。これがなかったら、いまの私はありません。
まだ売れない頃は、高速道路のパーキングエリアで自分のテープを配ったりしたものです。バスの運転手さんから「要らないよ。そんなものもらっても車内で流せない」と言われても「もらってください。タダなんですから」
「一度聞いてから考えてください」って。 ある時なんか宗教と間違えられて事務所に連れていかれたりもしましたけどね。
<鈴木>
「分かってくれる人が必ずいる」という信念がなくてはできないことですね。
<綾小路>
そういう時、「本当に聞いてくれるのはどういう人だろう」と考えたんです。デッキがあってすぐにテープをかけられて、30人くらい中高年が集まっているところ・・・・・・。それが観光バスでした。その発想でバス会社に配り始めたところ成功したんです。
そのうちある人が「きみまろさんのテープはあるけれども、まだ広く世に出ていない。これをCDにして、ちゃんとした会社から出しましょう。そうたしたら売れなくても歴史に残るじゃない」と言ってくれましてね。「じゃあ出しましょう」とテイチクから出してもらった。これが150万枚のヒットになったんです。
(本記事は『致知』2006年11月号 特集「言葉の力」より一部を抜粋・編集したものです) ◎各界一流プロフェッショナルの体験談を多数掲載、定期購読者数No.1(約11万8,000人)の総合月刊誌『致知』。人間力を高め、学び続ける習慣をお届けします。※動機詳細は「③HP・WEB chichiを見て」を選択ください
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