2025年10月10日
1937年にアメリカで出版され、90年近く経ついまなお世界中で愛され続け、累計1億冊を突破している名著があります。ナポレオン・ヒル『THINK AND GROW RICH』(邦題『思考は現実化する』『成功哲学』)。自己啓発の源流とも呼ばれる本書は、ナポレオン・ヒルが20年間で500人以上の成功者を取材・研究し、そこから見出した共通点や成功法則を13のステップに体系化したものです。本書との邂逅によって、人生が劇的に好転したという青木仁志氏に、活学の足跡の一端を語っていただきました。お相手は、ナポレオン・ヒル財団CEOのドン・グリーン氏です。
(本記事は『致知』2025年10月号 特集「出逢いが運命を変える」より一部を抜粋・編集したものです)
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よい情報に触れることが 豊かな人生の扉を開く鍵
〈ドン〉
成功という果実を手にするには代価の先払いが不可欠だと、ヒル博士が説いていますね。
〈青木〉
私は何も持っていなかったので、「時間」を差し出しました。時間の長さで勝って、密度で勝って、仕事の量で勝つ。他の誰よりも働きました。その結果、トップセールスマン、トップマネジャーになり、3,000万円の借金を6年で完済することができたんです。
その実績を持って、ブライアン・トレイシーという世界的なコンサルタントの日本での版権をすべて持っていた夏目志郎先生の会社に29歳で入りました。これも出逢いですね。そこで私は3年で売上を7倍にし、チーフトレーナーから役員になり、32歳でアチーブメントを創業したわけです。
だから、もし私が23歳の時にヒル博士の1冊の書籍に出逢っていなかったら、私の人生は全く違うものになっていたでしょうね。
〈ドン〉
心から共感します。
〈青木〉
私は目標に焦点を合わせる能力と最優先の事柄に集中する能力、それをヒル博士の『成功哲学』から学びました。それまでは分散していたんです。自分ではコントロールできないことに時間とお金を使っていたから、成功できないどころか、3,000万円もの負債を抱えてしまった。
無知はコストです。まず学問して知ること。そして、知ったら後はやればいいだけ。私はいまでも実行管理を徹底しています。自分との約束を守る。いつまでにこれをやり遂げると決めて、後はその通りに実行していく。
若い頃に出逢った言葉で、「愚者は自分の行いによって悟りを得る。賢者は他人の言動によって悟りを得る」。だから、自分より優れた人の言葉に耳を傾け、余計なことを考えずに実行すればいいんです。『成功哲学』は先人の知恵であり実証でしょう。
本当にこの1冊の書籍との出逢いが私の人生を変えました。その後、29歳の時にバイブルと出逢い、アメリカの精神科医ウィリアム・グラッサー博士が提唱した「選択理論心理学」と出逢った。これが私の原点です。
〈ドン〉
青木さんはただ単に原理原則を言う人ではなくて、それを実践して実績をつくり続けている。言っていることとやっていることが一致している。そこが素晴らしいところであり、多くの人の学びに繋がると感じます。
〈青木〉
アチーブメントは資本金500万円、社員5名、マンションオフィスの一室からスタートしましたが、38年で純資産は300倍に増え、社員は200名以上になり、東京・有明の本社と全国5か所に支社を構えるまでになりました。おかげさまで毎年増収増益を続け、前期は売上高66億円、経常利益21億円で過去最高業績です。
しかし、そこにはノルマはありません。ノルマで人をコントロールしない。どうしたら達成できるのか。どうしたらよりよく生きていけるのか。その具体的な方法を社員に教えているだけなんです。そのすべては、『成功哲学』から学んだんですよ。だから、ヒル博士に感謝しています。感謝から何が生まれるかというと恩なんですよ。恩返しがしたいと言ったのはそういうことです。
やっぱり人間はよい情報との出逢いによって選択の質が変わる。よい情報に触れることが豊かな人生の扉を開く鍵なんです。それはヒル博士の書籍はもちろん、月刊『致知』もそうですよ。取材だから言っているのではなくて、本当にそう思っています。
▼本誌 or 電子版では、下記の内容を全文お読みいただけます▼
◇ナポレオン・ヒルを通じた運命的な出逢い
◇驚くほど多い二人の共通点
◇アジア人初のゴールドメダル受賞に至った舞台裏
◇全世界1億冊を突破 愛され続ける所以
◇どん底だった23歳で『成功哲学』に巡り合う
◇よい情報に触れることが豊かな人生の扉を開く鍵
◇16歳の貧困少年が図書館で見つけた1冊の本
◇ヒル博士の哲学を生かし最年少支店長からCEOへ
◇経営危機に陥っていた銀行をいかに再建したのか
◇これだけは伝えておきたいヒル博士の言葉と教え
◉生まれ育った国は違えども、お二人には貧しい幼少期を経て、ヒル博士の本との邂逅を機に一念発起し、運命が大きく好転、事業家として実績を上げた共通項があります。洋の東西を問わない普遍の成功哲学談義に興味は尽きません。◉
◇青木仁志(あおき・さとし)
1955年北海道生まれ。10代からセールスの世界に入り、国際教育企業ブリタニカ、国内の能力開発&人材開発コンサルティング研修企業を経て、1987年32歳でアチーブメント設立。以来、延べ51万名の人財育成と、9,000名を超える中小企業経営者教育に従事している。自ら講師を務めた公開講座『頂点への道』講座スタンダードコースは28年間で毎月連続700回開催達成。2024年ナポレオン・ヒル財団特別顧問に就任。2025年同財団のリーダーシップディベロップメント部門にて、アジア人初のゴールドメダリストとなる。著書68冊。監訳書に『巨富を築く思考法 THINK AND GROW RICH』(アチーブメント出版)。
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