2017年06月29日
毎月好評の連載「生涯現役」。 
 
今回は御年109の書道教師 
菅谷藍さんにご登場いただきました。 
 
───────「今日の注目の人」─── 
 
菅谷 藍(書道教師) 
 
※『致知』2017年7月号 
※連載「生涯現役」P106 
 
─────────────────── 
 
──菅谷さんは明治生まれだそうで、 
  いまおいくつですか。 
 
最近は自分の年齢も 
よく分からなくなってね(笑)。 
 
まだ101歳だと思っていたけど、 
そんなはずはないぞと。 
 
この間もそんなことを考えておったら、 
どうやらこの5月で109歳になるみたい。 
 
──御年百九とはすごいですね。 
 
もうとっくに100を越したわけだけど、 
こんなに生きるとは思ってないもんね。 
 
60くらいで死ぬと思ってた。 
 
そのうちに筆もあまり 
持てなくなるかしらと 
思っておったけど、 
いつまで経っても一向に 
お迎えがこない。 
 
しょうがないから、 
こうしていまも生きていますよ(笑)。 
 
 
(中略) 
 
 
幸い妹の旦那が少しばかり 
残してくれたものがあったので、 
戦後も生活に 
困ることはありませんでした。 
 
 
私はその間もコツコツ 
書いていたんですけど、 
そのうちに原稿が 
売れるようになってきたのよ。 
 
原稿料も随分と入ってくるでしょう。 
 
こんないい商売はないと、 
そんなふうに思っていました。 
 
 
──それだけ評価されていながら、 
  なぜ道を変えられたのですか? 
 
 
それが占い師にね、そう言われたの。 
 
 
──占い師に? 
 
 
私が尼崎にいた時ですよ。 
 
市場の片隅に「占い」と 
書かれていたのがなんとなく 
気になって入ってみたの。 
 
その方がとても有名な方だと 
いうのは後から知ったのですが、 
とにかく見てもらった。 
 
すると開口一番、 
 
「あなたはね、作家になろうと 
 思って一所懸命して 
 いらっしゃるでしょう。 
 
 確かにあなたは文章を 
 書くことはできるけど、 
 それを仕事として 
 やるには絶対に向かない。 
 
 長続きしません」 
 
って言い切られた。 
 
私はびっくりして、 
 
「そんなことよく言い切れますね」 
 
ってぷんぷん怒ったんです。 
 
「じゃ何をすればいいの」 
 
って聞いたら、 
 
「それはもう書き方ですわ」 
 
って言うから、またびっくり。 
 
というのも、書道ほど嫌いなものは 
他にないと思っていたくらいですから。 
 
 
 
※109歳の書道教師の波乱の歩みの 
 続きは本誌でお楽しみください。 



						




