2017年07月25日
東京土産として有名な「榮太樓飴」を 
ご存じの方も多いでしょう。 
榮太樓飴はとことん材料にこだわり、 
人工の香料は決して使わないといいます。 
 
その創業は江戸時代に遡ります。 
社長の細田眞さんに 
歴史を振り返っていただきました。 
 
───────「今日の注目の人」─── 
 
細田 眞(榮太樓總本舗社長) 
 
※『致知』2017年8月号 
※特集「維新する」P44 
 
─────────────────── 
 
──長い歴史の中では試練に見舞われた 
  時期もあったのではありませんか。 
 
 
この一帯は東京の中心部ですから、 
関東大震災でも東京大空襲でも 
大変な被害を受けました。 
 
震災の時は、 
無事だった目白の自宅にあった 
原料や材料を日本橋まで運んで 
何とか急場を凌いだそうですが、 
空襲だけはどうにもならなかったと 
聞いています。 
  
戦時中は砂糖が配給され、 
細々とながら菓子を作っていました。 
しかし、東京が焼け野が原になると 
それもできなくなって、 
一年半ほどは事業を 
中止せざるを得なくなりました。 
 
その後、喫茶部門を立ち上げたり、 
ジャムや佃煮を作ったり、 
菓子以外でもできることは 
何でもやったようですね。 
 
当時は曾祖父の時代ですが、 
創業者の教えを守り、 
どんなに厳しい時代でも 
決してあくどい儲け方を 
してはいけないということを 
常に肝に銘じてきたといいます。 
   
 
──現在はどういうことに 
  力を入れられていますか。 
 
 
和菓子屋ですから、 
金鍔や水羊羹なども 
取り扱っていますが、 
売り上げの半分以上は飴なんです。 
 
それも、ただ売れれば 
いいというのではなく、 
人工の香料や着色料、添加剤は 
一切使わずに天然の果汁を用いるなど 
製法や品質にとことんこだわっています。 
 
人工の香料などを使っていない飴は、 
おそらく世界でうちだけでしょう。 
 
 
海外から調達した安い原料でも 
我われの技術で加工すれば、 
そこそこのものはできます。 
しかし、そこで安易な妥協をすれば、 
…… 
 
 
 
※伝統の味を大切にしつつも、 
 常に革新を続ける同社の取り組みは 
 8月号でお読みください。 



 
						





 
                    