分子古生物学者・更科功さんが語る生物進化の営み


生命四十億年の進化の歴史を辿ると、
五億年ほど前、
動物の進化史上の大事件が起きます。
いわゆる「カンブリア爆発」です。

このカンブリア紀をきっかけに
動物は複雑、多様化していきました。
その要因は何だったのでしょうか。



───────「今日の注目の人」───

更科 功(分子古生物学者)


※『致知』2017年8月号【最新号】
※特集「維新する」P56

───────────────────

そうした進化の過程の中で、
いまからおよそ五億四千万年前から
四億九千万年前のカンブリア紀に、
突然、複雑で大きな動物が一斉に
どっと現れ始めます。
いわゆる「カンブリア爆発」です。
 
カンブリア爆発は、
動物の進化史上の大事件ですが、
カンブリア紀にいったい何が
起こったのでしょうか。

諸説ありますが、
生物を食べる〝捕食者〟の出現が、
カンブリア爆発の
引き金になったのではないかと
私は考えています。
 
それまでの生物は、
小さくて軟らかい体をしており、
体を大きくする必要性もない
平和な環境で生きていました。


更科氏画像

しかし、カンブリア紀に
他の生物を食べる捕食者が出現したことで、
食べられる側の生物は生き残りを賭け、
貝殻をつくって身を守ったり、
眼や骨を発達させて泳いで敵から逃げたりと、
体を進化させていったのです。
 
すると今度は、
食べる側も貝殻を砕くために歯をつくり、
獲物を追いかけるために
眼や骨を発達させて進化していった。

そのような「食うか食われるか」の競争は、
まるで軍拡競争のようにエスカレートし、
世界中のあらゆる場所で、
一気に動物の多様化や
大型化が進んでいったのでしょう。
 
特に眼があるとないとでは、
獲物を見つけたり、
襲ったりする時の成功率に
大きな違いがあったはずです。

カンブリア紀の最大の捕食者である
アノマロカリスは大きな眼を持っていました。
もしもカンブリア紀の動物たちが、
アノマロカリスに見つかったなら……




※更科さんの進化についてのお話は
 驚くこと、納得することの連続です。
 続きは誌面でお読みください。 

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