アメリカの書店で見つけた「言志四録」


世界最大の切削工具メーカーを中核に、
世界130か国に展開するグローバル企業、
サンドビックグループ。

その日本法人社長として
国内工場を蘇らせた藤井裕幸さんに、
その原点となったアメリカで
ゼロから工場を立ち上げた話を
語っていただきました。

───────「今日の注目の人」───

藤井 裕幸(サンドビック前社長)
   
※『致知』2017年6月号【最新号】
※特集「寧静致遠」P34

───────────────────

当時彼らが持っていた
日本に対するイメージは
富士山とか芸者くらいで、
日本のものづくり文化を
ほとんど知らない。

それに戦後日本が立ち直ったのは、
俺たちアメリカ人が助けてやったからだ、
という意識しかなかった。

彼らはプライドが高く、
それ故に日本企業で働くことに
フラストレーションを感じていたので、
いかにしてオークマで
働くことに誇りを持たせるかが、
とりわけ大きな悩みの種でした。


──どう克服されたのですか。


藁にもすがる思いでしたが、
何を掴んでいいのか分からなかった。

ところが、ある時、ふと立ち寄った
ニューヨークの書店で偶然手にしたのが、
佐藤一斎の「言志四録」だったんです。


藤井さん


当時、佐藤一斎のことは
全く知らなかったのですが、
本を開いた時にパッと
目に飛び込んできたのが、

「一燈を提げて暗夜を行く。
 暗夜を憂うこと勿れ。
 只だ一燈を頼め」

という一文でした。

なるほど、そうかと。

どんな暗闇でも自分の明かり
さえあれば前に進むことはできる。

そのためには、
いまの環境を嘆くのではなく、
自分がどんな一燈になればよいのか、
そのことだけを真剣に
考えようと思ったんです。

そして家内の大きな支えもありました。


──それで視界が開けたと。


ええ。でも、それだけでは
ありませんでした。

佐藤一斎のことを
自分で勉強した上で、
塾みたいな形をとって
日本の文化や歴史も
踏まえてアメリカ人たちに
教えようと決めたんです。

それからですね、
お互いに心が通じるように
なってきたのは。

佐藤一斎の言葉を……




※アメリカでの体験をもとに
 いかにしてサンドビックで
 工場再建を果たされたのでしょうか。
 続きは本誌でお楽しみください。



───────────────────
全国の『致知』読者から届いた声
───────────────────

『致知』を4年間読むこと
ができたことに、すべての
縁に感謝申し上げます。

心と魂を静かに清めてくれる
大切な私の宝物です。

「我が心深き底あり喜びも
 憂の波もとどかじと思う」

と繰り返し唱えています。

  ───徳山初子さん/埼玉県

1年間(全12冊)

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