会社で~社内木鶏会のご紹介~ 社内木鶏会で、我が社はこう変わった

企業プロフィール
株式会社毎日興業
代表取締役 田部井良 様
社名/毎日興業株式会社
事業内容/総合建物管理業(設備管理・清掃管理・一級建築士事務所・建築業・不動産管理業)
創業/1973年
所在地/埼玉県さいたま市大宮区浅間町2-244-1
社員数/2229名(グループパート含む)
全国初の社内木鶏会

弊社創業者、故 田部井功の号令のもと、2003年11月より社内木鶏会が全国で初めてスタートしました。
当時の勉強会の方法は、毎月『致知』を読んで感銘を受けた言葉や文章、気になった箇所に赤線を引き、その中で特に印象に残った文章をそのまま書き写していました。そして木鶏会当日は、事前に用意したその文章を発表し、参加者は発表者の文章からの感想を伝え合うといった具合に取り組んでいました。参加する従業員は幹部職を中心として50名ほどに限定していました。
また、当時は「社内木鶏会」ではなく、社内公募で決定した「社内木鶏・雛の会」という名称がついていました。その名称の由来は、双葉山のほどの人でも木鶏になれないのだから、私たちには木鶏などはるか遠くに及ばない・・・せめてその雛ぐらいにはなろうと願いを込めて名付けたようです。
現在では全国的な名称となった「社内木鶏会」の名称で社内も統一していますが、全国で初めて社内木鶏会を取り組んだ企業としての思い出深いエピソードでもあります。
導入当時の状況
社内木鶏会を取り組むきっかけについて創業者が詳細に記した原稿がありましたので、そのままご紹介します。
振り返ると、創業28年 何かが変である・・・
クレームが多発して、解約申立が相次ぎました。28年間コツコツ全社員で築き上げてきたお客様との信頼関係がガラガラと崩れかけている、という事態が発生しました。いま思えば、バブル景気が弾けて12年、運よく大過なく売上・利益も順調に成長を続けていた28年間を振り返った時に・・・。長年苦労を共にしてきた経営幹部たちに少し楽をさせてあげたいと思った時点から、社長としての自覚とリーダーシップが緩み、緊張感のない環境をつくってしまったように思います。
経営を楽観視した社長の気の緩みは直ぐに、経営幹部のヤル気を抜き取り、組織を無気力にして、困ったことや都合の悪い情報が伝わらない組織へと変わり・・・。幹部のモラルダウンが次々に起こっていました。勤務中にパチンコや賭け事の話題をして部下を誘う幹部。深夜まで飲食をさせて酒臭い社員や遅刻者を出して平然としている幹部。お客様より奉仕団体の活動を優先する幹部。このようなお客様や現場を軽視した経営幹部の行動は、現場で働く人や一般社員に徐々に伝染していきクレームの山をつくりあげました。
玄関のロビーに、クレーム獲得者ランキング一覧表を掲示して、クレーム0運動を展開しました。ミーティングの時、支店長がクレームランキング一覧表などを掲載しているとお客様の信頼を失うからやめてくれと注意してくれました。しかし、恥は力になると思い、そのまま0運動を続けた結果、1年後にはクレーム0を達成しました。
これからはクレームを出さないための仕組み作りをしていこうと計画中、丁度その頃に致知出版社さんから「企業においての『致知』の勉強会である『社内木鶏会』を最初に始めてくれませんか」とお誘いをいただきました。「仕事は人格の反映です」と語られ、「日本で最初の『致知』の勉強会が将来日本中に広がった時、必ず日本が変わります」という言葉に、私は心から感動しました。そして、そのご提案をいただいた時「わかりました!」と即返事をしていました。それが、会社の新たな発展、そして、人生の原理原則を会社ごと吸収し始める機会となった瞬間でした。
我が社の朝礼は、何のための朝礼か、何のための行動指針か、と改めて考察したところ、すべては人格を高めるためのものだったのです。この人格を高めることが、従業員において幸せな人生と幸福な家庭を築き、企業の繁栄と社会の発展に貢献していくものだと、その時に確信を持つことができ、直ぐに幹部50名での「社内木鶏・雛の会」キックオフを断行したのでした。
毎日興業として大切なもの
導入から13年目の月日が経過した2016年11月、創業者にすい臓がんが見つかり、余命半年という告知を受けました。会社内では後継者選び、地域ではボーイスカウト育成会の会長やJリーグ大宮アルディージャの後援会会長などいくつかの要職に就き地域を牽引するリーダーとしてまさにこれからというタイミングの時でした。私にとって創業者からこの告知を受けた時、「父が命懸けで築いてきた会社を何が何でも守り抜いていく」と、覚悟を決めた瞬間でもありました。そしてその後、2017年12月に創業者は「ありがとう」と言って優しい安らかな顔で永眠しました。
創業者は亡くなる直前、「毎日興業という看板を残すことは望まない。毎日興業として大切なものを残し続けてほしい。」という言葉を私に残してくれました。その言葉には創業時から45年間自らの人生を懸けて育ててきた会社、数えきれないほどの艱難辛苦を乗り越えてきた中で掴んだ、創業者の経営哲学が表されていました。私は2006年10月にこの会社に入社しましたが、創業者に直接付いて仕事したことも経営の指導を受けたこともありませんでした。しかしながら、幼少時代から一番近い所でその背中をみてきたからこそ、その一言が何を伝えたいものかは十分なほどに理解できました。「大切なもの」とは、感覚的に理解できても、経営者として経験を積んでいく中でしかわからないものであり、自らの感性を磨いていかないかぎり絶対に気付くことができないものであるとも認識しています。
神様から与えられた多くの試練

2019年4月に事業を引継ぎ
会社の代表となった私が今日に至るまで
幾つかの苦難に直面しました。
社長就任後の5月に、
入社当時から私を後継者として
厳しくも深い愛情で育ててくれてた専務が急逝しました。
社長になっても今まで長年に渡り会社の求心力にもなっていた専務がいることで安心していたので、あまりにも突然の出来事に大きな不安から絶望の淵に立たされました。そんな中でも社内では気丈にふるまい日々淡々と仕事をしていたことを思い出します。
その1年後に新型コロナウイルス感染症とその対策に右住左住し、予定通りの売り上げがあがらず先行き不透明感から従業員の賞与を例年通り満額での支給ができませんでした。賞与支給日の朝、私はベッドから体を起こすことができませんでした。今までの人生においてこんな経験ははじめてでした。一生懸命に働いてくれている従業員に賞与であれ払うべきものが払えないということがこんなにも自らの心身を苦しめるものだということ、経営者の責任の重さを肌身で実感した出来事でした。
そして、私の人生において最もつらい出来事が2020年5月です。それまで病気一つすることなく元気だった母親に病気が見つかり、余命1ヶ月、父を追いかけるようにして亡くなりました。
神様はこんなにも次から次へと私に試練を与えるのだろうか・・・ 母を亡くし心にすっぽりと穴があき、空虚な時間は三回忌が終わるまで続きました。
私にとって社内木鶏会とは
創業者が亡くなってから今日までの5年間は逆境続きでしたが、毎月手元に届く『致知』に登場する各界の様々な方々の言葉、その一つ一つが私に大きなエネルギーを与えてくれていたことは間違いありません。同時に、毎月継続して取り組んでいる「社内木鶏会」も同様です。素心の心で自らの考えをきちんと言葉に表して伝え、従業員からもらう言葉から勇気づけられ、それが経営者としての自信へと繋がっています。また、それらの言葉によって逆境に屈することなく、常に前を向くことができています。
創業者が遺した「大切なものを残し続けていってほしい」という言葉からは、毎日興業が50年間の歳月をかけて磨き続けている”もの”が理念であり、私どもの哲学となり、言わば”経典”なのだと感じています。この”経典”を大切に扱い、読み解き、未来に向けて創り続けて言葉として残していくことが私の役目であると日々考えています。仕事では日々本当に様々な出来事に直面します。その都度、高い倫理観と心持ちを持ったなかで善処高所から対処していくためには、自我を抑え、”経典”となる会社の哲学を軸にした上で判断していくことが必要です。常に善良な心がけで思考し、実践することが必要です。弊社が永続していくためには、この”経典”を創っていくこと、このことこそが創業者の言葉を伝承する方法だと思います。
私にとって、『致知』や「社内木鶏会」は、常に善良な心がけに自らの軌道を戻してくれる「人生の師」でもあります。今まで20年に渡り購読し、19年間社内木鶏会に継続的な取り組みの中で素晴らしい言葉に触れ学んできたおかげで、今まで見えなかった世界がどんどん開けて、自らの心がどんどん豊かになっていることを実感します。今の私は、このことを1人でも多くの方に伝えていくことも自らの役目であると認識しています。
今日も、明日も、そっと。
最後に、「一燈照隅」、これは致知を通して出会った言葉の中で私の座右銘です。
従業員が幸せでお客様や地域市民の方々が幸せを実感できる、そのような良い会社に毎日興業を磨き上げ、創っていくことが私の夢です。現在当社では、グループ会社6社約500名で毎月「社内木鶏会」を開催しております。この冬には、協力会社100社の社長や幹部といっしょに「合同木鶏会」も計画しています。木鶏会を導入するきっかけとなった言葉、「仕事は人格の反映である」。弊社にご縁をいただいたお客様や地域の方々を幸せにしたい、そのためには私たち一人一人が人格を高め、人間的に成長し、幸せになることがまず初めです。夢にむかって、まずは私自身が自らの足元をきちんと照らせるよう、『致知』や「社内木鶏会」からの学びと実践をこれからも重ねながら精進して参ります。
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