2026年05月10日
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高校サッカー界において4回の全国制覇を成し遂げ、これまで輩出したJリーガー数で日本一を誇る前橋育英高校男子サッカー部。しかし意外にも、山田耕介監督が着任した44年前の同部は、リーゼント頭の部員がたむろするような状況だったといいます。「ここで監督を続けるのは無理だ」と挫折しかけたという衝撃の幕開けから、いかに全国屈指の強豪校へと育て上げたのか。強豪校としての伝統を一から築いてきた氏に、同部の強さの秘訣を伺いました。
(本記事は『致知』2026年5月号インタビュー「Never never never Give up」より一部を抜粋・編集したものです)
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Jリーガー輩出数日本一 強さの秘訣は人間力にあり
──山田監督の率いる前橋育英高校サッカー部は4回の全国制覇を果たし、Jリーガー輩出数で日本一を誇るそうですね。その強さの秘訣はどこにあるのでしょうか。
<山田>
これまで130人を超える選手がプロの世界に巣立っていきました。我が部には皆サッカーが好きで入部してきます。それまでサッカーの楽しさを感じながら生きてきたのに、高校生活で燃え尽きては絶対にダメ。将来どんな道に進んでも、サッカーを大好きでいてほしいと思っています。
しかし、和気藹々とすることを目的にしたら、絶対に強くなりません。共通の目的は勝つことで、そのために選手同士が本気でぶつかって、互いを認め合う。そうして本音で向き合っていくうちに、どんどん一体化していくんです。
──好きなことに本気でぶつかることがチームを一つにしていくと。
<山田>
ええ。だからこそ、指導者である私も本気で選手に向き合わなければいけないと思うんです。
現在の部員数は170人ほどで、そのうち約120人が寮で暮らしています。私は月曜日から木曜日まで寮に寝泊まりし、選手一人ひとりと面談をします。サッカーの話でなくても学校生活や進路についてコミュニケーションを取りながら、状況に応じて必要な言葉を掛けるように苦心してきました。
──前橋育英高校サッカー部の生活サイクルを教えてください。
<山田>
毎朝6時に起床し、6時15分からの点呼で一日が始まります。その後学食で朝食を取り、選手たちは7時20分から40分間体幹トレーニングに励む。その間にコーチ陣はミーティングを行い、練習メニューを組み立てます。
午後から専門実技の授業になる水曜日と金曜日は試合映像を見返して、よかった点と改善点を話し合ったり、対戦相手を分析したり。放課後の全体練習は量より質を追求して2時間で終え、自主練でそれぞれの課題と向き合います。そして土日は試合で、月曜日はオフというのが1週間の流れです。
私は高校生として規則正しい生活ができなければサッカーをする資格はないと考え、チームの規律はもちろん、挨拶から掃除に至るまで日常生活を根気強く指導しています。やはり平素を含めて日本一に相応しいチーム、人間になってこそ日本一になれるんです。
──平素の細かいことを徹底するところから勝利に繋つながるのですね。
<山田>
いつも選手に言うんです。「サッカーが上手? それがどうした」と。何より大事なのは腰から上、すなわち人間力ですよ。
私の考える人間力とは、胆力と包容力があり、自立の精神を持っていること。胆力とは芯の強さ、包容力はやさしさ、気づきの心です。仲間が悩んでいることを察知し、いち早く声を掛けてあげられる人間に育ってほしい。そう願って人間力を伸ばす指導を心懸けてきたところに、前橋育英サッカー部の強さがあるのだと思います。
(本記事は『致知』2026年5月号インタビュー「Never never never Give up」より一部を抜粋・編集したものです)
↓ インタビュー内容はこちら!
◆Jリーガー輩出数日本一 強さの秘訣は人間力にあり
◆恩師・小嶺忠敏先生から学んだこと
◆指導者が本気で選手に向き合っているか
◆就任36年目で掴んだ初の栄光
◆選手の総合力=(技術力+身体能力)×人間力
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◇山田耕介(やまだ・こうすけ)
昭和34年長崎県生まれ。52年島原商業高校サッカー部でインターハイ優勝。57年法政大学卒業後、前橋育英高校に赴任し、サッカー部監督に就任。平成29年度全国高校サッカー選手権で初優勝。令和8年ザスパ群馬のゼネラルマネージャーに就任。過去インターハイ優勝2回(平成21年、令和4年)、全国高校サッカー選手権優勝2回(平成29年度、令和6年度)を数える。著書に『前育主義』(学研プラス)がある。
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