強いチームの共通点——福岡ソフトバンクホークス・小久保裕紀監督が語る

先日、2年連続21回目のパ・リーグ優勝を果たした福岡ソフトバンクホークス。監督としてチームを率いるのは、プロ野球選手として通算400本塁打、2000本安打を達成し、侍ジャパン代表監督としてWBCベスト4に導いた小久保裕紀氏です。選手として、監督として目覚ましい実績を上げてきた氏はいかにして組織の可能性を切り拓いてきたのか。サッカーの元日本代表監督で、現在はFC今治オーナーを務める岡田武史氏と共に、強いチームの共通点について語り合っていただきました。
(本記事は『致知』2025年4月号対談「勝運を掴む」より一部を抜粋・編集したものです)

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強いチームに共通するもの

<小久保>
ホークスはまだ王イズムの継承途上ですが、その前に全員が絶対に守るべきルールを設定して、それを大切にしてもらっています。あの人だけ許されているといった不満が生じて、チームが弱くなっていく経験をしたことがありますからね。

<岡田>
そこはとても大事なところですね。

<小久保>
王さんがいつもおっしゃっていたのは、「主力選手が手本になりなさい」ということでした。そのための共通ルールをきちんと示して、選手のわがままを許すことをなくしました。

選手ファーストをはき違えてはいけないと。チームが選手のわがままに合わせることが選手ファーストではなく、選手がうまくなるために何ができるかを考え、それを提供するのが選手ファーストだと我われは考えています。

<岡田>
よく誤解されるんですが、選手はもちろん自分はこうしたいというものを絶対に持たなければいけません。それが主体性ですね。

そしてもう一つ、多様性を受け入れること。人は皆違うことを認め合って、共通の目的のために落とし所を探っていかなければなりません。そうでないと組織になりませんからね。

僕がこれまでに携わってきたサッカーチームで、全員が仲よしだったところは一つもありません。でもいいんですよ。その代わり、「こいつはどうも好かんけど、パスしたら絶対に点を取ってくれる」というふうに、勝つという共通の目的のためにお互いを認め合わなければいけない。ただ「俺はこうだ」と自己主張を通すだけではダメなんです。

勝つチームを分析すると、必ず一体感があります。ところが一体感を目的にすると失敗する。共通の目的は勝つことで、そのために互いを認め合う。そして実際に勝ち始めたら、どんどん一体化していくんです。


(本記事は『致知』2025年4月号対談「勝運を掴む」より一部を抜粋・編集したものです)

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◆自分で判断できる選手を育てるために
◆あの時に比べたら重圧をはね除けた開幕戦
◆支えてくれた人を喜ばせたい一念で
◆自分のチームという意識を持つ
◆理念を共有することの大切さ
◆強いチームに共通するもの
◆これからはエラー&ラーンの時代
◆主体性を育む指導法とは
◆運を掴むためには
◆感謝が持つ不思議な力
◆豊かな人生を築いていくには

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◇岡田武史(おかだ・たけし)
昭和31年大阪府生まれ。55年早稲田大学政治経済学部を卒業後、古河電気工業サッカー部に入団し、日本代表に選出。引退後は日本代表監督として平成9年W杯フランス大会で日本初の本選出場、22年W杯南アフリカ大会でベスト16。他にコンサドーレ札幌、横浜F・マリノス、中国スーパーリーグの杭州緑城で監督を歴任。26年FC今治オーナーに就任。著書に『岡田メソッド』(英治出版)、共著に『勝負哲学』(サンマーク出版)など。

◇小久保裕紀(こくぼ・ひろき)
昭和46年和歌山県生まれ。平成6年青山学院大学卒業後、福岡ダイエーホークスに入団。15年読売ジャイアンツにトレード。19年古巣の福岡ソフトバンクホークスに移籍。24年現役引退。25年侍ジャパン代表監督に就任。29年3月まで務め、WBCベスト4。令和2年指導者としてホークスに復帰。6年より一軍監督。著書に『開き直る権利』(朝日新聞出版)、共著に『結果を出す二軍の教え』(KADOKAWA)など。

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