観相学の大家・藤木相元さんが語る「よい顔をつくる法則」

顔からその人の素質や性格を割り出す「観相学」で知られる藤木相元さん。達磨(だるま)大師が説いた教えを60年以上も研究してきた第一人者です。藤木さんは、脳をうまく使えば顔相は変わってくると言います。運命を高める「顔と運と人生の法則」とは?

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運は顔が支配する

人生は運であり、運は顔が支配し、顔は脳が育てる――。

達磨大師が説いたこの「観相学」を研究して、もう60年近くになります。

多くの徳人や悪人、成功者たちの顔を見てきて、私はようやく最近大師の教えに ゆるぎない確信を持つようになりました。

人は誰でも、表と裏の面を併せ持っています。日のあたらないところにこそ多くのドラマがあり、味がある。それが如実に表れるのが、顔なのです。

   (中略)

達磨大師は、「肉体は脳の影、現象は心の所見」 といっています。脳には「脳相」があり、これが「顔相」になって現れるのです。

これを受けて嘉祥大師は、

「人生を左右するものは『運』であり、その運を支配するのはである。そしてその顔を作り上げるのは『脳』である」

という理論を打ち立てました。

現在、私の主宰する「嘉祥流観相学」は、この理論を基に脳と顔と運の因果関係を科学的に解明し、観相学を占いのような統計学ではなく、自然科学の学問として方程式化したものなのです。

人の顔や体は、遺伝子によって土台が作られますが、脳はおよそ20年かけて完成します。

その人物がどういう環境に育ったか、どういうことを学んだか、どういうことを考えたかによって、およそ20年かけて相を形成し、これが顔相に影響を与えるのです。

例えば、小さい頃から「聞こう、聞こう」と脳が意識する機会が多いと、耳の血流が増え、次第に耳が大きくなっていきます。

地獄耳といわれた松下幸之助さんの耳は当然大きかったし、幼少期に「人質に出されるのでは」とおびえていた徳川家康の耳が大きかったのも、大人の話に耳をそば立てていたからといえます。

自己主張が必要な環境に置かれ続ければ、多く言葉を発しようとして口が発達します。

勉強や仕事など、何かに一所懸命打ち込むと、前頭葉が活性化しエネルギーが発生するので、額に汗をかき毛根にダメージを与え、結果、額が広くなります。

目や鼻、眉の細部に至るまで、脳の指令が働いていないところはありません。

つまり顔を見れば、その人物のルーツから性格や育った環境、それまでの歩み、そして今後の運など、すべてがわかるのです。

偉人になる人の顔の特徴

私は松下さんをはじめ、井深さんや本田宗一郎さんなど、日本を世界に名立たる経済大国にまで成長させた多くの偉大な人たちの表の顔や横顔、裏の顔に至るまでを垣間見てきました。

顔のプロとして見るならば、彼らの顔は、大きく2種に分類できます。

一つは「牛顔」です。えらがクッと張り顎が発達した四角い顔。松下さんも井深さんも、この類に属します。

そしてもう一つが「馬顔」。小泉純一郎首相やアメリカのブッシュ大統領のように、えらが発達していない顔です。

このタイプは、論理的で、イデオロギーを盾にガンガン前に突き進んでいきますが、気がつくと誰もついてきていない、ということが間々あります。

参謀なら大成功を収めますが、リーダーになるとさまざまな問題が生じてしまいます。

また私は常々、「お嫁さんにするならえらの張った女性」といいます。

強い意志を持って男を支え、ときに叱咤激励しながら男の心を燃え上がらせる「はげまし顔」の女性。

人の心をつかみ、勇気や希望を与える、いわゆる人徳者は、多くが牛顔をしているのです。  

いい顔になる秘訣

まず、いい脳をつくるには、やっぱりいい顔、楽しい顔をすること、その根本はホラを吹くということです。先ほども申したように、ホラとはドリームのことを指し、夢を持つ人間はいい顔をしている。

しかし逆に、脳がアンラッキーな思考をしていると、顔もアンラッキーになる。

例えば、何か失敗をした時に、「しまった」と思ったら、アンラッキーな顔に。結果はどうあれ、「楽しい」と思ったら、気分が高揚して顔に光が入る。

要するに顔はすべて脳が作用する。逆に、脳も顔から刺激を受ける。

明るい、いい顔をして鏡に向かっていれば、脳がどんどん磨かれていきます。

もう、おんなじことなんです。脳相一致と言いましてね。両方が一致している、と。脳科学の力によって、額から目から眉から耳から口からすべて分析ができるし、これらのことはすべて脳が作用しているんですよ。

そしてその脳は最初、お母さんのお腹の中でできる。人は10か月間、母親の胎内で育ちますが、生まれると間もなく笑みを見せますよね。あれは脳が笑っているんです。お母さんのお腹の中でできた脳。ここから脳は出発している。

そして3歳になったら、3つ子の魂といわれるように、自分は自分だ、という猛烈な我ができるわけです。

あれが欲しい、これを買え、買ってもらうまで帰らないと言い出す。自己主張と自己発見、要するに我というもの。この時期に親が一つでもつまらんことを口にしたら、将来その子は大物になれません。

例えば「うちの父ちゃんは甲斐性がないから、私たちは貧乏してるのよ」と口にする。その瞬間、子供はげっそりして将来を見失う。

そこで必要になるのが、ホラです。お母さんが「いまは辛抱しなさい。おまえが10歳になったら、父ちゃんがデパートごと買うと言ってたよ」って。これがホラだということは、3歳の子供には分かりませんから。

後々、物心がついてくると、あぁ、お母さんは自分をそうやって宥(たしな)めてくれたんだと、10歳にもなれば分別ができるようになり、そして母親のことまで尊敬するようになります。


(本記事は『致知』2004年12月号、2013年10月号より一部を抜粋・再編集したものです

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◇藤木相元(ふじき・そうげん)
大正12年兵庫県生まれ。昭和19年日本大学在学中に学徒動員で入隊。沖縄戦に参加。23年壬生寺にて在家得度。26年松下幸之助氏の支援で聴講委託生として東京工業大学入学。30年藤木研究所設立。松下中央研究所ほか多くの企業の新製品開発に当たるとともに、観相学の科学的究明を行う。40年嘉祥流観相学会を組織。著書多数。平成26年逝去。

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