夢を持ちましょう/小さな夢でいいのです


本誌でお馴染みの仏教詩人・坂村真民さん。

その晩年を誰よりも近くで過ごした
三女・真美子さんに語っていただきました。

真民さんが最後の詩となった
「生きること」とは。

────────[今日の注目の人]───

★ 願い続けた「百歳の円相」 ★

西澤 真美子(坂村真民氏のご息女)

※『致知』2016年7月号【最新号】
※連載「致知人間学講演会」

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最後に父の晩年のことをお話しします。

父の最後の詩は「生きること」でした。



わたしの信仰は
生きることでした
詩をかきながら
懸命に
生きることでした

二度とない人生を
どう生きるか
これは人間
最大の問題です
男・女の区別は
ありません
夢を持ちましょう
小さい夢でいいのです



この夢というのは、
どんな小さくてもいいから、
自分の花を咲かせようというものでした。

皆さんに咲かせてもらいたい。

そしてそのために自分の詩が
お役に立てればと思っていたのです。

一遍上人さんは
「南無阿弥陀仏」ですから、
人々を浄土に送る。


でも父は、現実の生活の中で
生きる力がなくなった人に、
もう一度生きる力を持つように、
悲しみばかりの人に
何か胸に希望を持つようにと、
詩に願いを託したのです。

これが父の大願でした。

そのために父は詩を書き続けました。


老いるというのは
大願がなくなることだと、
父は言っていました。

その大願を父は最後の
最後まで持ち続けたのです。


また、父は「百歳の円相」と
いうことをよく言ってしました。


この話は

「人間いつかは終わりがくる。
前進しながら終わるのだ」

という真民詩を自ら実践し続けた
ことのよい証明になると思うので、
ご紹介したいと思います。

円相というのは、
立派な老師様が書かれる円です。

その円は、その人すべてが
表れるものだと言われています。

父は円相が書けるように
なりたいと言っていたのです。

私の記憶では77歳頃の円相を
見た記憶があるので、
その当時から円相を書くように
なっていたのでしょう。

そして97歳になっても「百歳の円相」を
書きたいと言っていました。


なぜ「百歳の円相」なのかと言うと…




※願い続けた「百歳の円相」に隠された
 坂村真民氏の思いとは。

 これが初めてとなった西澤さんの
 講演録の続きは本誌でお読みください!

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