導入企業の声　株式会社トーカイ

企業プロフィール

株式会社トーカイ
代表取締役社長　小野木孝二様

事業内容／健康生活サービス・調剤サービス・環境サービス・その他
設立／1955年7月
本社／岐阜県岐阜市若宮町九丁目十六番地
社員数／3971名

コミュニケーションが職責と部門を超えて活性化

　私は、人間の一番の財産は人脈だと考えています。どん底の私を救ってくれたのも人脈でした。
　当社は一九五五年、地元岐阜県で寝具のレンタル業を始め、病院リネンサプライや介護用品のレンタル、調剤薬局の経営など、多角的に業容を拡大してきました。
　しかし、私が義父の後継で社長に就任した一九九八年当時、会社は厳しい経営環境下にありました。懇意にしていただいている経営者の方が心配し、「よい本があるから、読むといいですよ」と紹介してくださったのが『致知』でした。
　眠れない夜にページを開くと、肚に落ちる言葉が次々と目に飛び込んできて、前へ進む勇気を与えてくれました。私はそれらをまとめたものを「言霊集」と名づけて常に携帯し、何度も読み返してきました。社長就任時の試練を乗り越え、きょうまで経営の重責を担うことができたのは『致知』のおかげであり、『致知』とのご縁をもたらしてくれた人脈のありがたさを、心から実感しています。
　当初は一人で読んでいましたが、ぜひとも会社の仲間と学びを分かち合いたいと考え、二〇〇六年に役員と読書会を始め、二〇一〇年には課長職以上の幹部も交えて正式に社内木鶏会をスタートしました。
　当初は反発もありましたが、回を重ねることで『致知』のよさを皆が理解してくれるようになりました。「もっと若い時に出合いたかった」という声を受け、二〇一五年からは課長職未満の若手社員も加えて会を再編成。そこに課長職以上に加わってもらい、各々の人生経験を踏まえたアドバイスをしてもらうようにしたのです。
社内木鶏会を始めたおかげで、職責や部門の壁を越え、縦と横のコミュニケーションが活発に行われるようになりました。私自身にとっても、普段接触の少ない若い社員の人柄を知り、考えを聞ける貴重な場になっています。
このコロナ禍で、一時は休会も考えましたが、思い切ってオンラインで開催を続けたことにより、これまで参加できなかった支店の社員も加わり、会社の一体感をさらに向上させることができました。

困難な時こそチャンス

社内木鶏会は、本音を話す会だと私は考えています。建前を話している社員には、自分を見つめ、思うところを率直に述べるよう求めます。たとえピンとくる記事がなくても、他の社員の感想に触発されて新たな気づきを得られたり、自己肯定感の低い若手社員が、美点凝視でどんどん元気になり、仕事でも力を発揮するようになるのは社内木鶏会ならではの効果です。
社員には常々、前向きな心、他責ではなく自責で問題と向き合う姿勢、そして感謝の念を養ってほしいと願っています。この頃では、困難な時こそチャンスと考える社風が着実に醸成されつつあり、社内木鶏会を十年継続してきた手応えを感じています。
社是に「清潔と健康」を掲げる当社が果たすべき役割は、このコロナ禍の中でますます重要性を増しています。また、主業務の一つである福祉用具のレンタルは、ご高齢者の自立を支援するサービスであり、今後一層の需要拡大が見込まれています。
人と人が触れ合う機会に乏しくなったいま、当社は社内木鶏会を通じて互いの絆をさらに深め、全社一丸となって一層の社会貢献を果たしていく考えです。