去る令和4年8月24日、京セラ名誉会長・稲盛和夫氏がご逝去されました。享年90でした。

稲盛氏は京セラやKDDIを創業し、それぞれ1兆円、5兆円を超える大企業に育て上げ、倒産したJALの会長に就任すると、僅か2年8か月で再上場へと導きました。功績はそれだけに留まりません。
中小企業経営者の勉強会「盛和塾」の塾長を務め、1万人以上の経営者から師と仰がれている他、日本発の国際賞「京都賞」を創設し、人類社会に多大な貢献をもたらした人物の顕彰にも尽力されました。

ご生前の多大なるご功績及びご厚情に衷心より感謝を捧げると共に、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

稲盛氏と月刊『致知』との出逢いは、いまから35年前。
以来、折に触れて様々な方との対談やインタビューにご登場いただくのみならず、たくさんの書籍の刊行、数々のご講演を賜りました。

また、人の心に焦点を当てた編集方針を貫く『致知』を高く評価、応援してくださり、その期待を込めたメッセージに支えられてきました。
これまでの35年間の感謝の思いを込めて、『致知』2022年12月号(11月1日発行)では稲盛和夫氏の追悼特集号を発刊します。

最新号 2月1日 発行/ 3 月号


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  特集「追悼 稲盛和夫」反響多数!
~稲盛流成功哲学が凝縮された永久保存版~

稲盛和夫さんの追悼特集号を組むことが決まったのは、8月末、訃報に接した直後でした。

本誌主幹を中心に編集部が総力を挙げて企画を練り、京セラ㈱稲盛ライブラリーの
全面的なご協力のもと、稲盛さんの講演録や本誌最後のインタビューといった貴重な肉声はもちろんのこと、稲盛さんと特にご縁の深かった各界の方々に取材をさせていただき、発刊の運びとなりました。


稲盛さんと弊誌の出逢いは、いまから35年前。

そのきっかけをつくってくださったのがTDK中興の祖と呼ばれた素野福次郎先生です。

素野先生は『致知』の熱心な愛読者で、「これからの日本に一番大事なのは人材教育だ。そのためには『致知』を社長に読ませなくてはいけない」と巻き紙の手紙を添え、身銭を切って約250名の企業経営者に『致知』を1年間贈呈してくださいました。その中の一人に稲盛さんがいらっしゃり、ご縁ができたのです。


以来、7回にわたり表紙を飾っていただき、創刊20周年から40周年まで、5年ごとの周年行事には必ず『致知』への期待を込めたご祝辞を直接間接に頂戴しました。

稲盛さんが応援してくださっていた『致知』を今後さらに充実した内容にし、世の中に人間学を広め伝承していくこと。
それが本誌の責務であり、多大なるご厚情を賜った稲盛さんへのご恩返しと受け止め、ここに特集「追悼 稲盛和夫」を発刊しました。

注目のラインナップ

○特別講話

「人は何のために生きるのか」稲盛和夫

盛和塾生の経営者のみならず、一般の方々にもよりよい人生を歩んでいただきたい――。そんな稲盛さんの想いにより実現した盛和塾主催の市民フォーラムは、2002年から2016年にかけて、日本・海外の各地で累計10万人もの人々を動員しました。

とりわけ、20131029日に大阪国際会議場で開催された講演会には2,500名を超える参加者が集い、ホールに入りきらない人々が別室モニターから聴講するほどの熱気に溢れ、「人が自ら運命を創り、素晴らしい人生を生きるためのヒント」が語られたといいます。これまで門外不出だった珠玉の名講話がこのたび本誌で初公開されました。

○対談

「稲盛さんに学んだリーダーの条件」

伊藤謙介(京セラ元社長)×小野寺正(KDDI元社長)

京セラとKDDI。稲盛さんが創業した両社は現在、数兆円規模の大企業へと成長しています。それぞれの創業期に稲盛さんと共に会社を盛り立ててきたのが伊藤謙介さんと小野寺正さんです。

「いまはとにかく寂しい、残念」。伊藤さんのこのひと言に始まり、創業の苦楽を共にしてきたお二人ならではの逸話が数多く披露され、稲盛さんの偉大さを改めて実感させられました。長年稲盛さんの謦咳に接し、その人柄を熟知するお二人だからこそ語ることのできる稲盛さんとの思い出、エピソード、稲盛さんに学んだリーダーの条件のお話に興味は尽きません。

○インタビュー

「後世に伝えたい稲盛さんの創業者魂」

永守重信(日本電産会長)

共に京都の地で会社を興し、一代で日本を代表する1兆円企業へと導いてきた二人の経営者がいます。稲盛和夫さんと永守重信さん。同じ申年生まれで年齢はひと回りの差があり、永守さんは常に稲盛さんの背中を追いかけ、目標として仕事に邁進してきたといいます。

永守さんは現在、多忙で取材は断っているものの、稲盛さんに関する取材だけは受けるとのことで時間を捻出してくださいました。稲盛さんが亡くなられたいま、永守氏は何を思い、これからどう歩んでいこうとしているのか。約40年に及ぶ稲盛氏との付き合いの中で受けてきた影響を交えつつ、胸の内を明かしました。創業経営者としての迸る情熱や気魄と共に、時に垣間見える少年のような眼差しから、稲盛さんへの深い敬慕の念が伝わってきます。

「我が心の稲盛和夫」

このコーナーには稲盛さんとゆかりのある9名の方にご登場いただきました。

五木寛之さん(作家)
柳井正さん(ファーストリテイリング会長兼社長)
村田純一さん(村田機械会長)
門川大作さん(京都市長)
清水新一郎さん(日本航空副社長)
伊藤雅章さん(京都サンガF.C.社長)
武隈晃さん(鹿児島大学 稲盛アカデミー長)
曹岫雲さん(稲盛和夫〔北京〕管理顧問有限公司董事長)
大田嘉仁さん(日本航空元会長補佐専務執行役員)

いずれのお話も胸を打たれずにはいられません。

○対談

「稲盛さんに教わった人生で大切なこと」

岡田武史(FC今治オーナー)×栗山英樹(侍ジャパントップチーム監督)

稲盛さんの生き方・哲学を学んでいるのは経営者やビジネスパーソンだけではありません。スポーツ界もその一つです。

サッカー界で活躍する岡田武史さんは稲盛さんと親交があり、監督時代に盛和塾へ入塾するほどの熱の入れよう。野球界で活躍する栗山英樹さんは稲盛さんに私淑し、著作を通してその哲学を学んできました。

そんなお二人は指導者として、どのように稲盛哲学をチームマネジメントに生かしてきたのでしょうか。笑いあり、学びあり、感動ありの稲盛さん談義から、職業のジャンルを越えて真に人を導く者のあり方が見えてきます。

○座談会

「我ら、かく稲盛フィロソフィを学び、経営を発展させてきた」

十河孝男(徳武産業会長)×小池由久(日本経営HD名誉会長)×濵田総一郎(良知経営社長)×京谷忠幸(ピーエムティー社長)

稲盛さんには経営者の顔だけではなく、後進の中小企業経営者を育成する教育者としての側面もありました。地元京都の若手起業家から生きた経営哲学を学ぶ勉強会を開催してほしいと懇願され、これまでお世話になった方へのご恩返しとしてボランティアで始めたのが盛友塾(後の盛和塾)です。

1983年から2019年の解散まで36年にわたって指導を続けました。稲盛さんを師と仰ぐ盛和塾生は約15,000名に及びます。

中でも稲盛さんや弊誌と縁の深い徳武産業会長の十河孝男さん、日本経営HD名誉会長の小池由久さん、良知経営社長の濵田総一郎さん、ピーエムティー社長の京谷忠幸さんの4名に、厳しくも慈愛に満ちた稲盛さんの教えを語り合っていただき、3時間超に及んだ白熱の座談会をギュッと凝縮してまとめました。

○アーカイブ/インタビュー

「利他の心こそ繁栄への道」稲盛和夫

2018年5月号特集「利他に生きる」の巻頭を飾り、本誌最後の取材となった貴重なインタビュー記事をここに再録しました。単なる復刻版ではなく、中面に掲載している写真を大幅に差し替え、デザインを刷新していることもポイントの一つ。

取材当日、与えられた時間は60分。体調が芳しくないため、30分ほどで打ち切りになるかもしれないと側近の方から伝えられていました。しかし、本誌が質問を発するごとに、どんどん稲盛さんの表情がほぐれ、生気が漲り、時には満面の笑みを、時には真剣に質問の答えを考えられる仕草を見せられ、実際には1時間15分に及ぶ白熱の取材に。側近の方が「これだけ長い時間の取材に応じ、こんなに笑顔の稲盛を見たのは久しぶりです」と驚嘆するほどでした。

そこで語られた内容は、京都賞を創設した理由、京都賞受賞者の共通点に始まり、松風工業での修業時代の日々、そこでの転機と心掛け、京セラ創業のドラマ、経営理念に込めた思い、さらには働くことの大切さ、盛和塾で訴えかけていること、KDDI創業の経緯と成功秘話、JALを奇跡の再生に導いたカギなど、稲盛さんの生き方・働き方・考え方のエッセンスが鏤められています。

稲盛さんが説き明かした「人生と経営」、そして「繁栄への道」――。そのすべてが「追悼 稲盛和夫」には込められています。ぜひ本誌をご覧ください。

最新号 2月1日 発行/ 3 月号

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編集長手記/特集「追悼 稲盛和夫」に込めた思い




稲盛和夫さんに初めて『致知』にご登場いただいたのは、昭和62年(1987)2月号。以来、稲盛さんは30年以上にわたって『致知』を応援してくださり、『致知』は数々の節目で稲盛さんの言葉に支えられてきました。稲盛さんが『致知』に贈った珠玉のメッセージをご紹介いたします。

人の心に焦点をあてた編集方針を貫く『致知』は際だっている

「致知出版社の前途を祝して」平成4年(1992年)

昨今、日本企業の行動が世界に及ぼす影響というものが、従来とちがって格段に大きくなってきました。日本の経営者の責任が、今日では地球大に大きくなっているのです。
このような環境のなかで正しい判断をしていくには、経営者自身の心を磨き、精神を高めるよう努力する以外に道はありません。人生の成功不成功のみならず、経営の成功不成功を決めるものも人の心です。
私は、京セラ創業直後から人の心が経営を決めることに気づき、それ以来、心をベースとした経営を実行してきました。

経営者の日々の判断が、企業の性格を決定していきますし、経営者の判断が社員の心の動きを方向づけ、社員の心の集合が会社の雰囲気、社風を決めていきます。このように過去の経営判断が積み重なって、現在の会社の状態ができあがっていくのです。そして、経営判断の最後のより所になるのは経営者自身の心であることは、経営者なら皆痛切に感じていることです。
我が国に有力な経営誌は数々ありますが、その中でも、人の心に焦点をあてた編集方針を貫いておられる『致知』は際だっています。日本経済の発展、時代の変化と共に、『致知』の存在はますます重要になるでしょう。創刊満十四年を迎えられる貴誌の新生スタートを祝し、今後ますます発展されますよう祈念申し上げます。

日本航空の再生にも似て、まさに心の面からの社会改革

「35周年に寄せて」平成25年(2013年)

月刊『致知』創刊35周年、おめでとうございます。日本人の精神的拠り所として、長きにわたり多大な役割を果たしてこられたことに、心から敬意を表します。
我々は戦後、焦土と化した国土に立ち、経済成長を第一義として、ただ懸命に働いてきました。そして物質的な豊かさは獲得したものの、精神的には日増しに貧困の度を深め、それが昨今の荒廃した世相をもたらせている根本原因ではないかと危惧しています。

その中にあって『致知』は、創刊以来、人間の善き心、美しき心をテーマとする編集方針を貫いてこられました。近年、その真摯な姿勢に共鳴する読者が次第に増えてきたとお聞きしています。それは、私が取り組んでまいりました日本航空の再生にも似て、まさに心の面からの社会改革といえようかと思います。
今後もぜひ良書の刊行を通じ、人々の良心に火を灯し、社会の健全な発展に資するという、出版界の王道を歩み続けていただきますよう祈念申し上げます。

日本人の心の拠り所、そして人間の善き心、美しき心に光を当てる良書

「40周年に寄せて」平成30年(2018年)

心を高める探求誌『致知』、創刊40周年おめでとうございます。
心を高める、とはどういうことなのか。それは生まれたときよりも少しでも美しい心を重ねつつ、生ある限り生き抜くことだと考えています。また、そのような美しい心へと、もって生まれた自分の心を変化させていくことこそが、我々が生きる目的です。

さまざまに苦を味わい、悲しみ、悩み、もがきながらも、生きる喜び、楽しみも知り、幸福を手に入れる。そのようなもろもろの様相を繰り返しながら、一度きりしかない現世の生を懸命に生きていく。その体験、その過程を磨き砂として己の心を磨き上げ、人生を生ききる。その道標としての存在が『致知』にはあると思います。
日本人の心の拠り所、そして人間の善き心、美しき心に光を当てる良書として、今後も燦然と輝き続けることを心より願っております。

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