致知社員が選ぶ!365教科書シリーズ「1日1話、私のイチオシ」vol.4

社員の日常

2020年末に第1弾が発売されて以来、いまも連日、読者の皆様から感動の声が寄せられている「1日1話、読めば心が熱くなる365人の教科書」シリーズ。
わずか1ページの分量でありながら、一つひとつのお話には、胸が熱くなる感動が詰まっています。
全部で730あるお話の中で、皆さまの心に最も深く残ったのは、どのお話だったでしょうか?

「1日1話、読めば心が熱くなる365人の教科書」シリーズの中から、致知出版社社員が特に心に残った記事と、その感想をシェアしていきます。

『1日1話、読めば心が熱くなる
365人の仕事の教科書』

8月28日 困難は解決策を連れてくる
―川勝宣昭 (DANTOTZ consulting 代表)

日本電産芝浦が業界首位に立ち、なお成長軌道に乗ったところで、私は2社目の再建を命ぜられました。5年前と同じように、ある日突然派遣が決まったのです。その会社はエレベーターの速度制御機をつくるネミコンという社名で、規模こそ1社目より小さいものの、再建への道のりは遙かに難しいものとなりました。会社規模は従業員が100名程度で、売り上げ約40億円に対して年間8億円の赤字で、永守重信社長から与えられたテーマは、やはり1年以内の黒字化です。なぜ難しいかと言えば、新しい速度制御機をエレベーター製作会社に採用してもらうには、試験期間に最低1年を要するという慣行がありました。そのためいくら新規の営業に走り回ったり、製品開発に力を注いでも、1年以内の売り上げ増に繫がらない状況にあったのです。

悩んだ揚句に国内市場から目を転じ、注目したのが当時開発ラッシュの続く中国市場でした。調べてみたところ中国ではエレベーター製作会社の社長に自社製品を気に入ってもらえれば、僅か1週間で採用が決まるというのです。すぐに中国市場に打って出たことで、翌月から売り上げ増が見込めるようになりましたが、すぐに手放しには喜べないことが分かりました。なぜなら中国の相手企業から支払いがなされないばかりか、手形制度が存在しないため訴訟に持っていくことすらできないという状況に直面したのです。

この時も必死に打開策を探し求めた結果、上海にある国営商社と組み、そのナンバー2を動かすことで相手企業に代金を支払わせることができました。中国では企業と企業よりも、人と人との関係が大きなウエートを占めているのです。中国とはそういう商習慣の国なのです。こうして八方手を尽くすことで黒字化への道筋をつけたわけですが、いかに困難な状況においても何かしら行動を起こせば解決策は必ず出てくるというのが、日本電産で得た一番の教えだったかもしれません。

「困難は解決策を連れてくる」これは永守重信社長の言葉の中で私が最も感銘を受けたものの一つで、これに関連してこんな話をしてくれたことがありました。
「向こうから困難さんがやって来る。誰でも困難からは逃げたい。だから君も困難から逃げたいだろう。しかし困難さんから逃げてみろ。困難さんは脇を通り過ぎて行くが、ひょっとその背中を見たら、後ろに『解決策』というリュックを背負っているじゃないか。逃げたら解決策も逃げて行くんだぞ」生きた教訓とはこういうものかと思ったものです。

致知出版社 社長室 小鶴知子

日本電産の永守重信社長の部下だった川勝氏が、永守社長から言われて生きた教訓とした言葉です。
藤尾社長も、困難を大変だと思うのと、解決策を連れてやってくると思うのとでは全然違ってくると、この言葉の価値を話され、大きな示唆をいただきました。
困難な状況をあいまいに受けとめていて、明確な言葉をもっていないことに気づいたからです。

困難から逃げてはいけないと思いがちでしたが、困難は解決策を連れてくるという言葉の方が、勇気づけられ、解決策の糸口を担ってくれます。
言葉の使い方に注意を高めることのできた言葉です。

皆様の感想を募集します!

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◆募集内容
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