一家で言えば父親、
会社で言えば社長などリーダーの正しい在り方と、

一家で言えば母親、
会社で言えば№2など補佐役の正しい心得を説く

講師:東洋思想研究家 田口佳史

【本講座のポイント】

『書経』を読めば、『論語』をはじめとした四書五経の理解がより深まる
どんな難解な古典も田口先生の手にかかれば面白いほどよく分かる


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田口先生と『書経』との出会い

中国古典の代表格である四書五経。その中でも『論語』や『大学』『孟子』などは多くの日本人によって読み継がれてきましたが、今回田口佳史先生が取り上げる『書経』となると、ほとんどの方がどんな内容かと首をかしげるのではないでしょうか。

ところが、田口先生はこう断言されています。『書経』は儒教の根本思想である。儒教の根本である『書経』を知らずして、儒家思想を語ることはできない、と。『書経』を読めば、他の四書五経をより深く理解できる。中国古典がもっと分かりやすくなる、もっと面白くなるというのが田口先生のご意見です。

田口先生がそうおっしゃるには理由があります。先生がまだ三十代半ばの頃のこと。ある方から、「あなたは五経の中で何を読んでいますか?」と聞かれたので、「『易経』は興味があったので読んでいます。それから『春秋』と、時折『詩経』を」と答えられました。

すると、その方は「肝心なものを読んでいないじゃないか」と立腹され、「まず『書経』を読んでから他の五経を読み、それから四書を手掛けなければダメだ」と、ひどく叱られたというのです。

その方の助言のままに、すぐに『書経』を紐解かれたという田口先生。するとどうでしょう。単なる食わず嫌いだったと気づかれたそうで、実際に読み進めていくうちにどんどんその内容に引き込まれていったそうです。

人間そのものを説いた『書経』の魅力

『書経』には主に中国の古代の王、堯・舜・禹などの功績が事細かに書かれていますが、最も注目すべきは、その記述の方法にあると田口先生は言います。古代の王たちの生の声がセリフ調で書かれているため、読み手の目の前で古代の王たちのやり取りが行われているような錯覚を覚えるというのです。

しかも、古代の名立たる王たちが、人間誰しもが持つリアルな悩みを吐露されているなど、庶民大衆と王侯貴族との間に横たわる人間の根源的な問題が実に見事に浮かび上がってくるというのです。

また、『書経』に記されていることは政治論をはじめ、人生論、経営論、組織論、ひいては心理学に至るまで実に多種多様です。現代は学問を縦割りにして、政治なら政治、経営なら経営と線引きしがちですが、人間の営みというのは簡単に割り切れるものではありません。それに比べて『書経』は人間そのものを説いている書物であって、学問形態を360度感覚で学べることができるのです。



横井小楠との出会いが『書経』との新たな出合いに

田口先生は『書経』との出会いを機によって同書を深く学ばれ、過去には講義でも度々取り上げられてきたそうですが、近年、幕末の雄・横井小楠の研究を行う上で、新たな気づきを得られたといいます。横井はその生涯において、『書経』を徹底的に読み込んでいたことから、その解釈も大変深く、田口先生は大きな衝撃を受けられたそうです。

自分の解釈はまだまだ足りなかったと発奮された田口先生は、それ以降、横井の努力に負けないようにと『書経』の深読みを始められたといいます。深読みとは具体的に言うと、書かれている漢字一文字一文字の意味を吟味することで、その深読みを続けていく中で、新たな発見も数多くあったそうです。

今回の講義では、田口先生が『書経』の深読みを通じて得た新たな知見、そして『書経』にこめられた先人の知恵を惜しみなくお伝えしていただくことになっております。

どんな難解な書物も、誰にでもわかりやすく話すこと、そして、一人でも多くの人に東洋思想の魅力を伝えること。この二つを信条とする田口先生の新講義。皆さまご一緒に勉強できれば幸いです。


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講師:田口 佳史(東洋思想研究家)

昭和17年生まれ。老荘思想研究者。一般社団法人「日本家庭教育協会」理事長。一般社団法人「東洋と西洋の知の融合研究所」理事長。「杉並師範館」前理事長。株式会社イメージプラン代表取締役社長。

大学卒業後、日本映画社に入社。映画『東京オリンピック』チーフ監督参加。25歳の時、タイのバンコク郊外で瀕死の重傷を負い、奇跡的に生還。その後、中国古典思想に出会い、経営指導に転身。昭和四十七年、株式会社イメージプラン設立。以来30数年間で2000社以上に企業変革指導を行う。

また、中国古典を基盤としたリーダー指導によって多くの経営者と政治家を育てた。企業、官公庁、地方自治体、教育機関など全国各地で講演講義を続け、一万名を越える社会人教育の実績がある。


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