「帝王学の書」として日本でも古くから読み継がれ、
北条政子や徳川家康といった
長期政権の土台を築いたリーダーたちも
深く帰依したという中国の古典、
『貞観政要(じょうがんせいよう)』。

そこに記されているのは、300年という長期政権を実現した
唐王朝の発展の基礎を築いた
2代目・太宗(たいそう)とその家臣との間で
交わされた白熱した問答の数々です。

本CDは、東洋思想研究家の田口佳史先生による渾身の連続講座
「人生と経営の極意を『貞観政要』に学ぶ」(全5講)を
完全収録した全5巻、収録時間約11時間の古典講座です。


【CD】人生と経営の極意を『貞観政要』に学ぶ
講師:田口 佳史 収録時間/約11時間

≪収録内容≫
【第1講】自己人生と自社のより良いリーダーとなる為に
―創業と守成のどちらが難しいかから、
 嫌なことを言ってくれる部下の求め方までを知る。

【第2講】いかに心を統御するか
―破綻はちょっとした心の迷走から生じるといわれているが、
 心を自己制御するとは何か。

【第3講】良い部下と悪い部下を明確に知る
―人生にも経営にも優秀な側近軍団が不可欠だから、
 その為の人物鑑定の極意とは何か。

【第4講】平穏無事が長く続く要点
―理想の治世と讃えられた貞観の治とは
 どの様な政治によって成り立っていたのか。

【第5講】何故もの事は中途半端で終わるのか
―永続することの難しさは、歴史を見れば明らかだが、
 その陥り易い罠と、その対処法を知る。





帝王学の書『貞観政要』を学びたくなる4つのポイント

長い中国の歴史の中で名君と謳われた人物が二人いました。一人は清王朝の雍正帝(ようせいてい)、もう一人が唐王朝の太宗です。太宗は300年続いた唐王朝の基礎をつくった二代目皇帝で、本講座のメインテキストとなる『貞観政要』(全10巻40篇)とは太宗と家臣たちとの間で交わされた対話をまとめたものです。「諫議大夫(かんぎたいふ)」と呼ばれる魏徴(ぎちょう)、房玄齢(ぼうげんれい)、杜如晦(とじょかい)、王珪(おうけい)らの直言を真摯に受け止めながら、常に最善の君主たらんと、自己を律し続けた太宗とのやり取りが克明に描かれた白熱の問答集といってもよいでしょう。

日本に初めて『貞観政要』が伝わったのは桓武天皇の時代に入ってからのことで、以来、歴代天皇をはじめ、北条、足利、徳川といった幕府の為政者たちが「帝王学」の古典として学んできたのです。

田口先生は、『貞観政要』とは「長期政権づくりのコツ」、つまり組織を立ち上げ、長期にわたって安定と平和を維持しながら運営していくために必要な、時代を超えて変わらぬ「組織論・リーダーシップ論の真髄」が語られた書だとしています。

ではなぜ、『貞観政要』は1,000年以上の時を超えて、いまなお読み継がれてきたのでしょうか。その理由として田口先生は、リアルに当時の状況が実感でき、しかも誰にでも分かるように、長期にわたって組織を安定経営するコツが描かれているからにだと言います。実際、太宗は君主となって以来、国力を充実させると同時に、理想的な政治を行い、長期政権の基礎を盤石にしました。その治世は「貞観の治」と呼ばれ、最高の評価を与えられたのです。

ちなみに『貞観政要』を重んじた鎌倉幕府や江戸幕府が100年以上続いたのに対して、『貞観政要』と明らかに関係がなかった織田氏や豊臣氏の時代が短かったのには何らかの相関関係があるようです。特に徳川家康に至っては、『論語』以上に『貞観政要』を重視していたそうです。

ここで注目しておきたのは、太宗という人物は、いわゆる「聖人君子」とは趣を異にしていたということです。リーダーが陥りやすい「落とし穴」に何度も片足を踏み入れそうになるのです。そしてその度に「落とし穴」にはまらないよう家臣たちが意見を述べるのです。そのせいでしょうか。『貞観政要』には古典にありがちな「説教臭さ」があまり感じられないため、私たちも共感するような場面が随所に見られるのです。

『貞観政要』で最も見倣うべきは、太宗が「ご意見番」ともいうべき諫議大夫の直言をよく聞き、怒るどころか心から感謝して受け入れ、改めるべき点を改めたところにあるといえるでしょう。そしてその過程こそが、「長期政権づくりのコツ」を学べることに繋がるのです。つまりは会社経営における安定経営のヒントを学べるのです。

『貞観政要』は古来、君主に対して説かれたものとして、一般庶民には広がりませんでした。しかし、現在では政治体制も大きく変わり、会社組織が多数存在するようになったことから、組織のトップが学ぶべきものとして『貞観政要』を読む価値がどんどん高まっているのです。リーダーとはどうあるべきかを明確に示した『貞観政要』は、時代を超えて、上に立つ者のなすべきことや心得が記された最高の書として今日まで大切に語り継がれてきたのです。

過去の歴史上の偉人たちが真摯に学んできたリーダーのための帝王学の書『貞観政要』。いかに時代を超えようと、その真価はいささかの揺らぎもありません。その要諦を田口先生と一緒に紐解いてみませんか。






田口 佳史(たぐち・よしふみ)

昭和17年生まれ。老荘思想研究者。一般社団法人「日本家庭教育協会」理事長。一般社団法人「東洋と西洋の知の融合研究所」理事長。「杉並師範館」前理事長。株式会社イメージプラン代表取締役社長。
大学卒業後、日本映画社に入社。映画『東京オリンピック』チーフ監督参加。25歳の時、タイのバンコク郊外で瀕死の重傷を負い、奇跡的に生還。その後、中国古典思想に出会い、経営指導に転身。昭和47年、株式会社イメージプラン設立。以来30数年間で2000社以上に企業変革指導を行う。
また、中国古典を基盤としたリーダー指導によって多くの経営者と政治家を育てた。企業、官公庁、地方自治体、教育機関など全国各地で講演講義を続け、10,000名を越える社会人教育の実績がある。


閉じる