『「人に長たる者」の人間学』を購入する

いまなお語り継がれる伝説の講義

碩学・安岡正篤師の高弟として、101年の生涯を古典に学び続けた伊與田覺先生。その学びへの意欲は80歳、90歳と年を重ねても一向衰えることなく、101歳で天寿を全うされる直前まで古典の講座に登壇し、約3時間にも及ぶ堂々たる講義をされていました。

本書『「人に長たる者」の人間学』は、そんな伊與田先生の代表的著作のひとつ。平成16年3月から平成17年2月(89歳~90歳)までの1年間、経営者を対象に伊與田先生が行われた講義をまとめたものです。

7歳の頃から『論語』を欠かさず素読し、80数年学び続けてきた最愛の書であり、「自己を修めるための最高の書」と称した『論語』の魅力と神髄が、余すところなく語られています。

「なんのために学問をするのか」や「人間学とは何か」といった本質的な問いに始まり、「大人と小人を判断する方法」「年齢に込められた意味」「西郷と勝海舟の人物比較」……などなど、書名のとおり、人の上に立つ者の心得や、リーダーシップの要諦が、これほどまで深く、かつ平易に説かれた書物は他にないのではないでしょうか。

一生に一度は読んでおきたい不朽の古典『論語』。初めて学びたい人にも、極めたい人にも、ぜひご一読をおすすめする人間学の名著です。

講義風景

“完熟”の古典の叡智を感受する

初めて伊與田先生の講義を拝聴した時のことは今でも忘れられない。約3時間、立ったまま背筋をピンと伸ばし、粛々と話される。その姿には、長年にわたり、聖賢の学に親しんでこられた人独特の風格、風韻があった。 しかも、それまで古典などにほとんど関心を示さなかったろう中小企業の経営者たちが、吸い寄せられるように耳を傾けている。 真に学問をした人、学問を体に溶けこませるように積み重ねてきた人だけが現出し得る世界が、そこにあった。 (中略)

先生が80数年、学び続け、完熟に近い形にした古典の叡智をいま私たちは感受している。1年間に及ぶ先生の講座は、私をしてそう思わせるものがあった。

――致知出版社社長・藤尾秀昭(本書 あとがきより)

目次
本文

目次

【第1講】成人と人間学――物をつくる前に人をつくる

 ・物をつくる前に人をつくる
 ・人間学とは何か
 ・自己を修めるための最高の書『論語』

【第2講】小人の学――『小学』を読む

 ・小学とは「修身の学」
 ・習慣の意味するところ
 ・人間は躾によって大きく変わる
 ・掃除の習慣が人間の心を育てる
 ・人間関係の根本に礼がある
 ・礼の精神と挨拶の三宜
 ・立ち居振舞いをわきまえる
 ・履物の脱ぎ方は人間のあり方を表す
 ・人間修行は脚下照顧からはじまる

【第3講】大人の学――『大学』を読む

 ・玄徳と明徳
 ・「明徳」とは我らの内の太陽である
 ・明徳を曇らせる我・私心・欲
 ・仁とは「恕」であり「惻隠」である
 ・仁はキリストの愛、仏の慈悲と同じ
 ・天の心、神の心、仏の心を体現する親
 ・大人は何かと一体感を感じる人
 ・「民に親しむ」とは何か
 ・人間社会は相対関係で動いている
 ・至善とは相対を超えた絶対の世界

【第4講】人間の天命――五十にして天命を知る

 ・孔子とはどういう人か
 ・『論語』の広がり
 ・すべての根本は人間教育にある
 ・学んで厭・わず、教えて倦まず
 ・孔子の知り得た天命とは

【第5講】人間の真価――君子固より窮す

 ・「知る」とはどういうことか
 ・真実とは説明できないもの
 ・形なき形が見え、声なき声が聞こえる境地
 ・極限状態での対応で人間の価値が決まる
 ・度重なる「固窮」から生まれた孔子の教え

【第5講】人間の真価――君子固より窮す

 ・「知る」とはどういうことか
 ・真実とは説明できないもの
 ・形なき形が見え、声なき声が聞こえる境地
 ・極限状態での対応で人間の価値が決まる
 ・度重なる「固窮」から生まれた孔子の教え

【第6講】恥と日本人――己を行うに恥あり

 ・「恥」とは白らの内から発生するもの
 ・「心交」と「利交」
 ・すぐれた官吏・政治家の条件
 ・白ら恥じて正していく

【第7講】弘毅と重遠――士は以て弘毅ならざるべからず

 ・「迅雷風烈には必ず変ず」の教訓
 ・「大正」という元号に込められた願い
 ・「士」とはどういう人物か
 ・人生は「耐」の一字にある
 ・広田弘毅と中村重遠の生き方
 ・「任重くして道遠し」のままに生きた松下幸之助

【第8講】君子とは何か――君子はその能無きを病う

 ・「大人」と「小人」を判断する方法
 ・君子型実業家・松下幸之助
 ・君子型偉人の西郷隆盛、小人型偉人の勝海舟
 ・君子は器ではない
 ・徳ある者には地位を、功ある者には賞を

【第9講】道理のままに生きる――死生命あり、富貴天にあり

 ・人間が自由にできないもの
 ・「死生命あり」を実感する
 ・自ら死を考えるのは神への冒漬である
 ・人間的な情理を大切にした孔子
 ・富貴もまた決まったものではない
 ・人間の道を通っていれば安らかでいられる
 ・『中庸」は創造の原理を説いている

【第10講】中庸の道を往く――中和を致して、天地位し、万物育す

 ・機に投ずる
 ・「中庸』の成り立ち
 ・行き方を知るために「教え」を受ける
 ・神道には「教え」がない
 ・独りを慎む
 ・「中」とは平常心をいう
 ・「節に中る」生き方をする

【第11講】孤独と不安――人知らずして慍みず、亦君子ならずや

 ・知られたいけれど知られない孔子の孤独感
 ・日生活の眼目は「克己復礼」にある
 ・「しるし」か現れてくると「本気」になる
 ・君たることの難しさを知る

【第12講】『論語』と現代――『論語』を活かして生きる

 ・年齢に込められた意味を知る
 ・なんのために学問をするのか
 ・武をもって天下を取り、文をもって治める
 ・仁の精神を貫いて生きる
 ・礼の心は「譲る」にある
 ・行いのもとにあるのは義か利か

『「人に長たる者」の人間学』

伊與田覺・著

定価=9,800円+税

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プロフィール

伊與田覺――いよた・さとる
大正5年高知県に生まれる。学生時代から安岡正篤氏に師事。昭和15年青少年の学塾・有源舎発足。21年太平思想研究所を設立。28年大学生の精神道場有源学院を創立。32年関西師友協会設立に参与し理事・事務局長に就任。その教学道場として44年には財団法人成人教学研修所の設立に携わり、常務理事、所長に就任。62年論語普及会を設立し、学監として論語精神の昂揚に尽力する。著書に『愛蔵版「仮名論語」』『「大学」を素読する(CD付)』『己を修め人を治める道 「大学」を味読する』『「孝経」 人生をひらく心得』『人物を創る人間学』『安岡正篤先生からの手紙』『中庸に学ぶ』『いかにして人物となるか』『男の風格をつくる論語』『人生を導く先哲の言葉』『百歳の論語』ほか、『「論語」一日一言』の監修(いずれも致知出版社)などがある。