「サムシング・グレート」の生みの親・村上和雄先生を偲ぶ

「遺伝子が目覚めれば人生が変わる」
「人は皆、自分の金メダルが取れる」

生命科学研究に従事すること50年余。

研究者という域を遥かに越えて
大自然の不思議な働きに目を向けられ、
遺伝子の働きを通じて私たちに生命の不思議を
ユーモアを交えて伝え続けてくださった
筑波大学名誉教授・村上和雄先生がご逝去されました。

月刊誌『致知』では、連載対談「生命のメッセージ」、
連載「生命科学研究者からのメッセージ」で
長年にわたってご縁をいただいてきました。

生命の神秘さと真摯に向き合うなかで辿り着いた
「サムシング・グレート」という
村上先生が生み出した言葉は、
いまも多くの人たちの心に残っています。

村上先生は講演などでは、どうすれば遺伝子の話を
多くの人たちに受け入れてもらえるかを考えられ、
単に研究の成果ではなく、研究を通じて何を感じられたかに
スポットを当てて情報発信をしてこられました。

今回、村上先生の在りし日の姿を偲んで、
東日本大震災の翌年に行われた講演録をCD化しました。

宇宙が創った最高傑作が人間の命。

そんな思いを込めて語られた村上和雄先生の
ユーモアを随処にちりばめられた講話録をぜひお聴きください。


村上 和雄(むらかみ・かずお)
昭和11年奈良県生まれ。38年京都大学大学院博士課程修了。同年米国オレゴン医科大学研究員。米国バンダビルト大学助教授などを経て、53年筑波大学応用生物化学系教授に就任。58年には昇圧酵素「レニン」の遺伝子の全暗号解読に初めて成功。遺伝子工学の分野で世界をリードした。平成8年日本学士院賞受賞を受章。11年。筑波大学を定年退官したのちに参加したイネゲノム解読の国家プロジェクトで、遺伝子の完全解読を世界に先駆けて成功させた。23年瑞宝中綬章受章。令和3年4月13日逝去。

遺伝子を目覚めさせる村上和雄先生の言葉【その1】

よい遺伝子を目覚めさせる6つのポイント
①どんなときも明るく前向きに考える
②思い切っていまの環境を変えてみる
③人との出会い、機会との遭遇を大切にする
④感動する
⑤感謝する
⑥世のため人のためを考えて生きる


遺伝子をオンにするための知恵の一つに感動があります。
感動するとき、遺伝子は決して悪い方向には働かない。
感動は自分の心を奮い立たせ、遺伝子をよい方向に導いてくれるものです。


遺伝子をオンにするための心構えというものを
私自身の経験から振り返ると3つくらいの条件があるように思います。
①高い志を持つということ
②喜びを多くの人と共有するということ
③自分たちの仕事が世の中のためになるという熱き思いや意識を持つこと


村上和雄先生が織り成す感動と笑いの講演録

定価:5,500円(税込)

CD「スイッチ・オンの経営」
宇宙が創った最高傑作が人間の命
講師:村上和雄 収録時間:65分

【収録内容】
・ノーベル賞受賞と偏差値の関係
・科学者とダライ・ラマとの対話
・世界各地で評価される野口英世
・心と遺伝子の関係
・科学は知的なエンターテインメント
・笑いが糖尿病患者に与える影響
・心の持ち方次第で遺伝子をオンにできる
・イネの遺伝子暗号解読への挑戦
・すべての命の根源「サムシング・グレート」
・遺伝子を通じて「生と死」を考える
・生命38億年の歴史に命の尊さを思う
・天文学的確率で細胞一つが生み出される奇跡




遺伝子を目覚めさせる村上和雄先生の言葉【その2】

人間として生まれたてきたということは、
ある意味で、ものすごく幸せなことです。
猿で終わったかもしれないし、魚で終わったかもしれない。
胎児のうちに魚とか爬虫類を経過していくのですから。
つまり、魚や爬虫類で終わったかもしれないのに、
それが人間まで辿り着いた。これはすごいことです。


私は、人間は皆、自分の金メダルを取れるのではないかと思います。
オリンピックの金メダルや、ノーベル賞は取れないけれども、
自分の金メダルなら取ることができる。
そしてそれが人生の目的だと思うのです。



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