セミナー・イベント・講演会 『中庸』に学ぶ人間学
「天の道理」を知り、中庸に生きる
―リーダーのための古典活学講座―
儒家思想では、宇宙の根源絶対的存在を「天」と定義しています。「天」は遍く万物に、偏りなく、過不足なく恵みを与える存在です。「中庸」とは、この「天の道理」に従って生きること。そうした心の在り方をいいます。世俗での成功失敗、眼前の利益損失に一喜一憂することなく、「天の道理」に従って、正々堂々と生きることの大切さを学びます。
【会場・オンライン同時開催】
詳細情報
期間 | 令和4年3月~7月(毎月1回・全5講) 【第1講】 3月 18日(金) |
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定員 | 30名(会場参加の方のみ) |
受講料 | 1名様・19万8,000円(税込) |
会場 | KKRホテル東京〔東京共済会館〕(東京都千代田区) |
主催 | 致知出版社 |
時間 | 14:00 ~ 17:00 ※3時間講義 休憩含む |
【田口佳史先生からのメッセージ】
『中庸』を学ぶ上での2つの視点
四書の一つ『中庸』は、主に二つのことを言っています。一つは第一章の「天の命ずる之を性と謂い」という文言にあるように、『中庸』は人間の本性と天の関係を明らかにしようとしています。
「天」という表現は、儒教におけるもので、仏教であれば「仏」、道教であれば「道」と言われていますが、それらはこの世の根源、絶対的存在だと言えます。
私は50年にわたって中国古典を読んできましたが、最近つとに感じていることは、その絶対的存在が自分の存在と生きとし生ける者との関係をよく理解してもらいたいと言っているのではないかということです。そして、その関係性を最も端的に説いているのが、『中庸』だというわけです。
『中庸』は『論語』に比べると理屈っぽい部分もありますが、この世を創り、動かしている絶対的存在に対する理解がおざなりになっていることに対して、よりよく理解するための指針を示していると言ってもよいでしょう。
『中庸』が強調していることの二つ目は、『中庸』の心を別の言葉で表現すると、それは「誠」であると言っていることです。ゆえに「誠」という概念が大変重要になってきます。「誠」というものを突き詰めていくと、絶対的存在と人間との関係がよりよく分かってくるというわけです。
『中庸』はこうして生まれた
孔子には「鯉」という息子がいたのですが、早世します。そのため孫である「子思」は、孔子に育てられ、その過程で直接教えを受けた人物です。孔子にはたくさんの弟子がいましたが、その中にあって、孔子直伝の教えを受けたのは「子思」しかいませんでした。その「子思」が『礼記』にある「中庸の章」から抜粋して編纂したのが『中庸』というわけです。ゆえに孔子の教えに直接触れたいと思えば、『中庸』が最も適した書物だということができるのです。
いま、『中庸』を学ぶ意義
ではいま『中庸』を学ぶ意義はどこにあるのでしょうか。いま私たちはコロナ禍において様々な制約の中で生きざるを得ない状況になっています。しかも生命の危機と隣り合わせであるということです。そんな中にあった何が重要かと言えば、「心を平安に保つ」ことほど重要なことはありません。過度に畏れたり、過度に困難ばかりに目を向けることは、必ずしも最善の策ではないのです。しかし、それも見方を変えれば、私たちはいまかなり追い込まれた状況にあるわけですが、こういう時こそ自分の心の内をよく見ることができるチャンスをもらったと考えてみてはいかがでしょうか。そして、その見方をガイドしてくれるのが『中庸』なのです。いまの状況こそ、私は『中庸』を学ぶ意義があると考える所以です。
講座内容(全5講)
第1講 天と人間の関係を学ぶ
「天の命ずる之を性と謂う」
天の道理を理解する前提として「天と人との関係」を学びます。それは、生まれながらの本性に、人が天から与えられた使命があること。その使命に従って生きることが、人の道であることを学びます。中庸とは、偏りなく安定した心の状態=「中」と節度にかなった調和のとれた心の作用=「和」が調和して保たれていることを意味します。
第2講 中庸の実践とは何か
「道は人に遠からず」
中庸の実践は、簡単なようで、実は難しいことです。なぜなら、中庸であるかいないかは、目に見えますが、何故そうなるのかという原理は目に見えないからです。中庸を実践するとは何か。何故中庸から外れてしまうのかについて深く知り、中和の保有こそ「君子の道」であることを学びます。
第3講 天の基本「誠」とは何か
「誠は天の道なり、之を誠にするは人の道なり」
「誠」とは、偽りのない本来のままの在り方、つまり天の道というべきものです。そして人が天から与えられた本来の性もまた「誠」なのです。従って、至誠に徹することこそが、より良く生きることの要点であることを学びます。
第4講 天道の実践とは何か(中庸章句序も読む)
「天下の大経を経綸し、天下の大本を立てる」
人生や仕事の根本に天の道理があり、それを常に基本に置くことが大切です。誠の徳を極めたリーダーは日々どのように過すのか。天下の大経と大本をうち立てて、天地の化育を知るとはどういうことなのか。天道の実践について学びます。
第5講 君子の道とは何か(中庸章句序も読む)
「君子の道は、闇然として而も日々に章かなり」
天の道理をより深く理解したところで、これを日々の暮らしに活かしていくことの重要性を考えます。そしてその具体的な実践の要点を学びます。
講師紹介
田口佳史先生
たぐち・よしふみ
昭和17年生まれ。老荘思想研究者。
一般社団法人「日本家庭教育協会」理事長。
一般社団法人「東洋と西洋の知の融合研究所」理事長。
「杉並師範館」前理事長。株式会社イメージプラン代表取締役社長。
大学卒業後、日本映画社に入社。映画『東京オリンピック』チーフ監督参加。
25歳の時、タイのバンコク郊外で瀕死の重傷を負い、奇跡的に生還。
その後、中国古典思想に出会い、経営指導に転身。
昭和四十七年、株式会社イメージプラン設立。
以来30数年間で2000社以上に企業変革指導を行う。
また、中国古典を基盤としたリーダー指導によって
多くの経営者と政治家を育てた。
企業、官公庁、地方自治体、教育機関など
全国各地で講演講義を続け、一万名を越える
社会人教育の実績がある。
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