2018年01月20日
福島県内トップの障碍者雇用率を誇るクラロン。
いまは亡き創業者である田中善六さんから妻の須美子さんへと、
創業の思いは脈々と引き継がれています。
田中 須美子(クラロン会長)
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※『致知』2018年2月号【最新号】
※連載「生涯現役」P114
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おそらく主人は大変な思いをしたこともあると思うんですけど、
私はいつものんびりしていました(笑)。
だって私は主人と一緒にいさえすればそれで楽しいから、
傍から見れば辛いことでも、辛いなんてこと全然思わなかった。
とにかく主人と話しているとすごく楽しいんですよ。
いつも夜の11時、12時まで喋っている。だから寝るのが惜しいくらい。
ただし、主人が言うには、夜には会社の話はするなって。
なぜっていったら、寝る前に会社のことをあれこれ話しても、
すぐに行動できないから、そういうことは朝に話そうって言うんです。
いまは私一人になって、会社のことは夜にしか考えられないんですよ。
朝は忙しくて、とても考える暇がない。
その分、夜になかなか眠れなくて、いまはそれが苦痛ですね。
──ご主人亡き後、何か指針にされていることはありますか。
主人が亡くなった後に、机の中を整理していた際に、メモ紙が出てきたんですよ。
よく見ると、いつも主人が生前に口にしていた言葉でした。
「笑顔を絶やすな
あいさつはしたか
感謝はしたか
油断はないか
満足の一日だったか」
その時に私は思ったんです。
あ、これは今後私が生きる道の一つにしようって。
それと、これとは別によく言っていた言葉に、
「人は一人では生きていけない。皆の助けを借りなくちゃならない。
だから人に優しくしてあげなさい」というのがありました。
だから障碍を持った子にはなおさらで、
弱者に対して強くなってはいけない。
強い人には強くなりなさいとも言っていましたね。
──冒頭、ご主人のことを神様だとおっしゃっていましたね。
ええ。とにかく主人は慈悲深い人で、困っている人を助けることだとか、
人の幸せを願うということに関しては、本当に神様のような存在でした。
それだけに相談事が引っ切りなしで、
とにかく自分ができるできないにかかわらず、
必ず応えてあげていたんですよ。
やはりその根底には、人を嫌いにならないというのがあって、
それは私も真似しています。お付き合いを広げていくと、
中には嫌いな人なんかもあるわけでしょう。
でも、私はそうなるまいと思っています。
昔は心の狭い人間でしたので、主人のように
心の広い人間になろうという思いは常に心の中にありましたね。
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