昭和のリーダーたちが絶大な信頼を寄せた東洋思想家・安岡正篤師。碩学として知られる師が、自著の中で「歴史的社会的に脊骨ができたやうに思へたのは、史記と資治通鑑を読破したことであつた」と称したのが『資治通鑑』です。
宋代の名臣・司馬光が19年の歳月をかけて完結させた大著で、戦国時代から唐末までの1362年間の歴史と、それに対する論評が記されています。
本書では、二百九十四巻にも及ぶ『資治通鑑』の中から、「君子の出処進退」「治を為すの要」「創業と守成と孰れか難き」など、33の名言・卓論を精選。聖賢の教えに通暁する著者による、格調高い現代語訳が添えられています。
安岡教学において、「活きた人物学」「実践的人間学」の宝庫として最重要視されてきた『資治通鑑』。師の教えに学ぶ方はもちろん、経営リーダーの修養に資する一冊です。

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目次

(一)  禮は分より大なるはなく、分は名よりも大なるは無し

(二)  才、徳の弁 君子、小人の別

(三)信は、人君の大寶なり

(四)策を立て勝を決するの術、その要三、形・勢・情

(五)進取と守成とは、その勢同じからず

(六)張良ひとり「明哲にして身を保つ」

(七)王者は仁義を以て麗と為し、道徳を以て威と為す

(八)世に三遊有り、一、遊俠 二、遊説 三、遊行

(九)秦の始皇帝と漢の武帝との差違

(十)疏廣の出処進退の見事さ

(十一)善を挙げて不能を教ふれば則ち勧すすむ

(十二)教化は国家の急務なり、風俗は天下の大事なり

(十三)君子の出処進退

(十四)治を為すの要は、人を用ふるより先なるはなし

(十五) 嫡を立つるに長を以てするは礼の正なり。然れども高祖の天下を有てる所以は、皆太宗の功なり

(十六)乱に戡かつに武を以てし、成を守るに文を以てす。文武の用、其時に随ふ

(十七)創業と守成と孰れか難き

(十八)君子、人を用ふること器の如し

(十九)君は源なり、臣は流れなり

(二十)良臣と為らしめよ。忠臣と為らしむる勿れ

(二十一)君、自ら其過を知らんと欲すれば、必ず忠臣を待つ

(二十二)人と利を同じくせしが故なり

(二十三)西域の賈胡、美珠を得れば、身を剖きて

(二十四)人主、何を為せば明かに、何を為せば暗き

(二十五)己を虚しくして以て人を受くべし

(二十六)乱を経るの民は愁苦す。愁苦すれば則ち化し易し

(二十七)才行兼ね備はるに非ざれば、用ふ可からざるなり

(二十八)魏徴も初めは太子建成の謀臣であった

(二十九)主明なれば臣直なり

(三十)人を以て鏡と為せば、以て得失を知るべし

(三十一)玄宗奢靡を禁ず

(三十二)文・武を兼ねずして聖人と称するはなし

(三十三)人を用ふるには、惟だ賢不肖を察す


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著者・プロフィール

荒井桂(あらい・かつら)――昭和10年埼玉県生まれ。33年、東京教育大学文学部東洋史学専攻を卒業。以来40年間、埼玉県で高校教育・教育行政に従事。平成5年から10年まで埼玉県教育長を務める。在任中、国の教育課程審議会委員ならびに経済審議会特別委員等を歴任。16年6月より公益財団法人郷学研修所・安岡正篤記念館副理事長兼所長。安岡教学を次世代に伝える活動に従事。著書に『安岡正篤「光明蔵」を読む』『山鹿素行「中朝事実」を読む』『「小學」を読む』(いずれも致知出版社)などがある。

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